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港北区内の待機児童数は今年(2018年4月)1日現在で15人であると横浜市が発表しました。待機児童の定義は昨年(2017年)10月の集計から見直され、育児休暇中で復職意思のある親の子が認可保育所に入れなかった人の数も含まれています。

港北区における「保留児童」の数は今年4月1日現在で前年(2017年)より76人減少したものの500人台を維持したままで横浜市ワースト。なお、前年の待機児童数は「旧定義」によるもの(横浜市の発表資料より)

新定義で初の発表となった昨年10月時点では、港北区の待機児童が302人と集計されており、今回は15人と大幅に減っていることになります。一方で希望する保育所に入れない「保留児童数」は507人にのぼっており、この数は横浜市内で圧倒的にワーストです。

港北区では昨年4月から今年4月までに認可保育所の定員を477人分増やし、昨年度は914人、その前年度が267人と過去3年間で合計1658人分の定員増が行われてきましたが、保留児童の数は、昨年同時期より76人減少したものの500人台を維持したままです。

日吉・綱島エリアが市内で唯一の「重点整備地域」として指定が続き、港北区内の多くのエリアが「整備が必要な地域」となっているように、保育所をいくら増やしても、それ以上にマンションや一戸建て住宅が新たに建てられ、不足感は解消できていません。

横浜市は、200戸以上の大規模マンションを開発する際には、開発事業者に「各種法令手続きの6か月前までにこども青少年局担当までご相談いただきますようお願い申し上げます」(「マンション建設を計画する事業者のみなさまへお願い」より)として、“協力を要請”するという内容の要綱を定めており、日吉や綱島などの保育所不足エリアでは50戸以上200戸未満の共同住宅なども協力対象としています。ただ、あくまで市側による「協力要請」のため、情報を提供するかどうかさえも事業者次第です。

横浜市では、200戸以上の大規模マンションを開発する際は、開発事業者に事前協議を“お願い”している状況(横浜市のチラシより)

たとえば、横浜と同じ政令市の大阪市では、70戸以上のマンションを建設する際には事前協議を義務付ける条例を今年4月から新たに制定し、事前に届出を行わなった業者は公表することも定めました。周辺に保育所が足りない場合、総戸数70戸のマンションの場合で定員6人、総戸数250 戸~320戸程度で定員19人の小規模保育事業所の設置を要請するといいます。世田谷区や目黒区などでも同様に保育所等設置の協議を義務付けています。

港北区内で相次ぎ建てられ、これからも建てられるであろう新築マンションや一戸建て分譲地で、実際に保育所を整備したり、保育所新設に協力したりした開発事業者はどのくらいあったのでしょうか

“家を作って売ってしまえば終わり”という姿勢の事業者に気を遣った結果、損をするのは住民です。保育所不足や保育所新設への過度な税金投入という形で、延々とツケを支払わされることになります。

【関連記事】

<港北区>新定義での「待機児童」は302人、横浜市内で圧倒的に最悪の状況は不変(2017年12月4日)

<港北区>定員900人増でも希望する保育所に入れぬ「保留児童」は19人増の583人(2017年4月27日)

<2019年4月>大倉山駅の周辺エリアに「認可保育所」が3園新設、妙蓮寺駅近くも1園(2018年4月26日、区内での保育所新設は続く)

【参考リンク】

平成30年4月1日現在の保育所等利用待機児童数についてPDF、2018年4月24日)