この年末年始、港北図書館や図書取次所「日吉の本だな」、移動図書館「はまかぜ号」など横浜市立図書館のサービスが3週間ほど使えなくなります。
横浜市教育委員会事務局は、中央図書館(西区老松町)をはじめ港北など各区の図書館と図書取次拠点、車による移動図書館を今月(2023年)12月25日(月)から来年(2024年)1月14日(日)まで3週間にわたって一斉に休館し、図書館情報システムの入れ替えを行います。
市立図書館では、貸出や予約、蔵書の管理・検索など図書館の運営に必要な情報システムを10年に一度のペースで大きく刷新し、利用者向けの機能拡充を図ってきており、今回のような長期休館は10年ぶりになるといいます。
休館期間中は、各図書館などにある「返却ポスト」(12月29日から1月3日の期間を除く)で返却を受け付けるほかは、インターネット上の電子書籍サービスのみを稼働。
蔵書検索のページをはじめ、貸出や返却、予約の手続きなど図書館サービスのほぼすべてが停止となります。
なお、貸出期間の14日間(2週間)は「開館日」でのみ計算されるため、休館中は貸出日数に加算されることはないとのことです。
今回の情報システム刷新では、主にインターネット上での利用者向けサービスを追加するのが特徴で、図書館の運営が再開される来年1月15日(月)以降は次の5つの機能が新たに加わる予定。
- デジタル図書館カード:スマートフォン上にバーコードを表示して利用。「図書館カード」を持ち歩かなくても貸出などが可能
- LINE連携サービス:トーク画面で蔵書検索が可能となり、問い合わせにAIチャットボットが回答、デジタル図書館カード表示も
- Web書棚:検索した本の内容に関連していたり、近かったりする他の本や資料を表示。バーチャル上で書棚を見るように探せる
- 蔵書探索AI:本の題名が分からなくても、探したいキーワードを入れればAI(人工知能)によって関連する書籍を探し出して表示
- オンライン利用者登録:図書館に出向かなくてもインターネット上で「図書館カード」の登録や更新、登録内容の変更が可能
上記5つの新機能のほか、蔵書の検索結果に本の「表紙」を表示したり、検索ページで電子書籍やデジタルアーカイブのコンテンツも同時に探せるようになったりするとのことです。
これまで丸2年間かけて築いてきたという新たな情報システムでは、本の検索や予約といった実用的な機能面だけでなく、インターネットを通じて本との出会いを楽しむという要素も加えられることになります。
なお、休館期間中は横浜市内の市立図書館がすべて使えなくなるため、調べものをする場合は神奈川県立図書館(西区紅葉ケ丘=桜木町駅から徒歩10分)や県立川崎図書館(川崎市高津区=JR武蔵溝ノ口駅から徒歩15分)などを利用することになりそう。
港北区内では大倉山記念館(大倉山駅から徒歩7分=急な坂道あり)内にある「大倉精神文化研究所・附属図書館」も専門書を中心に11万以上の書籍・資料を揃えます。
一般的な書籍を読んだり探したりしたい場合は、近くの地区センターやコミュニティハウス、または相互市民の広域利用が可能な川崎市立図書館(武蔵小杉駅直結の中原図書館や幸区南加瀬の日吉分館など)を使うこともできそうです。
いずれの施設も年末年始は休館となっています。
(※)この記事は「新横浜新聞~しんよこ新聞」「横浜日吉新聞」の共通記事です
【参考リンク】
・横浜市立図書館「臨時休館のお知らせ」(2023年12月25日~2024年1月14日まで休館)
・神奈川県立の図書館(桜木町と武蔵溝ノ口に2館)
・横浜市教育委員会「近隣市図書館のご利用(広域利用)について」(横浜市民による川崎市など近隣市図書館での広域利用方法)
・公益財団法人大倉精神文化研究所「附属図書館」(大倉山記念館内、精神文化の専門図書館だが一般書も)
・港北区「本との出会いマップ」(地区センターなど港北区内で「図書」貸出や閲覧が可能な施設の紹介)