2割が黒字路線という状況にまで戻しました。
横浜市交通局は市営バスの2021(令和3)年度における全142路線の路線別収支をこのほど公表し、29路線(20.4%)が黒字を確保した一方、113路線(79.6%)は赤字となっています。
前年の2020(令和2)年度は、最初の緊急事態宣言の発出など新型コロナウイルス禍の影響を大きく受け、全137路線の9割超にあたる124路線で赤字となり、黒字はわずか13路線(9.5%)にとどまっていました。
100円の収入を得るために必要な支出を示す「営業係数」で見ると、2020年度の「127」から2021年度は「114.7」まで回復したものの、コロナ前となる2019(令和元)年度の「102.9」には届いていません。
港北区内の路線で見ても、黒字を確保できたのは環状2号線を経由する「104系統」(新横浜駅前~鶴見駅西口)と、樽町周辺から綱島駅への乗客が多い「13系統」(鶴見駅前~綱島駅、※別に鶴見駅前~綱島街道~新横浜駅前の便もあり)の2路線にとどまっています。
最後に黒字となっていた2016(平成28)年度は、38.5%を占めた黒字路線の収益で61.5%の赤字路線の損失を埋め合わせる形となっていました。
コロナ禍を機に進んだ在宅勤務などにより、交通機関の乗客数を“コロナ前”に戻すことは難しいとみられているだけに、今後も一部路線では再編や便数の削減などが行われる可能性があります。
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・【2年前の記事】<市営バス収支>小机など走る「39系統」が赤字脱却、港北区内4路線で黒字(2020年9月3日)
・<横浜市交通局の決算>地下鉄は2年ぶり黒字確保、バスは赤字続く(2022年7月19日、バスはまだ苦しい状況)
【参考リンク】
・横浜市交通局「バス路線別収支」(最新は2021[令和3]年度)