大地震時の帰宅困難対策で5年ぶりに大規模な訓練が実施されています。
行政機関や鉄道会社、施設、ホテル、企業、地域団体など新横浜周辺の関係者による「新横浜駅周辺混乱防止対策連絡協議会」(事務局:港北区役所)はきのう(2024年)3月7日、大地震で交通機関が全面停止したことを想定した対策訓練を開きました。
同連絡協議会は、2011(平成23)年3月11日の東日本大震災時に新横浜駅で約4400人の帰宅困難者が発生したことを契機に発足。
毎年3月に新横浜駅から「帰宅困難者一時滞在施設」へ誘導するなどの内容の訓練を開いてきましたが、2019(平成31)年以降は新型コロナ禍もあって中断していました。
この間に新横浜駅では「相鉄・東急新横浜線」が開業しており、5年ぶりとなった今回の訓練では初めて東海道新幹線、JR横浜線、市営地下鉄ブルーライン、相鉄・東急新横浜線の各ホームや改札内に分かれての訓練内容も盛り込み、各社が一時滞在施設までの誘導手順や、鉄道会社間での情報伝達方法を確認しました。
36団体(社)の約150人が参加して10時に始まった訓練は「相模トラフ沿いを震源とするマグニチュード8.1の地震」により、港北区内で「最大震度6強」を観測し、鉄道各社が運行を停止し再開の見込みが立たないという想定で実施。
帰宅困難者役の参加者は4路線のホームや駅構内で身をかがめて地震発生をやり過ごし、その間に駅員らは各鉄道会社間で被害状況などの情報を集めるとともに、3カ所のコンコースに設けた「情報提供ステーション」と呼ばれる場所へ帰宅困難者を誘導しました。
この情報提供ステーションには、一時滞在施設の案内や各鉄道会社の運行情報ページにアクセスするための「二次元コード」が貼り出されており、帰宅困難者がスマートフォンで読み取って最新の情報収集を試みる訓練も行われています。
また、一時滞在施設となっている施設やホテルの担当者は、受入の可否情報をスマートフォン上から入力する手順も確認。
その後、駅員らは駅前のペデストリアンデッキや地下への出入口を使って、一時滞在施設が多く位置する環状2号線方面へ向かうルートへ帰宅困難者を誘導しました。
東日本大震災の発生時には一般的ではなかった二次元コードを通じたインターネットでの情報受発信や、JR・地下鉄・新横浜線の4路線の駅に分かれて行われた誘導など、5年前の前回から変化が見られた今回の訓練。
同連絡協議会では今後も毎年春に訓練を実施し、帰宅困難者への対応方法を確認していく予定です。
今回の参加団体・法人
【行政機関】港北区役所/港北土木事務所/港北消防署/港北警察署【交通機関】JR東海・新横浜駅/JR東日本・小机駅・新横浜駅/JR東日本・菊名駅/横浜市営地下鉄・新横浜駅/相模鉄道・新横浜駅/東急電鉄・新横浜駅/横浜市交通局自動車本部「港北営業所」【地域団体】新横浜町内会/新横浜自治会/港北消防団/横浜市アマチュア無線非常通信協力会港北支部【公共施設】横浜アリーナ(株式会社横浜アリーナ)/障害者スポーツ文化センター「横浜ラポール」/横浜市スポーツ医科学センター/新横浜公園(日産スタジアム)/横浜市港北スポーツセンター/城郷小机地区センター/横浜市港北公会堂【ホテル】ホテルアソシア新横浜(株式会社ジェイアール東海ホテルズ)/新横浜グレイスホテル/新横浜プリンスホテル/新横浜SKホテル【教育・研修施設】学校法人岩崎学園「横浜医療情報専門学校」/学校法人岩崎学園「横浜デジタルアーツ専門学校」/株式会社セブン&アイホールディングス「伊藤研修センター」【商業施設・ビル】新横浜ステーション開発株式会社(キュービックプラザ新横浜など運営)/株式会社西武リアルティソリューションズ「新横浜プリンスぺぺ」【企業・団体】株式会社エムテックス/生活協同組合パルシステム神奈川/テュフラインランドジャパン株式会社/奈良建設株式会社/ユニプレス株式会社
【関連記事】
・【前回5年前の実施時】新横浜駅で「帰宅困難者」になったらどうするか、一時滞在施設へ移動訓練の様子(2019年3月11日)
・【2021年秋記事】<震度5弱の地震>港北区で帰宅困難者や学校休校、「5強」相当の地点も(2021年10月8日、この地震でも帰宅困難者が発生している)
【参考リンク】
・帰宅困難者一時滞在施設について(横浜市、新横浜駅周辺では9カ所を指定)