菊名3丁目の旧綱島街道と交差する東急東横線の「菊名3号踏切」で、横浜市が2022年度中にカラー舗装を行うと表明しました。一方、妙蓮寺駅周辺の連続立体交差化については「総合的に勘案して(場所の)選定を行っていく」(山中竹春市長)として従来の考え方にとどまりました。
菊名2丁目や1丁目との境に位置した菊名3号踏切は、旧綱島街道(市道菊名六角橋線)と交差し、臨港バス「鶴01系統」の通り道にもなっているうえ、歩行者空間が確保されていないことから、国土交通省が「改良する必要がある踏切道」として指定するなど、環境の改善が求められていました。
先週(2022年)2月18日に開かれた横浜市会(市議会)の本会議で山中市長は、菊名3号踏切について「カラー舗装を行い、歩行区間を確保する工事を令和4年度(2022年度)内に実施する」と表明したものです。
一方、東急東横線の「白楽駅~妙蓮寺駅周辺」の間は、2016(平成28)年に横浜市が「連続立体交差」を検討する5つの候補区間の一つに挙げており、このうち相鉄(相模鉄道)本線の「鶴ケ峰駅周辺」(旭区)のみ事業化が決まっています。
これについて山中市長は、「まずは現在、事業化に向けた手続きを進めている相模鉄道本線の鶴ヶ峰駅付近を着実に進めていくことが重要」といい、「その次の候補区間については、現在、財政状況や整備効果などを総合的に勘案して選定を行っていく」と述べ、市が従来から示していた見解と変化はなく、議論は進みませんでした。
これらは、港北区選出の大山正治(しょうじ)議員(立憲民主党)の質問に答えたものです。
港北区内の踏切は東横線と横浜線に16カ所
港北区内には2022年2月時点で16カ所の踏切があり、うち8カ所が東急東横線で、残りがJR横浜線となっています。
東急東横線の港北区内区間では、1991(平成3)年10月に大倉山駅と菊名駅間を立体交差化して3カ所の踏切を廃止し、続く2001(平成13)年4月には日吉駅と綱島駅間の立体交差化で4カ所の踏切を無くしました。
現在、菊名駅から妙蓮寺駅間に4カ所、妙蓮寺駅から白楽駅間は、港北区内に4カ所、神奈川区内に2カ所(このほか白楽駅の横浜寄りすぐの位置に1カ所)が残されており、東横線の踏切集中区間となっています。
一方、横浜線では、菊名駅の周辺や小机町を中心に8カ所の踏切が残り、小机駅至近の「新羽踏切」では主要道路の横浜生田線と交差しています。
港北区内に位置する「踏切」一覧
▼東急東横線・菊名駅~妙蓮寺駅~白楽駅(区内8カ所)
- 菊名1号踏切:錦が丘2付近(錦が丘ロータリー近く)
- 菊名2号踏切:菊名3-14付近(富士塚バス停近く)
- 菊名3号踏切:菊名3-1付近(旧綱島街道と交差)
- 菊名4号踏切:菊名2-23付近(旧ファミリーマート加藤菊名公園店跡近く)
- 妙蓮寺1号踏切:菊名1-1付近(妙蓮寺駅前)
- 妙蓮寺2号踏切:菊名2-1付近(セブンイレブン妙蓮寺駅前店近く)
- 妙蓮寺3号踏切:仲手原1-8付近(田辺薬局近く)
- 妙蓮寺4号踏切:仲手原1-3付近(仲手原交番近く)
※このほか、白楽駅までの間には「妙蓮寺5号踏切(神奈川区白幡向町3-9付近)」と「妙蓮寺6号踏切(神奈川区白幡上町)」があり、白楽駅ホームの横浜寄り至近に「白楽1号踏切(神奈川区白楽=まいばすけっと白楽駅前店の前)」も位置する
▼JR横浜線・大口駅~菊名駅~新横浜駅~小机駅~鴨居駅(区内8カ所)
- 法隆寺踏切:菊名3-20付近(セブンイレブン横浜菊名3丁目店前)
- 表谷戸踏切:篠原北2-10付近(東急ドエルアルス菊名フェアサウス近く)
- 表谷踏切:篠原北2-11付近(ローソン港北篠原町表谷店前)
- 新羽踏切:小机町(小机駅手前、横浜生田線と交差)
- 小机踏切:小机町(よしかた産婦人科近く)
- 城山踏切:小机町(金剛寺周辺、城山トンネル手前)
- 水流踏切:小机町(鴨居寄りの城山トンネル出入口付近)
- 都築踏切:小机町(川向橋近く)
※このほか、菊名~大口間に「学校前踏切(神奈川区西寺尾2-4付近=西寺尾小学校近く)」、小机~鴨居間に「清水踏切(緑区鴨居1-5付近=鴨居自動車学校前)」がある
【関連記事】
・旧綱島街道と交差する東横線“菊名3号踏切”、「改良すべき」と国が指定(2022年1月25日)
【参考リンク】
・「踏切安全対策実施計画」を策定しました(PDF、横浜市道路局、2016年3月17日発表、立体交差化の候補区間も)
・改良すべき踏切道 63箇所を新たに指定し、踏切道対策を進めます(国土交通省、2022年1月21日発表、「菊名3号踏切」が入っている)