来年(2019年)に迫るラグビーW杯や、2020年の東京五輪に向け、「官民一丸となって」テロ対策強化を呼び掛ける組織が港北区で発足しました。
きのう(2018年)2月8日、新横浜3丁目の新横浜グレイスホテルにて、港北警察署、港北区管内の行政機関、交通機関、町内会や商店街などの関係団体、民間企業など120団体からなる「オール港北オリンピック・パラリンピック等対策協議会」が設立総会を開催。
両イベントの開催地である日産スタジアム(横浜国際総合競技場)周辺や、オリンピック英国代表のキャンプ地となる慶應義塾大学日吉キャンパス(日吉4)周辺でのテロ未然防止対策に向けての気運盛り上げや、関係機関の協力を呼び掛けました。
総会で会長に選任された篠沢秀夫さん(港北区企業防犯協会会長)、副会長に選任された倉知秀朗さん(横浜市体育協会新横浜公園管理局長)、金子清隆さん(新横浜町内会会長)、小嶋純一さん(港北区商店街連合会理事)らがあいさつ。
幹事に就任した高木幹夫さん(港北区警察官友の会会長)は、「『オール港北』という言葉のように、この港北区が“小さな村”のように、顔見知りになっていくことがテロ対策になるのでは。これから行われていく様々な会合に積極的に参加し、もっと(こういう対策をしようという)声をあげていきたい」と、五輪誘致時にブームとなった“おもてなし”で来客を迎え入れながらも、一人ひとりが“顔見知り”になることで、テロリストに対峙(たいじ)したいとの決意を語ります。
顧問には、港北区長の横山日出夫さん、港北区連合町内会会長の小林辰雄さん、港北消防署長の安江直人さん、港北警察署の牧智明さんが就任。
港北警察署の牧署長は、「一生に一度あるか、ないかという今回の機会への想いは皆さんと同じ。テロリストにとって都合の良いものは、地域の無関心、無警戒。協議会の皆さんと情報を共有し、訓練やパトロールを実施していくことで地域の関心を高め、テロの起きにくい地域としての『オール港北』を築き上げていきたい」と、警察だけで実行することは難しい“テロ未然防止”に向けての協力を呼び掛けます。
「オール港北」を呼び掛け、また結束力を高めるための記章(きしょう)も会場で配布され、そのデザインは学校法人岩崎学園横浜デジタルアーツ専門学校(新横浜3)の学生が行ったことも発表されるなど、大会への気運を盛り上げます。
各団体からの参加者90名に、ドローンによる競技場周辺の空撮映像紹介や国際テロ情勢、サイバーセキュリティー犯罪の手口についての講演も実施。
神奈川県警察本部長の斉藤実さんも来訪してのあいさつや、白バイならぬ「白自転車」で周辺の警戒に当たる「自転車部隊」の発足・出陣式も行われ、官民挙げた「相互協力・支援」に向けた初の総会を終了しました。
同協議会はオリンピック・パラリンピック後に解散の予定。今後の会合の頻度や活動予定は未定とのことですが、それぞれの所属分野や業種などで分かれた10の部会での活動などが随時行われていく予定とのことです。
<オール港北オリンピック・パラリンピック等対策協議会(計120団体)>
(全10部会)
・協力団体・企業部会(15団体)
・連合町内会等部会(15団体)
・ホテル・合宿部会(14団体)
・大規模集客施設部会(5団体)
・ライフライン部会(4団体)
・運輸部会(15団体)
・レンタカー部会(18団体)
・医療部会(4団体)
・爆発物原料部会(10団体)
・ネットカフェ部会(9団体)
【関連記事】
・<大倉山・菊名など>民間36社の支援で防犯カメラ、3月までに20台増の目標達成へ(2018年1月15日)
・<日産スタジアム改修>W杯対応へ今年度だけで83億円、「ピッチレベル観客席」実験も(2017年10月5日)
・全国各地を巡回中の「オリ・パラフラッグ」、9/5(火)に港北区役所で展示(2017年8月28日)
・港北警察署が50周年、W杯や五輪で市民や関係機関との更なる連携強化を目指す(2017年8月25日)
・東京五輪の英国代表キャンプ、慶應日吉ではバスケやボクシングなど13競技を予定(2017年3月22日、横浜日吉新聞)
【参考リンク】
・港北警備通信(港北警察署)
・ラグビーワールドカップ2019横浜国際総合競技場が舞台に(港北区役所)
・横浜国際総合競技場(東京都オリンピック・パラリンピック準備局)
・東京2020オリンピック英国チーム事前キャンプ契約締結式(慶應義塾)