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かつて新羽からも鉄道を頼りに多くの人々が来訪していたのでしょうか。

港北区内の鳥山町と小机町に位置する横浜上麻生道路上にあった「新羽踏切」交差点の名称が「小机駅東側」に変更、11月2日から新しい交差点名標識に生まれ変わった

港北区内の鳥山町と小机町に位置する横浜上麻生道路上にあった「新羽踏切」交差点の名称が「小机駅東側」に変更、11月2日から新しい交差点名標識に生まれ変わった

神奈川県警察本部(中区・港北警察署=大豆戸町)は、港北区内の鳥山町と小机町に位置する横浜上麻生道路上にある「新羽踏切」交差点の名称を、新たに「小机駅東側」交差点に変更。

今月(2020年)11月2日、港北土木事務所(大倉山7、秋本圭一所長)が、新たな交差点名標識に付け替えています。

この交差点名については、横浜上麻生道路上にあるこの交差点の三方が鳥山町、一方が小机町に位置しているという立地にもかかわらず、約50メートル離れた場所にある隣接する鉄道の踏切名と同じ「新羽踏切」という名称であったことから、「新羽町からはかなり離れている」、「この交差点の場所がどこにあるのかわからない」といった利用者の声や地域住民からの名称変更の要望が、長年にわたり多く寄せられていたといいます。

JR横浜線「新羽踏切」側から見た「小机駅東側」(旧新羽踏切)交差点。踏切の右手200メートルほど先の西側に小机駅がある

JR横浜線「新羽踏切」側から見た「小机駅東側」(旧新羽踏切)交差点。踏切の右手200メートルほど先の西側に小机駅がある

小机町ゆかりの横浜市会議員・佐藤祐文(ひろふみ)さんは、「JR横浜線が開業した時期のほうが横浜上麻生道路の開通より歴史的に古く、かつて荷物の積み下ろし場が小机駅にあったといわれていることから、亀甲橋(かめのこばし)を新羽の人々が渡りやってきたという歴史的な背景があり、交差点名も踏切に合わせて付けたのではないか」と、交差点名が「新羽踏切」となった理由を推察し説明します。

今回の地域からの要望を受け、昨年(2019年)から具体的に変更に至る手続きを行ってきたといい、「鳥山町にちなんだ交差点名を付けてほしいという要望も多かったのですが、小机駅の東側にあることから、今回の名称となりました」と佐藤さん。

港北区の歴史研究家で公益財団法人大倉精神文化研究所(大倉山2)理事長の平井誠二さんは、「旧新羽村の人たちが経費を出し合い、小机側の人々の好意で用地が提供されて道が造られたという経緯があり、踏切の名も“小机踏切”ではなく、“新羽踏切”になったものといわれています。踏切の改称は利便性を考えると当然のことかと思いますが、名前の由来が忘れられているのはちょっと淋しい気もします」との歴史的経緯、また時代の流れについてコメントしていました。

かつて新羽は近かった?交差点側(手前)から日産スタジアムやサブ競技場「日産フィールド小机」は近いが、新羽の街はさらに先の鶴見川を亀甲橋で越えた先にある

かつて新羽は近かった?交差点側(手前)から日産スタジアムやサブ競技場「日産フィールド小机」は近いが、新羽の街はさらに先の鶴見川を亀甲橋で越えた先にある

同交差点から横浜線の「新羽踏切」越しには日産スタジアム(小机町)が目の前に見える立地、同交差点から約270メートルの場所に小机駅があること、また横浜上麻生道路上に続く交差点には「小机駅前」「小机駅西側」の名称が付けられていることもあり、今回の「小机駅東側」との名称は、小机駅周辺を特に初めて訪れる人にとっては分かりやすい名称に落ち着いたともいえそうです。

なお、今回の交差点名変更と同日に、港北区内の綱島西でも新しい交差点名標識「綱島小学校入口」を設置したとのこと。

新標識の設置そのものが「大変珍しいケース」(港北土木事務所)とのことで、2つの交差点が同日に“生まれ変わった”という稀有な事例としても、地域で語り継がれていくことになりそうです。

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