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【港北区・地域インターネット新聞社との協働イベントのご案内】横浜市港北区役所(大豆戸町・栗田るみ区長)と、一般社団法人地域インターネット新聞社(西区北幸、橋本志真子代表理事)は、協働共催事業として、今週末から開始となる(2020年)1月25日(土)・2月1日(土)・8日(土)の3回連続、9時から12時まで、講座「港北つなぎ塾~ワクワクする情報発信でつながろう」を、港北区役所4階で開催します。

昨年(2019年)開催時は、ホームページ作成や、港北区ツイッターでの情報発信と運用についても講義が行われた(2019年3月2日、リンクは一般社団法人地域インターネット新聞社のサイト)。今回(2020年)開催では、より多くの人に情報を伝えるにはという点もテーマとなっている

昨年(2019年)開催時は、ホームページ作成や、港北区ツイッターでの情報発信と運用についても講義が行われた(2019年3月2日、リンクは一般社団法人地域インターネット新聞社のサイト)。今回(2020年)開催では、より多くの人に情報を伝えるにはという点もテーマとなっている

この講座は、横浜市の全18区で行われている「地域づくり大学校」事業の一環として企画・実施。

今回は、5つの分野【A:自治会・町内会・地域団体】【B:子育て・教育】【C:シニアの地域活動】、地域貢献事業としての【D:ビジネス・起業】、そして、ノンジャンル【E:港北区の魅力発信】ごとに参加者を募集。それぞれのジャンルにアドバイザーを招へい、アドバイスを交えながら、それぞれのジャンルが今後港北区内外にどのように情報発信をしていくべきかのディスカッションも行う予定です。

最後の紹介となった【B:子育て・教育】ジャンルのアドバイザーには、日吉駅や日吉本町駅が最寄りの住宅街が広がる下田町を中心に、「男の3Gプロジェクト実行委員会」を立ち上げ、運営している代表の黒須(くろす)悟士さんを招へい。

2013年9月に下田町6丁目の住宅街で、一軒家の空き家を活用し開設した多世代交流スペース「えんがわの家よってこしもだ」(2018年11月に閉館)を立ち上げ、運営担当として尽力したばかりでなく、起業家としての高田町での農業体験の企画運営や、下田学童保育所(下田町4)などの運営にも会長として参画するなど、下田地区を中心に地域活動を行っています。

下田学童保育所の元会長として運営にも携わる黒須悟士さん。“家事も、育児も、そして仕事も出来る男になろう”を合言葉に、「男の3Gプロジェクト」活動にも取り組んでいる(2019年11月)

下田学童保育所の元会長として運営にも携わる黒須悟士さん。“家事も、育児も、そして仕事も出来る男になろう”を合言葉に、「男の3Gプロジェクト」活動にも取り組んでいる(2019年11月)

日本社会の超少子高齢化が叫ばれ、これからの日本の未来の命運をも左右すると思われるこの分野。女性の社会進出にともない、男性の育児参加や職場の子育て・育児への理解がより重要になってきています。

「男の3Gプロジェクト」は、“家事も、育児も、そして仕事も出来る男になろう”を合言葉に、家事・育児・ビジネスに含まれる「じ」から命名したと黒須さん。

「一人ひとりの人生において、もっと“ゆとり”がある社会を作ってくことができれば。時間がない、余裕がない、というところから、子育てはもちろん、全てが“うまくいかない”ことにつながっている気がしています」と、より一人ひとりが豊かな人生、そして時間を過ごすためにも、地域社会とつながる大切さ、人と人とがつながる大切さを日々感じているといいます。

男性のお迎えやおむつ替えは難しい?社会の理解はどこまで進んだか

今、世間で言われる育園や学童保育の「待機児童問題」には幸いにも巻き込まれなかったという黒須さん。しかし、当時(2000年代の前半時期)、子の迎えに保育園に出向くも、当時100人あまり通うその園では、「パパのお迎えはわずか2、3家庭のみ。男は、保育園のお迎えに来ないんだ、と感じました」と、今より明らかに男性の育児参加が進んでいないと感じた当時の状況を振り返ります。

2013年9月に下田町6丁目の住宅街で、一軒家の空き家を活用し開設した多世代交流スペース「えんがわの家よってこしもだ」の立ち上げや運営にも携わった(2018年11月3日の閉館日に)

2013年9月に下田町6丁目の住宅街で、一軒家の空き家を活用し開設した多世代交流スペース「えんがわの家よってこしもだ」の立ち上げや運営にも携わった(2018年11月3日の閉館日に)

“イクメン”、“イクパパ”といった言葉がまだ定着していなかった頃のエピソード。「(その頃と比較すると、今では)男性の産前産後休業や育児休業について語られることが多くなったことも大きな前進。子育て・育児の制度改革に取り組んできた先輩たちには、心から感謝したい」と、今の育児環境は一朝一夕になったものではなく、長い年月をかけて今日の状況が作られてきたことへの感謝の想いを語ります。

2005(平成17)年まで勤務した独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ・本部:東京都港区)や、MBA(経営学修士)を取得した慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS=日吉4)、外資系リスクマネジメント会社の日本支社代表としての勤務、そして自身が代表として立ち上げた2010(平成22)年の株式会社クロス・ディメンション(本社:千葉市、活動エリアは港北区を拠点)の事業を通じ、組織運営や立ち上げ、経営マネジメントに強くなったことも黒須さんの強み。

そんな黒須さんだからこそ、男性が育児をする環境について、「トイレで昼間におむつかえをしようにも、男子トイレにはおむつかえのスペースや設備は、当時はほとんど見られず困ってしまいました。昼間、赤ちゃんを抱っこひもで抱えていると、白い目で見られる(と感じてしまう)こともありました」と、現実には、男性の育児への社会的な理解が充分に醸成されておらず、それは今も続いているのではと感じるシーンも多くあると語ります。

また、保育園や小学校で出会うのもママばかり。「ママ友だちが多いです」と、父親が育児になかなか関心を示さなかった世相が当たり前であったと、わが子の幼少時をしみじみと振り返ります。

「子どもの居場所」もより多様に、どうやって情報を伝えるか

2013(平成25)年に立ち上げた「えんがわの家よってこしもだ」の活動においても、多くの女性に囲まれていたという黒須さん。

「男の3Gプロジェクト」として男の料理教室も企画。講習の様子を、多くの人に伝えたいと撮影し記録する黒須さん(2018年6月9日、下田地域ケアプラザ)

「男の3Gプロジェクト」として男の料理教室も企画。講習の様子を、多くの人に伝えたいと撮影し記録する黒須さん(2018年6月9日、下田地域ケアプラザ)

特に、細やかな感性や感受性を持つ女性(ママ)たちは、つい目の前のことで意見が割れてしまうことも多かったといい、「“一段上”の目標を提示することで、些細な争いごとは回避できたと感じています。過ごす場所を“より良い場所に”と感じることで、お互いが理解しあえるのです。女性ばかりの場所に“男”が入ることによってコミュニケーションが円滑になることもあるかもしれません」と、経営マネジメント論に基づいた組織運営、そして何より「情報の伝達」を、常に心掛けてきたと語ります。

しかし、一人ひとりが所属する子育てのシーンが増えている一方で、そういった選択肢の多さも、価値観の多様化や「所属する組織ごとに分断」しがちな世相を反映していると黒須さんは感じているといいます。

学童保育所を保護者の代表として運営。意見対立があった場合も、大きな目標に向かってその壁を乗り越えてきた(下田学童保育所で)

学童保育所を保護者の代表として運営。意見対立があった場合も、大きな目標に向かってその壁を乗り越えてきた(下田学童保育所で)

「保育園、幼稚園のほか、地域の子育て拠点や子育てひろば、子育てサークル、そして学童保育に民間学童と、親や子どもが過ごせる場所も少しずつ増えてきているものの、それでもそれぞれに“伝えきれていない情報”があるのではないかと感じています。チラシを作りました、ホームページを作りました、それでは伝えきれない情報や、作り上げることが難しいネットワークもあるはず」と、これまで体得してきた組織運営のノウハウから、新しい「情報伝達」の在り方についても、まだ答えも出ず、議論を深めていきたいと感じているとう黒須さん。

男性への子育て・育児・家事への参加を日々呼び掛けながら、一人ひとりが子育てや育児、そして家事に参加することでの「幸せな人生」となると感じているという黒須さんが、新たな「つながり」を生み出し、どのような情報発信をすべきかのアドバイスを行うかにも、大きな注目が集まるひとときとなりそうです。

子育て・教育分野:テーマ「今も不足している支援分野、必要な情報受発信とは」

日本全体が人口減少社会に入っても、人口35万3620人(2020年1月現在、横浜市発表資料)の港北区は、しばらくは増加傾向が続くことが予想されています。

バス通り沿いにある下田学童保育所。保護者が協力し合い、運営することで、地域のつながりが生まれている

バス通り沿いにある下田学童保育所。保護者が協力し合い、運営することで、地域のつながりが生まれている

特に年間の出生数は約3500人(2019年1月1日現在、横浜市発表資料と、市内最大となっており、0歳から5歳の子どもの人口比率が横浜市の平均より高く、そのほとんどが夫婦と子どもだけの世帯。0歳から3歳の子どもがいる世帯の共働き率が横浜市の平均を上回ります

そのため、港北区では、各地域で「両親教室」「赤ちゃん教室」などの取り組みも行われており、0歳からのつながりづくりをテーマに市民グループが主催する取り組みも広まっています。

港北区内では、行政や地域のさまざまな団体・グループが子育て支援に取り組んでおり、乳幼児を中心に拡充が図られていますが、幅広いニーズには応えられていないのが現状です。

男性が育児、家事にも参加することで、超少子高齢化対策を行うばかりでなく、地域のコミュニティも創出したいと考えている(男の料理教室、2019年6月)

男性が育児、家事にも参加することで、超少子高齢化対策を行うばかりでなく、地域のコミュニティも創出したいと考えている(男の料理教室、2019年6月)

男性の育児・子育てに対する意識や働き方の変革も必要なうえ、小・中学生の放課後の居場所拡充や、安全性の確保、学校と地域の連携などもまだまだこれからとも言われています。

今回は、この街に「まだ足りていないこと」を考えながら、「細やかなニーズに対応するための情報発信の方法」や「当事者に分かりやすく確実に伝えるための手法」などを学ぶワークショップとしてのイベントを実施する予定です。

子育て・教育支援などの活動を地域で行っている方、子育ての当事者・経験者の方であればどなたでも参加が可能です。残席もわずかとなっていますので、なるべく早めのお申込みをお待ちしています。

<アドバイザー略歴(自己紹介)>

黒須悟士さん:東京都生まれ、千葉県育ち。京都府で学生生活を送り、結婚を機に港北区に住む。1999年日本貿易振興会(現在の独立行政法人日本貿易振興機構=JETRO)に就職し、海外市場の開拓、ミッション派遣、セミナー企画運営などの業務に従事。2010年に株式会社クロス・ディメンションを設立し、社会事業やコンサルティング事業を展開。地域社会では「えんがわの家よってこしもだ」や「家事・育児・仕事ができる男を目指す「男の3Gプロジェクト」を立ち上げ、イベント企画なども行う。慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了(MBA)、慶應義塾大学大学院経営管理研究科博士後期課程単位満了退学。下田学童保育所元会長。認定こども園二俣川幼稚園顧問。

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【告知】「港北つなぎ塾~ワクワクする情報発信でつながろう」を港北区と開催します(2019年12月17日)

下田町の黒須さんが産む「新たな価値」、農業体験や子どもたちの居場所づくりも(横浜日吉新聞、2018年2月21日)

<下田町通信>エッセイ初掲載・黒須さんが考える「新価値観」を京都・関西から日吉へ(横浜日吉新聞、2018年4月6日)※黒須さんが執筆したエッセイ

<レポート>美味しい「だし」はどのように取る?下田ケアプラザで男の料理教室(横浜日吉新聞、2019年6月21日)

一軒家の交流スペース「よってこしもだ」が閉館、男性向け料理教室など最後の企画(横浜日吉新聞、2018年10月8日)

【参考リンク】

港北つなぎ塾2020公式サイト

港北つなぎ塾2020ジャンル紹介

港北つなぎ塾2020Twitter

令和元年度「港北つなぎ塾」(横浜市港北区のサイト)※申込先・定員は30名を予定

「港北つなぎ塾2020」のご案内~2020年1月25日(土)・2月1日(土)・2月8日(土)(一般社団法人地域インターネット新聞社公式サイト)※イベント詳細