新横浜を始めとした港北区内の商業地が持ち直しの傾向を見せています。
今年(2023年)1月1日現在の地価を国が調査した「公示地価」が今月3月22日に発表され、横浜市(全用途)の平均変動率は1.5%で前年の0.8%から上昇し、港北区でも2.6%の上昇となり、前年の1.6%を上回りました。
土地の用途別では、港北区の住宅地における45地点の平均変動率は2.6%(前年1.6%)で平均価格は31万9000円、商業地13地点の平均変動率は2.8%(前年1.2%)の平均価格は71万400円、工業地4地点の平均変動率は2.6%(前年1.6%)で平均価格は27万3000円でした。
商業地を見ると、日吉駅前の上昇率が高く、新横浜3丁目は前年の2.1%を上回る4.7%の上昇となっています。
今回の調査は3月18日の相鉄・東急「新横浜線」の開業を控えるなかで行われており、「利便性の向上が見込まれる。新横浜エリアのオフィス市況は、空室率は改善傾向、賃料は横ばい基調であり、品薄感も相俟って地価は上昇基調で推移すると予測する」(新横浜3丁目の鑑定評価書)との見方を提示。
また、「景気動向を敏感に反映し新横浜商業地域において空室率は高めの傾向にあるが、相鉄・東急直通線の開通を控え、地域の建設投資は順調に伸び、商業地区として進化、成熟に向かいつつある」(新横浜2丁目の鑑定評価書)という分析も見られました。
港北区内の「商業地」(13カ所)における価格と上昇率、また「工業地」(4カ所)の価格・上昇率を以下に掲載します。
港北区内「商業地」(13カ所)の価格・上昇率
(※)価格は1平方メートルあたり。住所部分からグーグルマップにリンク。住所横のカッコ内(港北●-●)は標準地番号
- 日吉本町1丁目2-2(港北5-1)1,150,000円(前年1,090,000円)5.5%(前年1.9%)【鑑定評価書】
- 新横浜3丁目7-3(港北5-5)2,000,000円(前年1,910,000円)4.7%(前年2.1%)【鑑定評価書】
- 綱島西1丁目1-3(港北5-2)954,000円(前年915,000円)4.3%(前年3.0%)【鑑定評価書】
- 高田東4丁目2-16(バス通り沿い)(港北5-8)334,000円(前年321,000円)4.0%(前年1.9%)【鑑定評価書】
- 大倉山3丁目43-29(港北5-13):407,000円(前年394,000円)3.3%(前年1.8%)【鑑定評価書】
- 新横浜2丁目3番8(港北5-6):1,130,000円(前年1,100,000円)2.7%(前年0.9%)【鑑定評価書】
- 篠原北2丁目1-17(菊名駅西口)(港北5-11):492,000円(前年480,000円)2.5%(前年0.4%)【鑑定評価書】
- 大豆戸町字塚田503番3外(環状2号線沿い)(港北5-7):405,000円(前年397,000円)2.0%(前年1.0%)【鑑定評価書】
- 新横浜1丁目17番12(港北5-12):640,000円(前年629,000円)1.7%(前年0.2%)【鑑定評価書】
- 師岡町字表谷戸912番2(環状2号線沿い)(港北5-3):322,000円(前年317,000円)1.6%(前年0.3%)【鑑定評価書】
- 菊名6丁目3-14(綱島街道沿い)(港北5-10):515,000円(前年510,000円)1.0%(前年0.4%)【鑑定評価書】
- 菊名1丁目1-6(妙蓮寺駅前)(港北5-4):476,000円(前年474,000円)0.4%(前年0.2%)【鑑定評価書】
- 新羽町字中町1625番1外(新羽駅前)(港北5-9):410,000 - (選定替※前年は北新横浜1丁目)【鑑定評価書】
港北区内「工業地」(4カ所)の価格・上昇率
- 新羽町字中町1182番(新羽駅近く)(港北9-1):274,000円(前年267,000円)2.6%(前年1.5%)【鑑定評価書】
- 新吉田東8丁目53-16(新田緑道近く)(港北9-2):280,000円(前年273,000円)2.6%(前年1.5%)【鑑定評価書】
- 新羽町字南上町570番(北新横浜駅近く)(港北9-4):280,000円(前年273,000円)2.6%(前年1.9%)【鑑定評価書】
- 綱島東5丁目10-14(港北9-3):258,000円(前年252,000円)2.4%(前年1.6%)【鑑定評価書】
大倉山エリアの住宅地で上昇目立つ
一方、港北区内の住宅地を見ると、4%台の上昇率を見せたのは、新横浜線の新綱島駅が開業する綱島エリアと、同線の起点となる日吉エリアの地点が中心でしたが、南部エリアでは、“上昇常連”の「大倉山3丁目37」をはじめ、大倉山駅から徒歩圏の「大曽根2丁目6」、大豆戸交差点寄りの「菊名6丁目26」など大倉山駅周辺での上昇地点が目立ちました。
南部エリアで上昇率が高かった地点は次の通りでした。
港北区「南部」で3%以上の上昇率だった住宅地
(※)価格は1平方メートルあたり。住所部分からグーグルマップにリンク。住所横のカッコ内(港北●)は標準地番号
- 大倉山3丁目37(港北9):455,000円(前年435,000円)4.6%(前年3.1%)【鑑定評価書】
- 大曽根2丁目6(港北34):325,000円(前年314,000円)3.5%(前年1.9%)【鑑定評価書】
- 菊名6丁目26(港北11):360,000円(前年348,000円)3.4%(前年2.1%)【鑑定評価書】
- 菊名2丁目10(港北14):367,000円(前年355,000円)3.4%(前年2.3%)【鑑定評価書】
- 篠原東1丁目10(港北5):365,000円(前年353,000円)3.4%(前年2.3%)【鑑定評価書】
- 大倉山7丁目4(港北7):284,000円(前年275,000円)3.3%(前年2.2%)【鑑定評価書】
- 仲手原2丁目29(港北29):346,000円(前年336,000円)3.0%(前年1.8%)【鑑定評価書】
(※)北部エリアの情報は「横浜日吉新聞」に掲載しています
【関連記事】
・【昨年7月時点の地価】2022年7月の基準地価、港北区平均は“コロナ前”に迫る上昇率に(2022年9月26日)
・【前年記事】<2022年の公示地価>新横浜の「商業地」はまだ厳しさ、大倉山や菊名で上昇も(2022年3月24日)
【参考リンク】
・標準地・基準地検索システム(港北区内分)※「検索」を押せば一覧が表示される
・令和5年地価公示(神奈川県分)について(神奈川県政策局)