JR小机駅・新横浜駅に新駅長が着任、災いを丸飲みするといわれる「わら蛇」の展示で、「コロナ禍」疫病退散の想いを伝えます。
JR横浜線小机駅(小机町)では、同駅改札内の中央コンコースで、今月(2020年)11月3日から来年(2021年)1月中旬頃までの予定で、横浜市無形民俗文化財に指定されている港北区ゆかりの注連(しめ)引き「わら蛇」6体を展示しています。
前任地・湯河原駅(湯河原町)から、今年2月に新たに小机駅・新横浜駅(横浜線=JR東日本)に着任した曽我部敬駅長。
あいさつで訪れたという菊名地区連合町内会・新横浜町内会長の金子清隆さんから、新横浜周辺の歴史を伝える新横浜駅開業50周年記念誌「新横浜50年の軌跡」(新横浜町内会、2014年刊)をプレゼントされたことがきっかけとなり、今回の展示を思いついたとのこと。
湯河原駅でも、地域の「顔」として広くメディアなどにも登場していた曽我部さんですが、「新羽地区に伝わる“わら蛇”の存在を知り、横浜市教育委員会の協力や、注連引き百万遍保存会(新羽町)の皆様のご厚意もあり、展示することができました」と、“地域の歴史探訪が大好き”と語る曽我部さんらしい趣向の企画展示を実現できたと笑顔で語ります。
鶴見川流域の自然や伝統文化を伝える活動を行う「鶴見川舟運復活プロジェクト」(新羽町、長谷川武明会長)により、今年新横浜公園(小机町)内にある水田で収穫したという稲のわらを用いて新たに作られた4体と、昨年作られたという2体の計6体の展示に至ったとのこと。
「駅係員も、地域の皆様との折衝を重ねながらの対応を行いました。ぜひ、地域の皆様、そして駅員による“疫病退散”の想いも込めた展示をご覧いただけたら」と曽我部さん。
同プロジェクト世話人で、新横浜周辺の歴史に詳しい郷土史研究家の臼井義幸さんも、「JR小机駅からの意向を受けて今回の展示が実現しました。由来などについても記しています。地域の歴史あふれるアマビエならぬ『わら蛇』を同駅でお楽しみいただければ」と、地域からの後押しにより同駅の試みを応援していきたい考えです。
新駅長のアイデア、また一緒に駅を盛り立てる駅係員らのチャレンジは、「コロナ禍」の影響を受ける地域社会に、より新しい「希望」という名の風を吹かせていくことになりそうです。
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【参考リンク】
・港北区の歴史と文化(シリーズ わがまち港北)~第96回 3メートルの大蛇と格闘!(大倉精神文化研究所)
・注連引の大蛇作り(同)
・新羽町連合町内会の紹介(港北区連合町内会)