今から10年後の2030年には新横浜と小田急線の新百合ヶ丘駅がつながります。
横浜市営地下鉄ブルーラインを現在の終点・あざみ野駅(青葉区)から約6.5キロ先の川崎市麻生(あさお)区にある新百合ヶ丘駅まで延伸することを決めている横浜市と川崎市は、途中に設ける3駅の位置を発表しました。
新百合ヶ丘は川崎市内でありながら、臨海部に近い川崎中心部からは遠く、主要交通は新宿へ向かう小田急線が中心という状況です。
そのため、川崎市では市内中心部から武蔵小杉などの市内主要箇所を経由して、新百合ヶ丘までを結ぶ鉄道を独自に計画したことがありましたが、財政負担が大きいとして断念。
同計画に代わって具体化したのが、横浜市と共同でブルーラインを新百合ヶ丘まで延伸することで、新幹線乗り換え駅である新横浜へのアクセス強化などを目的とし、昨年(2019年)両市が延伸に合意しています。
これにより、現在は路線バスで約30分を要する新百合ヶ丘駅~あざみ野駅間は約10分と大幅に短縮されるほか、新百合ヶ丘駅から新横浜駅までは、現在の約35分が乗り換えなしの約27分と8分短縮される予定です。
一方、途中駅については、新百合ヶ丘駅の南口に設ける予定の新駅(終着駅)を除き、途中には横浜市内に2駅、川崎市内は1駅を設ける計画としていましたが、川崎市側は駅の位置について3ルート案を提示し、1年間かけて議論を続けていました。
きのう(2020年)1月21日に両市が発表した概略ルートと駅位置は、横浜市側は当初発表と同様に商業施設「あざみ野ガーデンズ」などがある「青葉区嶮山(けんざん)付近」と、市境をまたいで大型団地群が位置する「青葉区すすき野付近」に新駅を設置。
一方、議論を続けていた川崎市側は、当初から有力ルートとして提示していた「東側(ヨネッティー王禅寺)ルート」を採用することを決めました。
この東側ルートでは、駅を置く周辺に川崎市のプール・老人施設「ヨネッティー王禅寺」や、約1100人の学生が所属する「田園調布学園大学(旧調布学園短期大学)」が立地。
両施設とも主要道路の尻手黒川道路に面していることから、東急や小田急、川崎市バスによる路線が充実しています。付近への新駅設置によって、隣接する川崎市宮前区や多摩区、青葉区美しが丘西などへのアクセス性が高まることが期待されています。
今後、両市は2030年の開業へ向けて、第一段階となる環境影響評価手続など、工事前の各種手続に着手したい考えです。
【関連記事】
・地下鉄ブルーラインが小田急「新百合ヶ丘」へ延伸を発表、日吉にもプラス(横浜日吉新聞、2019年1月25日、計画の詳細と現状)
【参考リンク】
・横浜市営地下鉄ブルーラインの延伸「あざみ野~新百合ヶ丘」概略ルート・駅位置が決定しました(横浜市都市整備局、2020年1月21日)
・横浜市における鉄道計画(横浜市都市整備局、ブルーラインの延伸など)
・横浜市高速鉄道3号線(ブルーライン)の延伸(川崎市)