「コロナ禍」に負けじと、子どもたちに本を通じての“夢”を伝えたい――第一生命保険株式会社新横浜支社(新横浜3)は、社会貢献活動の一環として、横浜市立港北図書館(菊名6)に児童書16冊(約2万円相当)を寄贈。今週(2020年)7月14日午後に同図書館での寄贈式が行われました。
寄贈式には、同社から、2018(平成30)年4月の同支社の設立時からその任にあたっている藤賀亘史(ふじがのぶひと)支社長、この4月に赴任したばかりの知念強次席支社長、浪内里加課長、加来康浩次長の4人が来訪。
同図書館の児童書担当3人が選んだ新刊の絵本シリーズ12冊と、児童書(単行本)4冊を届けるとともに、同館の青木邦男館長から「感謝状」を贈呈されました。
寄贈に際し、藤賀支社長は、「第一生命として、全社で健康増進、女性の活躍推進、高齢者支援、地域活性化、子どもの教育、安全防災、スポーツ振興といった地域貢献活動を行っています。コロナによる緊急事態宣言の中、営業自粛という事態となったが、こういった時期だからこそ、地域貢献に力を入れなくてはいけないのではないか、と知恵を出し合い、港北区役所からのアドバイスもいただいて、今回の児童書の寄贈を決めました」とあいさつ。
菊名、綱島ほか、都筑区や緑区、神奈川区の一部を含む8つの営業拠点で、約250人もの生涯設計デザイナー、また事務オフィス部門を含むと約300人が勤務する新横浜支社では、「それぞれの地域で、医療や介護、教育関連や自治会町内会とのネットワークを活かした社会貢献活動を実施してきました」と、それぞれの拠点での社会貢献活動におけるエピソードを藤賀支社長は熱く語ります。
今回の児童書の贈呈については、「子どもたちが、長引く学校の臨時休校で“将来の夢を失いかけている”との声があがり、“(子どもたちに)夢を与えることはできないか”とスタッフたちが考え、実現したものです」と、寄贈に至った理由を説明。
青木館長も、横浜市教育委員会が、昨年2019年から2023年度までの「第二次横浜市民読書活動推進計画」を昨年策定した中で、子どもの発達段階に応じた読書活動の推進を重点項目に挙げていることから、「寄贈された本は、多く子どもたちに手にとってもらえるようにしたい。引き続き地域での読書活動の推進に協力いただけたら」との想いを伝えます。
同館の司書で児童書担当の山中由美さんも、「貸し出しでも人気があり、繰り返し読まれる人気シリーズ、中でも、(第一生命の)企業イメージにも近い、家族や友だちなどのあたたかな関係が描かれているものを選びました」と、今回寄贈された「14ひきのシリーズ」(童心社)や、「きつねの子シリーズ」(あかね書房)を選んだポイントについて熱く語っていました。
民間企業からの同館への図書の寄贈については、「近年、さかのぼっても、知る限り事例がない」と青木館長。
今回寄贈された16冊の絵本・児童書は、登録作業やシール貼付・掲出の準備などを経て、来月8月中にも同館に配架される予定とのことです。
なお、横浜市内最多の35万1448人(2019年1月1日現在)もの人口を抱える港北区内には、他区と同様に図書館が1館のみ、また同館の蔵書数も15万1741冊と、市内18館中で5位(順位は中央図書館除く、2019年3月末現在)に留まっています。
市立図書館(18館)では、「図書等の情報を収集し、市民に広く提供するとともに、重要な知的財産として後世に伝える」ことなどを目的としての図書の寄贈についての問い合わせを受け付けているとのこと。
さらなる人口増が予想される港北区内唯一の図書館である同館の蔵書数や利用者数、利用満足度という視点においても、今回の「コロナ禍」を経ての事例に見られる地域からの図書館運営の盛り上げがどのように成されていくのかに、今後もより大きな注目が集まっていきそうです。
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・大手生保と港北警察が協定、約300名が「地域安全」呼び掛けで犯罪防止へ(2018年8月30日)※同支社は都筑警察署、神奈川警察署とも同協定を締結。今年(2020年)3月には太刀野一夫港北警察署長の就任にあわせ、協定の更新手続きを行ったとのこと
【参考リンク】
・図書寄贈のご協力ありがとうございます。(横浜市教育委員会事務局 中央図書館)※港北図書館友の会からの寄贈についてなど
・横浜市立図書館~図書寄贈のお願い(同)
・第二次横浜市民読書活動推進計画(横浜市教育委員会 生涯学習文化財課)