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今年は計2万2000人弱の新成人が「横浜アリーナ」に集まりました。きのう(2022年)1月10日(月・祝)に開かれた横浜市の「成人式」には市内新成人の60.2%が参加し、新横浜の街は新型コロナウイルス禍前の開催日に近い賑わいを見せることになりました。

前年より参加者は多かったが、早めに開場するなど入場はスムースに進んだ

2022年の“令和4年「成人の日」を祝うつどい”は市内の新成人3万6373人を対象に行われ、一度に会場へ集まる人数を制限するため4回に分けて式典を実施。

10時から開かれた第1回の式典(旭・神奈川・都筑・保土ケ谷)には4区新成人の60.4%となる5587人が参加し、14時20分からの第3回(泉・金沢・港南・栄・瀬谷・中)にもほぼ同数の5585人(60.7%)が集まりました。

今年もステージは2階に設け、その様子を大型モニターに映し出した。昨年に続き会場内では大声を出したり、暴れたりするような参加者は見られなかった

新成人が市内最多の青葉区(3572人)と2番目に多い港北区(3112人)など4区が対象の第2回(青葉・港北・西・緑)は12時10分から行われ、対象新成人の60.4%となる5622人が詰めかけ、4回のうちで最多人数

一方、最後の16時30分に始まった第4回(磯子・鶴見・戸塚・南)は4819人(55.9%)の参加にとどまっています。

今年は2階のスタンドも一部使われた

今回の全参加者は計4回で2万1913人となり、緊急事態宣言中だった前年(1万5307人、参加率41.5%)を大幅に上回る新成人を集めましたが、コロナ禍前の2020年(2万4875人、同67.9%)の水準までは戻りませんでした。

一方、前年に続いて今年も行われたインターネットでのライブ中継は、最大で1200人超が視聴している時間帯もありました。

式典後の会食は控えるよう呼びかけ

横浜市の成人式はコロナ禍前まで、あいさつなどの式典に続いて新成人による実行委員会が企画した“イベント”の時間が設けられていましたが、昨年に続いて今年も約30分の式典のみの開催となっています。

実行委員会が市内18区を紹介する動画を独自制作し、開演前に放映

それでも新成人13人による今年の実行委員会は、市内18区を紹介する映像を独自に制作するとともに、全4回の式典での司会と、新成人を代表して発表する「新成人の誓い」を手分けして担当するなど奔走。

式典で山中竹春市長は、今年の実行委員会が考案したテーマの「人生100年時代~AM4:48」を取り上げ、「人生100年を1日に換算すると20歳は午前4時48分、つまり、まだ夜明け前で直(じき)に夜が明ける」と述べたうえで、「夜が明けて、新成人の皆さんはこれまでの常識にとらわれない自由な発想で社会に挑戦し活躍していくことが期待される」とメッセージをおくりました。

昨年8月に就任した山中市長にとって初めての成人式出席となった

また、横浜市会(市議会)の清水富雄議長は、若き日に船会社に就職して成人の日は海外の洋上で迎えることになったエピソードを紹介し、「今の自分の姿を想像すらしなかった」といい、「どのような道を歩んでいくのか誰にもわからない。皆さんにはそれだけ大きな可能性があるということだ」とあいさつ。

3回目と4回目に登壇した高橋正治副議長も、システムエンジニアとして企業に就職してから議員になるまでの話も交えながら、新成人にエールを贈っていました。

一方、新たな変異株により首都圏でもコロナ禍が再燃しそうな気配が出ていることから、山中市長が「第六波の局面に入り、予断を許さない状況となっている。懐かしい仲間に再会したと思うが、式典後の会食は控えてください」と新成人に呼びかけました。

4人の「新成人の誓い」に大きな拍手

実行委員会のメンバーが司会と「新成人の誓い」を担当

新成人の誓い」では、齋藤夕羽希(ゆうの)さん(第1回)が高校時代の吹奏楽部時代の経験から人とのかかわりと、努力することの重要性を述べ、「誰かに明るいエネルギーを与えられる人になりたい」と宣誓。

幼少期から障害を持っていたという島田悠良(ゆら)さん(第2回)は、高等特別支援学校時代の指導に感謝する内容のメッセージを途中で詰まりながらも無事に語り終え、スタンドで見つめる5600人超の“同級生”からより大きな拍手を浴びていました。

式典終了後は周辺道路が大混雑していた

続いて本田美月さん(第3回)は、困難のなかにある時だからこそ日常の大切さに気づけたといい、「生活を支えてくださっているすべての人々に感謝の気持ちが生まれている」との思いを披露。

最後となる第4回の式典に登壇した鷹嶋彩愛(あやめ)さんは、コロナ禍のなかで少しでも目標があれば前向きになれると考え、2000以上の目標を考えたというエピソードを紹介し、「このつらい生活は必ず転じて暖かな希望に満ちた生活になる時がくる」と前を向いていました。

生まれも育ちも南区だという、お笑いコンビ「マヂカルラブリー」の野田クリスタルさんからは、テレビでの大失敗など、人生の失敗談とそれを乗り越えてきたことを紹介するメッセージが寄せられた

新横浜の街でも今年はお祝いムードが演出されており、駅ビル内には記念撮影スポットが設けられ、500個の記念品も新成人に配られた

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【参考リンク】

「成人の日」を祝うつどい(成人式)について(横浜市教育委員会)