横浜線沿線に拠点を構えるプロレス団体が、新横浜駅や周辺の繁華街で防犯を呼び掛けました。
今週(2019年)12月3日の夕刻、神奈川県警察本部と港北警察署は、「年末年始特別警戒」(12月1日~2020年1月3日)の開始にともなう防犯ボランティア団体などと連携した防犯キャンペーンや、駅前の繁華街などの防犯パトロールを実施しました。
今回、ゲストとして招かれたのは、JR横浜線鴨居駅に近い、都筑区池辺(いこのべ)町に活動拠点を置く大日本プロレス(登坂栄児代表)のプロレスラー・岡林裕二選手と、同区出身の青木優也選手。
新横浜駅2階(改札階)コンコースの「交通広場」に、岡林選手と青木選手、そして同プロレスのマスコットキャラクター「デスかも」、神奈川県警のシンボル・マスコット「ピーガルくん」が初登場。
神奈川県警犯罪抑止対策室の田上数仁(たがみかずひろ)室長が、犯罪件数は減っているものの、カード摂取型などの特殊詐欺が増えていること、電話は留守番電話に設定する必要性や、来年(2020年)に開催迫る東京2020オリンピック(東京2020五輪)によりやってくる観光客に、安心して新横浜周辺で観光してもらうためにも、歓楽街などの監視をしっかり行うなど、防犯対策の必要性を力強く説明。
今回のキャンペーンに参加する横浜市地域防犯支援課や、港北防犯指導員会(高橋光也会長)、新横浜町内会(金子清隆会長)や、神奈川県警と連携し防犯活動を行う大学生中心の防犯ボランティア団体「神奈川防犯シーガル隊」の学生の紹介が行われた後、両選手への「防犯大使」委嘱(いしょく)が行われました。
両選手からのあいさつや、青木選手による年末年始特別警戒についての「決意表明」、県内54警察署に配布され掲示されているという「大日本プロレス」とのタイアップによるポスターの紹介や、今回のキャンペーンで配布する犯グッズ紹介の後、参加者が記念撮影。
通勤・通学ラッシュで駅ホームに向かう人々に防犯グッズを配布したのち、選手を先頭に、30人強が新横浜の街へ繰り出しての繁華街のパトロールも実施されました。
新横浜周辺でも、悪質な客引きといった迷惑行為が指摘されており、「悪を一喝」するかのパワーを持つ両選手の力を借りてのキャンペーンには、普段の見回り活動とはまた異なる迫力感も。
行政側として今回参加した市地域防犯支援課の坪井豊課長によると、受話器に設置するだけで最大5分間の会話を自動で録音することができる「簡易型自動録音機」の存在を、イベントなどを通じアピールしているとのことで、特に増加している特殊詐欺への注意喚起には、これからも力を入れていきたい考えです。
日々、防犯活動を行うボランティアの存在感が高まる一方、さらに増える高齢者や、なかなか普段地域活動に参加できないといった人々に、どのように防犯啓発活動を行っていくべきなのか。
大日本プロレスが日頃実践しているという、“地域密着”の活動を反映しているという今回のキャンペーンしかり、犯罪という悪を、より力強く「一掃」、そして「一喝」していくための、警察・行政、そして住民一人ひとりの一層の知恵と工夫が必要になってきそうです。
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【参考リンク】
・年末年始特別警戒の実施-年末年始を安全に-(神奈川県警察本部)
・身近な詐欺情報(同)