2024年は昨年より“コロナ前”の雰囲気に近づく集いとなりました。
前身の“成人式”時代を含めて今年で40回を迎えた「障害者の二十歳(はたち)を祝うつどい」(横浜市/横浜市障害者社会参加推進センター/横浜市心身障害児者を守る会連盟主催)がきのう(2024年)1月14日(日)に障害者スポーツ文化センター「横浜ラポール」(鳥山町)で開かれ、20歳を迎えた155人の門出を祝いました。
障害者の二十歳を祝うつどいは、成人年齢の引き下げ直前の2022年1月までは「障害者の成人の日を祝うつどい」という名で1973(昭和48)年から半世紀の歴史を持つ成人式。1993(平成5)年から横浜ラポールで開かれています。
主催者を代表して壇上に立った「横浜市心身障害児者を守る会連盟」の代表幹事・清水龍男さんは、「職場や活動の場で、社会貢献ができる大人に成長できることが両親や支援者の方が望まれています」とアドバイス。
3年連続で式典に参加した山中竹春市長は、元旦に石川県の能登半島などで起きた大地震に触れ、「寄り添う心によって支援の輪が広がり、大きな力となる。20歳(はたち)の皆さん、被災地のために何ができるか一緒に考えていきましょう」と呼びかけます。
そのうえで山中市長は、「皆さんの前には無限の可能性が広がっており、周りには応援してくれる方々がたくさんいる。横浜市も今後のチャレンジを全力で応援していくので、一緒に頑張りましょう」と力を込めました。
続いて横浜市会(市議会)の福島直子副議長は、「新たな門出にあたり、歩んでこられた二十年の軌跡を、これまで支えて下さった方々とともに思い返していただければ」といい、「横浜市会としても、皆さんが地域で社会でより暮らしやすくなるよう、全力で応援させていただきます」とあいさつ。
横浜市社会福祉協議会で障害者支援センター担当理事をつとめる内嶋順一さんは、「皆さんは一生懸命、人生を生きてきた人たちだと思っています」と話し、「一生懸命に生きている姿を色んな人に見てもらってください。私みたいに元気になったり、すごいと思ってくれたりする人がいます。社会に出て皆さんの一生懸命生きている姿を見てもらうことが、社会貢献になります」と155人の参加者に語りかけました。
参加者を代表して「二十歳(はたち)の誓い」を述べた阿部俊太郎さんは、昨年を振り返り「会社に就職して、二十歳になったことで、社会人としての大きな役割と責任が生まれた年だった」といい、「これからは自分のことだけでなく、誰かに教えたり、導いたりできるような人になれるように頑張っていきたい」と宣言。
続いて酒井結香(ゆいか)さんは、「高校1年生の終盤より、私たちの生活環境は一変しました」と新型コロナ禍に触れ、「規模は縮小されたものの、先生方のおかげで文化祭や日帰りの修学旅行など、楽しい高校生活をおくることができました」と振り返り、日常生活や仕事の場でも「感謝の気持ちを忘れずに頑張っていきたい」と話しました。
今年の二十歳を祝うつどいでは、コロナ禍前のような「祝賀会」は行われていませんが、過去2年間のように参加者全員にPCR検査を行ったり、座席間隔を広くとったりする対策は終え、横浜市歌の斉唱や参加者全員が集まって記念写真撮影を行うなど、より以前の形に近づきつつありました。
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・【前年の記事】障害者の「二十歳」を祝い式典、2023年は横浜ラポールに160人が集う(2023年1月10日)
・【2年前の様子】2年ぶりに開催が叶った“障害者の成人式”、「横浜ラポール」に133人集う(2022年1月17日、全員にPCR検査を行うなど“厳戒態勢”で開かれた)
【参考リンク】
・「障害者の成人を祝うつどい」の歴史について(横浜市心身障害児者を守る会連盟)