大倉山・菊名・妙蓮寺など港北区内の宅地価格は上昇を維持しましたが、新横浜の商業地は停滞しています。今年（2021年）7月1日現在の「基準地価」では、新型コロナウイルス禍の影響で昨年同様に低い上昇率となったものの、区内住宅地は1.1％（前年0.9％）の上昇となり、西区（1.7％）と神奈川区（1.6％）に次ぎ、横浜市内で3番目となる高さ。区内では綱島や大倉山の調査地点で高い上昇率でした。
2021年7月1日時点の港北区内における「基準地価」の一覧。上部18カ所は「住宅地」、下部8カ所が「商業地」、下部1カ所が「工業地」（神奈川県の発表資料を一部加工）
毎年7月1日時点の「住宅地」と「商業地」などの地価を示す基準地価は、1月1日現在の「公示地価」とともに、土地取引時の目安として活用されています。
調査対象となっている区内の住宅地18カ所では、綱島駅から徒歩10分ほどの早渕川近くにある住宅地「綱島西3丁目12番地」（2.7％）と、大綱中学校に近い「大倉山3丁目37番地」（今回2.4％、前年1.7％）が前年を上回る上昇率となり、大倉山3丁目は神奈川県内の宅地価格ランキングで前年の9位から8位へ順位を上げました。
前回から調査対象となった武相高校に近い高台の住宅地「篠原東1丁目10番地」（2.0％）や、妙蓮寺駅から徒歩11分、菊名駅東口から同13分の住宅地「菊名3丁目2番地」（1.4％、前年1.0％）、菊名駅西口から徒歩9分、新横浜駅篠原口から同13分の傾斜地にある住宅地「篠原北1丁目21番地」（1.2％、前年0.9％）で、それぞれ区の平均を超える上昇率を記録。
上から神奈川県内の「住宅地価格」「上昇率」「下落率」のランキング、大倉山3丁目は価格で県8位に食い込んだ（神奈川県の発表資料を一部加工）
一方、岸根公園駅に近い住宅地「岸根町字（あざ）山王山」（0.0）は前年に続きゼロ成長となり、小机小学校に近い高台の住宅地「小机町字（あざ）打越」（-1.0％、前年-0.5％）はマイナス幅が拡大しています。
また、商業地では新駅開業に合わせて駅前再開発が進む綱島駅付近では堅調だったものの、港北区全体では1.1％（前年1.5％、2年前4.0％）の上昇率にとどまりました。
新横浜駅の東広場に面したオフィスビル「新横浜3丁目6番4号」（新横浜千歳観光ビル）では、わずか0.9％（前年4.1％、2年前14.2％）の上昇率となっており、新型コロナ禍を経て停滞感が見られます。
【関連記事】
・＜2020年基準地価＞コロナ禍が宅地価に打撃、港北区内でゼロ成長の地点も（2020年10月2日、前年の記事）
・＜2021年の公示地価＞新横浜の商業地はプラス維持、他の区内駅前は苦戦（2021年3月25日、今年1月時点の公示地価）
【参考リンク】
・港北区内の地価検索（国土交通省）※ページ下部の「検索」を押すと港北区内の一覧が表示される
・令和3年「地価調査結果」について（神奈川県、2021年9月22日全面公表）※「資料2 基準地価格一覧」は公表日より1日遅らせてサイト上に公開している
