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“成人式”にも少しずつ華やかさが戻ってきました。

きのう(2023年)1月9日(月・祝)、横浜アリーナで「二十歳の市民を祝うつどい」が開かれ、今年20歳を迎えた市民3万5805人のうち約57%となる2万402人が式典に参加し、節目となる門出を祝いました。

これまでの“成人式”と対象者や内容は変えず、今年から「二十歳の市民を祝うつどい」の名称となった

昨年(2022年)4月から「成人」の年齢が18歳に引き下げられたことにともない、前年までの「『成人の日』を祝うつどい」の内容や対象者は変えず“二十歳(はたち)の成人式”として引き続き実施されることになったものです。

今回は、新型コロナウイルス禍で緊張感が続くなかで開かれた前年よりも慎重が期され、密集状態を避けるために前回より1回多い5回に分割して式典が行われています。

横浜アリーナの玄関前で開場を待つ20歳の参加者(1月9日8時40分ごろ)

昨年より30分早い9時30分から始まった第1回の式典(神奈川・都筑・保土ケ谷の3区民対象)は、参加対象者の58.8%となる3884人が参加。朝早くから新横浜駅の周辺が晴れ着姿の人々で賑わいました。

また、地元の港北区や近隣の緑区に加え旭区が対象となった第2回は、全5回の式典で最多となる4416人(対象者の60.1%)が横浜アリーナに集まっています。

11時15分から始まった2回目の式典には全5回で最多となる4400人超が参加したが、座席は左右前後1つ空けての着席でも余裕があった(11時15分ごろ)

各回式典の開始前には、2008(平成20)年まで1年間にわたって放送された人気アニメ「Yes!プリキュア5(ファイブ)」の映像が流され、意表を突くように始まったアニメと主人公キャラクターによる参加者へのメッセージには、会場に驚きと笑顔も。

同アニメシリーズが2012年にみなとみらいを舞台にした映画作品を制作したことをきっかけとし、文化観光面で横浜市が同アニメシリーズとタイアップしてきた経緯から実現したものだといいます。

人気アニメシリーズ「プリキュア」が20周年を迎えたことや、横浜市とタイアップしていることもあって会場の大型ビジョンに登場

また、プロ野球「横浜DeNAベイスターズ」の三浦大輔監督や、「ももいろクローバーZ」の佐々木彩夏さんと高城れにさん、「ゆず」の北川悠仁さんと岩沢厚治さんがメッセージ動画を寄せ、“地元トーク”も交えながら20歳の参加者を祝いました。

全5回の式典であいさつに立った山中竹春市長は、今年の式典テーマが横浜市歌の冒頭に登場する「朝日かがよう」であることから横浜の歴史に触れ、「小さな小さな木の芽だった横浜も先人たちが幾多の努力を重ね、チャンスを呼び込み生かし大きな大樹になった。20歳のみなさんも目の前に広がる大きな可能性に向かって力強く道を切り拓いてください」と激励。

全5回の式典すべてに登壇した山中市長(左)と高橋副議長

同様に全5回の式典で登壇した横浜市会(市議会)の髙橋正治副議長は、「これから希望や夢に向かって一人ひとりが違う道を歩いていくことになるが、上手くいくことばかりではなく、失敗することもある。大切なことは、自己肯定感で、どのようになっても自分を卑下しない、自分をほめることが大切です」とアドバイスしました。

13人で結成した実行委員会は司会や参加者を代表してのメッセージ「二十歳の誓い」を担当

新たに20歳新成人となった13人で結成した今年の実行委員会は、5人が登壇して「二十歳の誓い」を担当。

第1回松本梨沙帆(りさほ)さんは、病気で学校へ通えなくなった過去の経験から支えてくれた家族や周りの人の大切さを話し、第2回では井上優理さんが農業への関心から大学の農学部に進み、将来は農業分野で社会に貢献したいと宣言。

第3回和澤ゆりさんは家族の転勤による海外生活で発展途上国の格差を見たことから法律分野に進み、将来は困難な状況に置かれている人の援助に貢献したいと話します。

会場で配られた小冊子の編集も実行委員会が関わっている

第4回では岡友里愛(ゆりあ)さんが留学で苦労した際に助けられた経験から感謝の心や前向きな気持ちの大切さを紹介し、第5回小野一真さんはこれまでの20年間を山登りにたとえ、長いようで短い登山だったと振り返り、友達のアドバイスに助けられた経験を話しました。

なお、今回も30分間の短い式典のみの“成人式”となり、コロナ禍以前のように祝賀会的な「第2部」は行われていません。

コロナ禍により消毒などの作業が増え、式典回数が増えたことで人出もかかり、経費は以前より増加していると言われている(1月9日)

コロナ禍で開かれた過去2回は、新成人や家族を中心とした市民から開催が熱望される一方、感染拡大への懸念から実施に対する批判も交錯し、リアルの場での開催が危ぶまれる状況にありました。

今回はそうした環境にはなく、アニメ作品とのタイアップや、メッセージ動画の増加といった記念行事ならではの華やかさも復活しつつあり、来年はコロナ禍前のような“成人式”に戻れるのかどうかに注目です。

2023年「二十歳の市民を祝うつどい(成人式)」の各回参加率

  • 【第1回(9:30)】神奈川・都筑・保土ケ谷:3,884人(参加率58.8%
  • 【第2回(11:15)】旭・港北・緑:4,416人(参加率60.1%
  • 【第3回(13:00)】青葉・港南・中・西:4,125人(参加率55.7%
  • 【第4回(14:45)】泉・磯子・金沢・栄・瀬谷:4,305人(参加率57.4%
  • 【第5回(16:30)】磯子・鶴見・戸塚・南:3,672人(参加率52.1%
  • <参加対象者計35,805人/当日参加者計20,402人(全体参加率57.0%)>

【関連記事】

障害者の「二十歳」を祝い式典、2023年は横浜ラポールに160人が集う(2023年1月10日、近くでは障害者の“成人式”も毎年行われている)

【参考リンク】

「成人の日」を祝うつどい(成人式)について(横浜市教育委員会、式典の模様を2023年1月12日~31日にアーカイブ配信する予定)