「港北区の木、花」をアレンジしたバッチ(記章)を、わずか3時間でデザイン――新横浜に通う専門学校生が、港北警察署から表彰されました。
来年(2019年)開催予定のラグビーW杯や、2020年に実施される東京五輪に向け、官民計120団体が一丸となり「テロ対策強化」を行う目的で今月(2018年2月)8日に設立された「オール港北オリンピック・パラリンピック等対策協議会」(篠沢秀夫会長)。
この協議会に参画するメンバーが着用する「記章」のデザインを手がけたのは、学校法人岩崎学園横浜デジタルアーツ専門学校(新横浜3)のグラフィック科イラストコースに通う、1年生の上村絢音さん(横浜市在住)。
港北警察署(大豆戸町)の牧智明署長から、同協議会の運営に多大な貢献をされたことに感謝したいと、昨日(2月)28日に感謝状を授与されました。
上村さんは在学する高校時代も、大好きという絵は描いていたとのことですが、専門的に絵やデザインを学んだのは、同校に入学してからといいます。
今回のデザインは、港北警察署から同校へ制作の打診を行い、グラフィック科の授業で約70人が記章のデザインを行った中で優れた4、5点ほどの作品を同警察署へ提示。
フィードバックや改良を重ねつつ、最終的に上村さんの作品が選ばれ、両イベントの主催機関の確認を経て採用されたものです。
記章には、港北区の木である「ハナミズキの花」、港北区の花の「梅」があしらわれていますが、デザインするにあたり、「港北区在住ではないので、港北区についてインターネットで、“さっくり”調べたら、区の木、花がヒットしたんです。授業の(わずか)3時間で作り上げました」と、授業内でパソコンを使用し、わずかな時間のひらめきで作品を“スピード作成”したという上村さん。
色は、ハナミズキと梅は“優しさ”をたたえるかの「ピンク色」にアレンジ。花を際立たせるようにと、高貴さをも持つ「淡いエメラルドグリーン」を背景に配色。W杯と五輪にちなんだラグビーボールとサッカーボールを納めた“見栄えの良さ”が、採用された理由とのこと。
「素晴らしい出来映えで、官民一体の“士気高揚”を図るためにも役立ちます」と牧署長も作品のクオリティの高さを称(たた)えます。
今回の表彰式には、同校の三辻訓(さとし)校長、上村さんを指導する教務部の村田恒(ひさし)課長も同席。同校では、音楽やゲーム、そしてデザインを学ぶことができる学科やコースを設置していることから、「クリエイティブなシーンを産み出すそれぞれの学科やコースが人気を博しています。学びの成果を発揮してもらえて嬉しい。受賞、そして多く皆さんに記章を使ってもらうことが学生たちにとっても良い刺激になります」と三辻校長。
普段は、大好きなキャラクターのイラストを描くことが多いという上村さんも、「親に報告したら喜んでもらえました」と、自身、今回がこの学校では初めてという受賞を喜びます。
同校では、港北警察署のキャラクター「ぽのちゃん」のデザインも学生が手掛け、隣接地にある横浜アリーナ(新横浜3)の入口壁面で月替わりで上映されている「ヨコアリくん」の季節の映像も制作しているとのこと。
「地域にかかわる作品を作ることが、学生たちにとっての、良い“発表の機会”になっているんです」と、学生を指導する村田課長も、これからも同様の試みを積極的に“地域社会に対して”行っていくことをアピールします。
今回の記章は、「オール港北」のメンバー約700人に既に配布されたほか、オリンピック・パラリンピック開催時には、累計約1000人にも配布される予定です。
“超”少子高齢化時代の到来で、学生確保にも頭を痛める学校が多くなっている中、新横浜から地域に根差す作品を産み出そうという同校の試みや生徒の活躍は、活気あるこのエリアの街づくりに一役買い、また新しい時代の学校の在り方として大きな注目を集めそうです。
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