新横浜で迷惑な客引きや路上看板の設置をしないで――寄せられる「苦情」の増加で港北警察署などがパトロールを強化しています。
先週(2023年)6月30日夜、神奈川県警察本部と港北警察署の署員、横浜市職員や港北区役所の職員約10人が、新横浜2丁目の繁華街での迷惑行為への注意喚起を行う巡回パトロールを実施。
マナーを守る行動や、法令や条例で禁止される行為としての違法な「客引き」をする、させることへの注意を約1時間にわたって呼び掛けました。
この日は、「港北警察署・港北区役所・新横浜町内会からのお願い」と記した、『新横浜2丁目付近において』とのタイトルでのB6判サイズのミニチラシをそれぞれ配布。
2班に分かれて、苦情が多く寄せられているエリアで客引きを行う飲食店関係者や通行人などへの声かけを行いました。
「違法な客引き」は法令や条例で禁止
「新型コロナ禍」明けということもあり、多くの来街者が戻りつつある新横浜の街ですが、特に2丁目の歓楽街において、客引きへの苦情が「警察のみならず、市にも多く入っている状況」(市の防犯担当者)と、県警察のみならず、市や区の担当者も加わり、今回の地域の巡回パトロールに至った理由を語ります。
特に新横浜1丁目と2丁目は、昨年(2022年)11月1日の「暴力団排除条例」改正により、新たに県内で15地区選定された「暴力団排除特別強化地域」となっていることから、「神奈川県警としても違法行為についての巡回を強化すべきと判断しました」と、同県警の担当者も今回のパトロールに加わった経緯を説明します。
特に苦情が多いという「違法な客引き」についての注意喚起は積極的に行っていくとしています。
客引きの具体的な方法については、「人の身体または衣服を捉え、所持品を取り上げ、進路に立ちふさがり、身辺につきまとう」といった客引きや、客引きをさせる行為が「違法」に該当。
法令を守り、健全で魅力あふれる「安全」で「安心」な街づくりの一環での、違法な客引き、または客引きをさせる行為についての禁止を呼び掛けています。
「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」では、6カ月以下の懲役もしくは100万円以下の罰金に処す、または両方科す(併科)としています。
また、「神奈川県迷惑行為防止条例」では、不当な客引き行為などの禁止事項について、「50万円以下の罰金または拘留若しくは科料」(客引き行為)、または、「100万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」(客引きをさせる行為)といった高額な罰則のリスクについても指摘しています。
「違法看板」指導やマナー向上も呼び掛け
この日、道路法と道路交通法による違法な路上での「看板」を設置している飲食店への指導を行ったものの、「数日経つとすぐに元に戻ってしまいます。今月7月から継続的にパトロールを実施していますので、その都度、指導を行っていきたい」と、港北警察署の担当者も語ります。
このほかにも、“戻った人流”により引き起こされているという信号無視や横断歩道以外の場所をわたる行為、たばこなどのごみのポイ捨てや花壇などを荒らすなどの行為についても、「地元の方や通行人から数多くの苦情が寄せられています。マナーを守った行動を心掛けてください」と、同担当者は、港北区役所や新横浜町内会などとともに、“地域ぐるみ”での来街者のマナーアップについても、日々継続的に呼び掛けていく考えです。
【関連記事】
・新横浜「合同査察」に警察・行政が70人体制、客引き・路上看板も啓発指導(2022年11月29日)
・暴力団排除の「特別強化地域」を選定、11月から新横浜など県内15カ所で(2022年10月27日)※「新横浜駅周辺地域(新横浜1~2丁目)」も選定。用心棒料やみかじめ料などを提供する側となる飲食店や風俗営業店などの「特定営業者」に対しても「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」の罰則が設けられた
【参考リンク】
・「市民の声」の公表~新横浜駅周辺での客引きの常態化をなんとかしてください(横浜市)
・神奈川県迷惑行為防止条例の一部を改正する条例の概要について(神奈川県警察本部生活安全部生活安全総務課)