新横浜駅の新改札要望などは前年と変わらない回答でしたが、JR横浜線に関わる内容では前進も見られます。
県内自治体などが参加する「神奈川県鉄道輸送力増強促進会議」(会長・黒岩祐治県知事)が昨年(2023年)11月に行った県内鉄道事業者への要望に対し、鉄道各社からの回答が今月(2024年)3月21日に県の公式サイトで公表されました。
2023年度(令和5年度)分として同会議ではJR東日本に99件、東急電鉄に4件、相鉄(相模鉄道)に9件などの要望を行っており、これらに鉄道事業者側から回答があったものです。
横浜線関連では運転本数増や快速運転時間の拡大、根岸線(桜木町方面)への乗入れ本数増加などを求めました。
本数増や快速運転時間の拡大についてJR東日本は「今後もお客さまのご利用状況を見極めつつ判断してまいります」と前年同様の回答でしたが、根岸線への直通列車は今年3月16日のダイヤ改正で平日5往復、土休日7往復の増便が図られています。
毎年出されている新横浜駅の新改札口を求める要望には、「相鉄・東急直通線開業に伴いお客さまのご利用状況が変化しておりますが、現時点での改札口新設の計画はございません」との回答で未進展。
今回、新たに出されたのは大口駅の東口が無人改札となったことで「防犯対策や障害者等の円滑な利用について心配する声が挙がっています」といい、「国が策定した『駅の無人化に伴う安全・円滑な駅利用に関するガイドライン』に沿った丁寧な対応を行うよう要望いたします」としています。
これに対し、JR側からは「鉄道サービスは公共性の高い交通機関であり、多様なお客さまが安全、円滑に駅を利用できるよう必要な設備や体制の整備等に努めてきたところでございます。引き続き、関係者の皆様と検討してまいります」との回答でした。
一方、京浜東北・根岸線に関する要望のなかで、桜木町駅と東神奈川駅の横浜線側にもホームドア整備を要望。これに対しては「引き続きホームドア整備完了に向けた検討を進めてまいります」と前向きな回答が見られました。
東急電鉄と相鉄に求めた新横浜線での「利用しやすい運賃設定」の要望に対しては、両社ともに事業性の確保を前提に「適時適切に検討してまいります」と前年同様の回答にとどまっています。
【関連記事】
・【前年記事】<新横浜駅の新改札要望>新線開業と篠原口の再開発を意識した回答に(2023年4月10日)
・3月のJR改正で“横浜線~桜木町”を増やす、「相鉄・JR直通」では早朝増便(2023年12月15日、今年の改正で増便された)
【参考リンク】
・令和5年度の要望及び鉄道事業者からの回答(神奈川県内を走る10社に向けた要望と回答、2024年3月21日公開)
・神奈川県鉄道輸送力増強促進会議のページ(神奈川県)