新型コロナ禍前よりも高い上昇率となりました。
今年(2023年)7月1日現在の地価を示す「基準地価」が神奈川県から9月20日に発表され、商業地では新横浜駅前の調査地点が前年と比べ14.4%上昇し、4年ぶりに二桁の上昇率を記録しています。
基準地価は、国が調べた1月1日現在の「公示地価」とともに、土地取引時の目安として活用されるもの。港北区内では宅地18、商業地8、工業地1の計27地点で調査が実施されています。
この数年は新型コロナ禍の影響もあって上昇が鈍化していましたが、今年はコロナ禍前を上回る上昇率を見せ、港北区内の宅地平均は前年比3.6%(前年2.6%)、商業地は同6.8%(同2.4%)の上昇となり、いずれも横浜市内平均(宅地2.5%・商業地5.3%)を上回っています。
区内の商業地では、新型コロナ禍の影響で2020年以降は低上昇が連続していた新横浜駅前(新横浜3丁目、東広場)の調査地点で14.4%の上昇率となり、新型コロナ前の2019年調査時(14.2%)を上回りました。上昇率で県内3番目、価格順でも県内9番目に上がっています。
県政策局は「相鉄・東急直通線の開業による利便性向上から上昇している」と分析しており、今年3月の新横浜線開業が影響したものとみられます。
一方、宅地では大綱中学校に近い大倉山3丁目の調査地点で5.4%上昇し、価格順でも中区山手町や日吉駅前、小杉御殿町、青葉区美しが丘に続き県内5番目となりました。
大倉山では駅前レモンロードに設定された商業地の調査地点でも5.2%の上昇となっています。
このほか、宅地では大倉山駅が最寄りとなる大曽根2丁目で4.1%、新幹線トンネル近くの樽町1丁目が3.9%とそれぞれ一定の上昇率を記録しています。
港北区内における調査地点の一覧と結果は次の通りです。
港北区内で上昇率が高かった調査地点を以下にまとめました。
<港北区内商業地の上昇地点>※4%以上、1平方メートルあたりの価格
- 新横浜3丁目6-4(駅前東口広場):2,700,000(前年2,360,000)14.4%
- 綱島西1丁目1-3(西口駅前商店街):1,030,000(前年933,000)10.4%
- 日吉2丁目6-5(浜銀通り):770,000(前年712,000)8.1%
- 大倉山1丁目17-3(レモンロード):705,000(前年670,000)5.2%
- 樽町2丁目1-7(菖蒲園前交差点近く):401,000(前年382,000)5.0%
- 高田東1丁目41-19(日吉元石川線、白坂寄り):370,000(前年355,000)4.2%(※)※参考:綱島東1丁目1-6(バス乗場前)803,000(選定替のため前年の結果無し)
<港北区内宅地の上昇地点ベスト10>※枝番省略、1平方メートルあたりの価格
- 綱島西3丁目12:430,000(前年398,000)8.0%
- 綱島西5丁目5:341,000(前年319,000)6.9%
- 綱島西6丁目1:350,000(前年330,000)6.1%
- 新吉田東6丁目40:304,000(前年288,000)5.6%
- 大倉山3丁目37:467,000(前年443,000)5.4%
- 日吉3丁目11:372,000(前年354,000)5.1%
- 大曽根2丁目6:331,000(前年318,000)4.1%
- 箕輪町1丁目26:344,000(前年331,000)3.9%
- 樽町1丁目9:343,000(前年330,000)3.9%
- 篠原東1丁目10:372,000(前年360,000)3.3%
【関連記事】
・【前年記事】2022年7月の基準地価、港北区平均は“コロナ前”に迫る上昇率に(2022年9月26日)
・2023年の「路線価」、新横浜や大倉山、菊名西口の駅前などで回復傾向(2023年7月5日、直近の状況)
・<2023年基準地価>綱島西3・5・6丁目が「上昇ベスト3」、新吉田東6も続く(横浜日吉新聞、2023年9月21日、北部エリアの記事)
【参考リンク】
・港北区内の地価検索(国土交通省、下部の検索ボタンを押すと一覧が表示される)
・令和5年地価調査結果について(神奈川県政策局)(※)資料の公開日は2023年9月19日(火)としているが、詳細の「基準地価格一覧」は各新聞社が翌20日(水)の朝刊に一覧を載せてから県民には遅らせて公開している