【レポート】地元高校生によりアニメ化された「ボイスドラマ」作品が初めて披露されました。
小机城のあるまちを愛する会(略称:城まち会)は、今年(2022年)1月22日午後、菊名を拠点に活動する演劇集団「スターリンクス」(菊名4、松井寿徳さん主宰)が制作したボイスドラマ「小机の重政(しげまさ)」を、地元高校生がアニメ化した作品を港北公会堂(大豆戸町)で初めて披露。
横浜北部(旧港北区4区:港北区、緑区、青葉区、都筑区)に存在する地域文化遺産と市民をつなぐ取り組みをおこなう「よこはま縁むすび講中実行委員会」の事業として約200人が来場し、作品完成の喜びを分かちあいました。
ボイスドラマは、戦国時代に廃され、現在も城址として広く知られる小机城で、最後の城代(じょうだい=不在がちな城主に代わって城を実質管理する家臣)をつとめた笠原重政(しげまさ)を主人公に据え、現代と過去を交錯させながら、ドラマ仕立てでわかりやすく小机城の歴史を語る23分ほどの作品。
スターリンクスに所属する帆波(ほなみ)さんや白熊ハイボールさん、齋藤ダインヌさん、磯﨑陽菜さん、宮野明香さんらが声優として出演しています。
このボイスドラマをアニメ化したのが、神奈川県立神奈川工業高校(神奈川区平川町)デザイン科の生徒約10人。
城まち会メンバーと同校のつながりから制作に至ったといい、この日は同校の片受健一校長や小机ゆかりの川上悟史教諭、同科の木村里美教諭、デザイン科の生徒たちも駆け付けての作品の公開がおこなわれました。
この日は、新型コロナウイルス感染症の第6波のため「まん延防止措置」が発出されたタイミングということもあり、大々的な広報PRをおこなうことができない状況に。
それでも、アニメ上映に先立ち、地元住民による「小机音頭」や、ソプラノ歌手の畑真由美さんとピアニストの渡邊拓也さんによる楽曲「小机城を想う」を披露したほか、地域の歴史研究を手掛ける公益財団法人大倉精神文化研究所(大倉山2)の平井誠二理事長による「小机城と城代笠原家」講演もおこなわれるなど、アニメの完成記念イベントのひとときを盛り上げていました。
また、港北区役所や小机商店街協同組合、城郷地区連合町内会などが後援したほか、小机ゆかりの和菓子の製造販売をおこなう「折本屋」(有限会社折本屋=小机町)の飯島泰社長が戦国時代を思わせる甲冑(かっちゅう)をまといサプライズ登場するなど、“地域ぐるみ”でのイベント色を演出し会場を盛り上げていました。
木村教諭は、新型コロナ禍による授業や学校活動の制約もあり、「公開直前まで制作するなど、上映会に間に合わせるための大変な苦労がありました」と、生徒たちが厳しい条件の中で作品づくりにあたったことを明かします。
また、生徒たちからも、「もともとあったボイスドラマに、後から絵を付けることが大変でした」と、制作した上映会ギリギリまで作業をおこなう中での苦労があったとの声があがっていました。
制作された作品について、城まち会会長の木村光義さんは、「今後、よこはま縁むすび講中実行委員会とも協力しながら、アニメ作品を子どもたちや地域の皆さんにも披露していきたい」と、小机周辺エリアでの作品上映にも継続してチャレンジしていく考えです。
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【参考リンク】
・漫画・アニメ・紙芝居「小机の重政」上映会(よこはま縁むすび講中)