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【2021年10月の記事です】きのう(2021年)10月7日(木)の22時41分ごろに首都圏で発生した最大震度「5強」となる大きな地震では、気象庁が発表した港北区の震度は「5弱」を記録し、菊名で帰宅困難者を受け入れるために地区センターを朝まで開け、大曽根小学校では地震による水道の破損で翌日は臨時休校を余儀なくされるなど、区内でもさまざまな影響が出ました。【2021年10月8日、21:43記事公開】

地震の発生直後から横浜線は運転を取り止めた(JR菊名駅、イメージ)

横浜市によると、市内で帰宅困難者の受け入れを行ったのは、菊名駅が最寄りの「菊名地区センター」(菊名6、港北図書館と併設)と、横浜駅が最寄りの「横浜市民防災センター」(神奈川区沢渡)の2カ所。新横浜など他の駅でも帰宅困難者が発生したものの、鉄道会社が対応したり、タクシーで帰れたりしたとのことです。

地震発生直後から翌朝までJR横浜線が運転を取り止めており菊名駅では50人ほどの帰宅困難者が発生していたことから、港北区が菊名地区センターを一時滞在施設とすることを決定。深夜2時6分から朝7時21分まで延べ25人が夜を明かしました。横浜市民防災センターでも朝6時55分の閉鎖までに最大で8人が利用したとのことです。

また、地震の発生直後から、港北区役所には41人の職員が順次集まり、夜通しで帰宅困難者が滞在する菊名地区センターの開設を行うなど、市全体で計2588人の職員が地震対応で配備されたといいます。

水道管の被害で臨時休校となった大曽根小学校

翌朝になると、地震発生直後には気付かなかった被害も判明。大曽根小学校(大曽根2)では地震によって老朽化していた水道のパイプが外れるという被害が発生していました。翌朝職員が出勤すると、校内の水道が使えない状態。断水により給食の調理ができなくなり、トイレも使えなくなったことから、朝8時ごろに急きょ臨時休校を決定しています。

保護者へはメールなどで連絡したものの、9時30分の時点ではすでに100人ほどの児童が登校しており、教員が児童に付き添ったり、昼食対策として備蓄していたカンパンを持たせたりして11時30分ごろには全員が帰宅。午後には水道の復旧を終えたことから、翌週からは通常通りの授業を行えるとのことです。

新横浜周辺で「震度5強」相当の揺れも

気象庁の発表では港北区の震度は「5弱」となりましたが、気象庁が観測している区内3つの震度計のうち「日吉本町」で「5弱」を観測したことによるもので、「綱島西」と「大倉山」に置かれた震度計は「4」でした。

気象庁の震度計で震度「5弱」を記録した横浜市内の地点は5カ所しかなかった(「jishin.net 横浜地震情報」より)

横浜市内では「鶴見区馬場」や「神奈川区広台太田町」、「中区山手町」、「緑区鴨居」と日吉本町の5カ所で「5弱」を観測しています。

一方、東京ガスiネットが運営する「jishin.net 横浜地震情報」によると、東京ガスが独自に設置した震度計では、新横浜や菊名周辺で強い揺れとなった地点が目立っており、港北区内では岸根交差点付近港北図書館付近の震度計で「5強」相当の数値となっています。

このほか、鶴見川に近い都筑区の川向町や池辺町、東方町、佐江戸の各町に置かれた6カ所の震度計や、菊名駅に近い鶴見区の馬場、白楽駅に近い神奈川区の白幡上町の震度計も「5強」相当となっていました。

東京ガスが独自設置した震度計による震度の分布図、緑色の地点が「震度4」相当、黄色の地点は「震度5弱」相当、オレンジ色は「震度5強」相当。なお、ブルーは「震度3」相当(「jishin.net 横浜地震情報」より)

SI値(スペクトル強度)と呼ばれる建物への破壊力を示した指標では、震度で「5弱」相当だった地点のなかでも、「新横浜2丁目」の震度計が市内でもっとも高い「18.9」を観測。「大倉山3丁目」も「18.2」と高い数値でした。

なお、市の発表によると、都筑区東方町で70代の女性がタンスが倒れ下敷きとなり、同区大熊町でも70代女性が転倒してそれぞれ軽症を負っており、いずれも震度「5強」相当の揺れを記録したとされる震度計が置かれた町内や、それに近い場所でした。

【関連記事】

<2月の地震時>「大規模停電を防ぐため」、日吉・綱島周辺の電気は切断(横浜日吉新聞、2021年3月19日、今回は停電が起きなかった)

【参考リンク】

令和3年10月7日の横浜市内最大震度5弱地震の発生に伴う被害状況(最終報)(横浜市)

千葉県北西部を震源とする地震についての会見(首相官邸、2021年10月8日、「東京23区で震度5強以上の地震は10年ぶりで東日本大震災以来」などと首相が会見)