まだ収まらぬ新型コロナウイルスの影響を受け、新吉田の舞踊団が「手作りマスク」を寄贈しました。
新吉田町に拠点を置き国内外をフィールドに活動している「舞踊団正藤(まさふじ)」は、先月(2020年)9月29日に、代表の萩生田正子さん(家元・正藤勘扇=かせん)が自ら作成した「手作りマスク」200枚を、新横浜に近い鳥山町にある社会福祉法人横浜市リハビリテーション事業団が運営する「横浜ラポール」(鳥山町)に寄贈しました。
新型コロナウイルス感染症拡大のため、「3月から一切の舞台や稽古、(経営している)飲食店も営業することができなかったころ、マスクでも作ろうかな、と思い、インターネットで調べてずっと(マスクを)作っていました」と萩生田さん。
2002(平成14)年、正藤流として結成、敷居が高いと言われてきた日本舞踊(日舞)の世界。
「より多くの人達に和の世界を伝えていく」ことを目的とした若手舞踊団として、国内外の公演を重ねてきたという「舞踊団正藤」。
日本文化を伝える今年(2020年)に予定していたラスベガスやハワイといった、海外公演も全てキャンセルになってしまったという状況下でも、萩生田さんが考えたのは「地域の人々のために何かしたいという思い」だったと説明します。
「営業できなかった店舗に、近所のお母さんたち5人くらいが一緒にマスクを作りに集まってきてくれたんです。近所からも、色とりどり、様々な柄の布の寄付もありました」と、“地域の力”も後押しし、マスクを製作。
この夏の7月16日には港北区役所(大豆戸町)を通じ港北区社会福祉協議会(同)にマスクを300枚の寄付を行ったばかりでなく、萩生田さんが新吉田西部町内会の会長を務めていることもあり、地元・新田小学校(新吉田町)にも子ども用のマスク150枚を寄贈したほか、近郊の社会福祉施設にも手作りマスクを寄贈してきたと萩生田さんは語ります。
この日は、同劇団から、正藤竜之介リーダー、平沢良二専務、マスク寄贈の橋渡しを行ったという港北区選出の市会議員・佐藤祐文(ひろふみ)さんが萩生田さんとともに寄贈場所となった横浜ラポールに来訪。
同事業団の大八木雅之理事長、小出重佳専務理事・事務局長、高岡徹常務理事(横浜市リハビリテーションセンター長)、神山篤常務理事(横浜ラポール館長)がマスクを受領。舞踊団正藤・萩生田さんへの感謝状の贈呈を行いました。
「コロナ禍でイベントを休止せざるを得ない大変厳しい環境下にもかかわらず、心あたたまるマスクを寄贈していただいたことに感謝したい」と、大八木理事長は、萩生田さん、佐藤さんの想いを労います。
様々な布の素材や柄を活かした色とりどりのマスクを囲んで、最後は記念撮影。今回の寄贈式の司会進行を務めた文化事業課長の小野佐幸美さんも、「(両施設の)利用者は、基礎疾患がある方も多いため、寄贈に心から感謝しています。ハロウィン飾りに遊び心を交えてイベント風に配布しようかとも思案しています」との構想を練っていました。
特に横浜ラポールでは、10月から数々のイベントも少しずつ再開、感染対策を行った上での「新しい日常」が戻りつつあるとのことで、今回の「マスク寄贈」による地域からの支援により、両施設から“感染者を防ぐ”ことに必ずつながるようにと期待したいところです。
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【参考リンク】
・横浜市総合リハビリテーションセンター公式サイト(社会福祉法人横浜市リハビリテーション事業団)
・横浜ラポール公式サイト(同事業団) ※10月1日より夜間、障害福祉関係団体、おもちゃ図書館(遊びエリア)の利用を再開