新横浜・菊名・大倉山・新羽など港北区南部の地域情報サイト

JR菊名駅の駅員が、地域とタッグを組みコースを考案、春の自然や歴史を感じる新プランが誕生しました。

菊名周辺の魅力が詰まった「駅からハイキング」を企画したJR東日本・菊名駅の島村駅長、主担当の小林さん、小野助役(右より)

菊名周辺の魅力が詰まった「駅からハイキング」を企画したJR東日本・菊名駅の島村駅長、主担当の小林さん、小野助役(右より)

JR東日本がスマートフォンなどのアプリや、駅改札で配布するマップにより提供している日帰りイベント「駅からハイキング&ウォーキングイベント」の新コースに菊名駅が登場。

駅員が、地域で活動する「港北ボランティアガイドの会」の協力を得て企画した、「乗換だけじゃない!『がまんさま』のお膝元・菊名の歴史と自然を感じるハイキング」と銘打つ新プランを、今月(2022年)4月1日(金)から来月5月8日(日)まで提供しています。

所要約4時間走行距離約8.5キロメートルのこのコースは、書籍 『わがまち港北』シリーズを執筆する著者・林宏美さん(大倉精神文化研究所研究員・図書館運営部長)によるエッセイ記事を見たことがきっかけとなり、昨年(2021年)12月頃から具体的なプランニングをスタート。

「港北ボランティアガイドの会」の協力も得てプランニング。アップダウンも多く、2回に分けて楽しんでもいいくらいといわれたとのこと

「港北ボランティアガイドの会」の協力も得てプランニング。アップダウンも多く、2回に分けて楽しんでもいいくらいといわれたとのこと

2017(平成29)年4月から菊名駅員になったという小林央(ひろし)さんは、「お客さまの多くが横浜線と東急東横線との乗換え利用。せっかく魅力いっぱいの菊名の街なのに、もったいないと思っていました」と、菊名の街を知ることにより、“菊名に住んでみたい”と思う人を一人でも増やしたいと思ったことが企画のきっかけだったと語ります。

『わがまち港北』を読んで、かつて「獅子ヶ谷城」「大豆戸城」、そして「篠原城」といった地形を活かした城があったことを知り、「港北区役所に相談したところ、区内でウォーキングツアーを多く企画している港北ボランティアガイドの会の皆さんを紹介いただきました」と、同会からのアドバイスも交えてプランニングをおこなったと説明します。

林宏美さんによるエッセイ記事や書籍『わがまち港北』も大いにプランニングの参考になったという

林宏美さんによるエッセイ記事や書籍『わがまち港北』も大いにプランニングの参考になったという

特にこのコースはアップダウンが多く、「2回に分けてもいいくらい」(同会)のボリュームあるプランだといい、「暑くならない季節、またソメイヨシノが菊名の街を彩る4月初旬から、菊名桜山公園(カーボン山)八重桜が咲き誇る季節を経て、ゴールデンウイークまでの設定としました」と、この時期に企画した理由についても熱くその想いを語ります。

コースの魅力については、「まずは菊名神社です。菊名の総鎮守である同神社の手水鉢(ちょうずばち)には、鬼の「がまんさま」が鎮座されています」と、プラン名にも採用した「がまんさま」について解説。

JR菊名駅の駅スタンプにも登場する菊名神社の入口の左側にある手水鉢を担いでいる鬼の姿を石の彫像とした「がまんさま」

JR菊名駅の駅スタンプにも登場する菊名神社の入口の左側にある手水鉢を担いでいる鬼の姿を石の彫像とした「がまんさま」

「がまんさま」を描いたイラストは、同駅の駅スタンプにも使用されており、「開催期間中の平日(土日祝除く)は、社務所で今回のコースの地図(駅で配布のマップ)を提示していただくと、お下がり(撤下品=てっかひん)をいただけます」と小林さん。

また、昨年6月に着任したばかりの同駅助役の小野優(ゆたか)さんも、「大豆戸不動尊跡から獅子ヶ谷城址と言われる獅子ヶ谷市民の森みその公園文化体験施設の横溝屋敷を目指します。この屋敷は、江戸時代の名主の方の生活を身近に感じられる施設としても知られています」と、主担当者の小林さんらとともに実際に歩いてプランを練ったという名所旧跡のおすすめポイントを説明します。

「新型コロナ禍」前までの菊名桜山公園には、桜の満開期のイベントに多く人々が訪れていた(2019年4月)

「新型コロナ禍」前までの菊名桜山公園には、桜の満開期のイベントに多く人々が訪れていた(2019年4月)

さらに、菊名駅にも近い八杉神社から新横浜駅方面の篠原八幡神社、1920年代に駅と分譲地を開発する目的で作られたという錦が丘ロータリーから、最後に菊名桜山公園を経て駅に戻るというプランを設定。

「大豆戸不動尊跡の階段を上りきると、天気が良ければ富士山が“ご褒美(ほうび)”で迎えてくれることも。そのほかにも、富士山が見えるスポットも点在しています」と、小林さん、小野さんら駅員一人ひとりのチャレンジを後押ししてきた島村直成駅長も、坂が多い菊名周辺だからこそ楽しめる“富士山の眺望”についても言及します。

この「駅からハイキング」に参加するには、事前予約は不要となっており、期間中の朝9時30分から11時の間に、JR菊名駅の改札で駅員に申し出ることにより、地図の受け取りが可能です。

菊名駅の駅員一人ひとりが考え、実際に歩いて見た風景を楽しみにしたい

菊名駅の駅員一人ひとりが考え、実際に歩いて見た風景を楽しみにしたい

また、「駅からハイキング」アプリをインストールした場合は、「コースに参加する」を押すことでスタート。16時30分までとなっているゴールでの手続きは特にないとのことです。

ゴールの記念に駅スタンプを押すことも可能だといい、「改札にありますので、駅員にお声かけください。昨年10月から1年間にわたりおこなっている『デジタル駅スタンプ』も併せお楽しみいただければ」(小林さん)と、同駅への来訪、また多くイベントへの参加を呼び掛けています。

【関連記事】

【わがまち港北番外編】歴史まち歩き~第4回:菊名駅周辺の見どころを巡る(2021年4月20日)※今回のプランニングのきっかけとなった記事

<JR横浜支社>菊名・新横浜・小机など70駅に「デジタル駅スタンプ」(2021年9月29日)

<最多122会場>ツアーやスタンプラリーも復活へ、10回記念「港北オープンガーデン」(2022年4月5日)※4月中の開催時期が重なる。「菊名桜山公園」も会場の一つとなっている

【参考リンク】

乗換だけじゃない!「がまんさま」のお膝元・菊名の歴史と自然を感じるハイキング(駅からハイキング~JR東日本)