まさか、の火事を家族で予防するための「心構え」や対策を、自宅に居ながらインターネット動画で学べます。
横浜市港北消防署(大豆戸町)は、先月(2020年)4月7日に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のための「緊急事態宣言」が出され、外出の自粛を求める外出自粛が続いていることから、新たな「火災予防」の取り組みにとしての動画配信にチャレンジしています。
先月4月29日から動画共有サイトYouTube(ユーチューブ)で公開したのは、同消防署オリジナルの紙芝居「火の用心!」。
2015(平成27)年に区内で誕生した港北昔ばなし紙芝居グループ「たまてばこ」が、同消防署からの依頼を受け初めて製作した同作品は、2018(平成30)年の夏に完成。以降、火災が増える時期の9月から翌3月までの間に区内の幼稚園・保育園に貸し出され、同グループのメンバーが毎年約30園ほどを巡回。園児らに紙芝居を披露してきたといいます。
これまでは、この紙芝居の貸し出しを通じて、「子供たちに、火事を見つけたらどうするか、煙の中で避難するにはどうしたらよいか、といった火災発生時の対処方法について覚えてもらっていました」と語るのは、今回の動画の企画を担当した同消防署予防係長の吉野賢二さん。
現在、多くの幼稚園や小学校なども臨時休園・休校が長引いていることもあり、「自宅で紙芝居を見られるようにと動画の配信を企画しました。家庭で過ごす子供たちに、少しでも楽しく火災予防について学んでもらうことができれば」と、これまでとは異なる「火災予防」の活動を新たに立ち上げた経緯を説明します。
紙芝居の動画撮影は先月4月21日に同消防署内の会議室で実施したといい、収録に臨んだ「たまてばこ」のメンバーで、新吉田在住の吉野久枝さんは、「この紙芝居は、クイズ形式も盛り込んでいることもあり、子どもたちにも好評を博しています。今の子どもたちはマッチを使う機会などもなく、火の怖さを知らないのでは」と、例えばライターやガスコンロなど、“スイッチ1つ”で火が点くこともある火、そして火災が発生した時の恐ろしさを、紙芝居を通じ伝えていると語ります。
今回の作品の動画撮影にボランティアとして臨んだ「わがまち港北映像プロジェクト」のメンバーで、港北ふるさとテレビ局代表の伊藤幸晴さんは、「同会が制作した50を超える作品のうち、40作品以上を収録してきましたが、今回は、当テレビ局に新加入したメンバーが初めて音響を担当しました。紙芝居を吉野さんが読み上げる雰囲気も伝えられたらと、臨場感も伝えられるように撮影しました。子どもたちも見やすい内容に仕上げていますので、ぜひ親子で観てもらえれば」と、家族ぐるみでの動画の視聴を呼び掛けています。
【関連記事】
・港北消防が初のポスターコンクール、子どもと家族に「火災予防」呼び掛け(2020年4月20日)※作品募集中
・全国的に注目の「昔ばなし紙芝居」で鶴見川を学ぶ、6/17午後に流域センターで(2017年6月10日)※2017年の記事、吉野久枝さんの紙芝居も披露
【参考リンク】
・紙芝居「火の用心」(港北ふるさとテレビ局/YouTube、2020年4月29日公開)