横浜市港北区の三大まつりの一つとして知られる2019年の「第27回小机城址まつり」(同実行委員会・城郷地区連合町内会主催)は、先月(4月7日)に行われた統一地方選挙の影響で、今年は5月19日(日)10時から、JR横浜線小机駅周辺の各会場で開催されます。
特に、中世小机の歴史を伝える、横浜市内でも数少ない城址「小机城」にちなんだ武者行列は、市内でも唯一とも言われる貴重な歴史を感じられる機会。
約80名による壮麗な武者の列や、各種団体参加による総勢約500名もの大掛かりなパレードは、沿道に集う人々を例年楽しませていますが、昨年(2018年)は荒天予報から武者行列や本丸会場でのメインのイベントは中止(城郷小机地区センターで縮小開催)に。
「とにかく天気だけは心配です」と語るのは、同イベントの実行委員長で同連合町内会の防後優子会長。
例年開催されている4月上旬は雨が降りやすい時期であることもあり、一昨年(2017年)の開催時も小雨降る中での武者行列や出陣式となるなど、防後会長は「まさに雨に泣かされてきた」とここ数年の天候を嘆きますが、今年も、週末に向け「大気が不安定」(気象庁、5月13日現在)との予報も出されているだけに、天候だけは気掛かりなところです。
今年は、小机初代城主の笠原越前守信為(かさはらえちぜんのかみ・のぶため)役として、栗田るみ港北区長が女性で初となる甲冑(かっちゅう)姿で陣を率いる予定だといい、「女性でもなんとか纏(まと)える重さに(甲冑を)特注しました。その姿にぜひ注目をしてもらえたら」(同会長)と、今年ならではのイベントのポイントとしての武者行列を楽しんでもらいたいと意気込みます。
栗田区長も、甲冑の重さに耐えられるようトレーニングを積み同イベントに臨む予定となっており、「今年の開催は、選挙の影響で時期も例年とずれてしまいましたが、好天となり、ぜひ多く来場いただければ」(同)と、当日のより多くの小机の街への来訪を呼び掛けています。
なお、当日は例年通り10時から三会寺(さんねじ=鳥山町)を起点に、小机駅前や小机「辻」(一部解散)を経て、小机市民の森(10時50分到着)まで武者行列やパレードが行われます。
10時50分から本丸会場(同市民の森内・本丸跡地)で、「武者」出陣式や撮影会(11時45分~)、舞台でのステージ演奏や富くじ抽選会、各町内会による模擬店(14時10分終了)などを予定。
小机駅前会場でも、10時からの模擬店や、お囃子、小机小学校マーチングバンドやNPO法人楠の木学園などによる、町内や地域にゆかりの団体のパフォーマンスやお楽しみ抽選会(15時終了)などのイベントが予定されています。
少子高齢化の波は小机の街にも迫り、空き店舗など商業活動の停滞といった問題も見られる同エリアですが、一昨年(2017年)4月には「続日本100名城」に小机城(城址)が選定。
昨年(2018年)1月には、地域住民による「小机城のあるまちを愛する会(城まち会)」(木村光義代表)も発足し、地域内外に向けた活動を積極的に行うなど、小机城址を「街の遺産」として認識する機会も少しずつ増えています。
港北区制80周年記念の開催となる今年の「城址まつり」の盛り上がりで、区内外からの来客にどのような街の姿を伝えられるのか。
今年(2019年)9月から11月の決勝戦まで、小机駅が最寄りの日産スタジアム(横浜国際総合競技場)で7試合もの開催が予定されているラグビーワールドカップ(W杯)に向け、街の「ホスピタリティ」や真価が問われるイベントとしても注目を集めそうです。
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・<小机城>「続日本の100名城」に選出、小田原以外では神奈川県で初(2017年4月10日)
【参考リンク】
・第27回小机城址まつり(港北区のサイト)
・祭り・イベント~小机城址まつり(港北観光協会)