新横浜・菊名・大倉山・新羽など港北区南部の地域情報サイト
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先月(2020年)6月、大豆戸町の環状2号線で相次いだ陥没の原因を特定するとともに、再発防止へ道路上から地盤の調査と補強が並行して行われています。

写真上は6月12日の陥没(市営バス港北営業所付近)、下は6月30日の陥没箇所(旧港北警察署の交差点付近)。いずれも大豆戸町の環状2号線上で起きた

独立行政法人鉄道・運輸機構(横浜市中区)の東京支社は、工事中の「新横浜トンネル」(新綱島駅(仮称)~新横浜駅(仮称)間、全長3304メートル)の真上で起きた2度の陥没原因を調査するため、大学教授ら有識者9人による「地盤変状検討委員会」の第3回会合を今月7月24日(金・祝)に開催。陥没はトンネル掘削時に土砂の取り過ぎが原因であるとの結果が示されるとともに、現状を報告しました。

会合後、同委員会の龍岡文夫委員長(東京理科大学嘱託教授・東京大学名誉教授、地盤工学)と、同機構東京支社の五十嵐良博工事部長、立石和秀工事担当部長、綱島鉄道建設所の下津達也所長が会見を開いて明らかにしたものです。

掘削時に土砂の取り過ぎが原因

会見する「新横浜トンネルに係る地盤変状検討委員会」の龍岡委員長

この日の委員会では、6月12日と30日に環状2号線で相次いだ陥没は、直下で行っている新横浜トンネル工事の影響によるものであると特定し、掘削時に土砂を取り過ぎたことが原因との結論が出されました。

陥没箇所の周辺地盤を詳しく調査したところ、「(シールドトンネルの)左右は地盤が傷んでおらず、これから建設(掘削)する前方も同様だったが、真上の砂分が多い所が傷んでいることがはっきりした。以前から(地中に)空洞ができていたとは言えない」(龍岡委員長)との結果を示します。

陥没発生の位置図。青色で描かれた「大豆戸町第二歩道橋」の左右には現在「ドンキホーテ」と「PCデポ」が建っている(鉄道・運輸機構の公表資料より)

また、陥没については「第一には、シールドトンネル工事による過剰な土砂の取り込みであろうということになった」(同)といいます。

龍岡委員長によると、掘削工事時に約10~14メートルの区間にわたって通常より土砂を多めに取り込んでいたものの、「突然、大崩壊が起きているわけではなく、限定的な取り込みを連続して行ったため、(現場では)特に異常ではないという判断をしたようだ。後で改善をしようとしたが間に合わなかった」(同)と説明しました。

一方、原因の特定まで時間がかかったことについて龍岡委員長は、陥没現場の付近が「非常にいやらしい地盤」だったという特殊性を挙げ、「(強固な)泥岩(でいがん)層があっても薄い砂層(さそう)が流れ、やがて陥没が起こるような場所であり、慎重さが特に求められていた場所」と指摘しています。

環状2号線で空洞調査と地盤補強中

会見で説明する鉄道・運輸機構の3氏

鉄道・運輸機構によると、環状2号線の陥没現場の周辺では現在、約500メートルにわたって地盤の調査と補強を行っており、「少しでも(地盤が)悪い部分を見つけたら、その周辺で徹底的に数を増やす」(鉄道・運輸機構の立石担当部長)という方針のもと、計79カ所で実施しているといいます。

ボーリング調査と同様の機械を使った「さぐり削孔(さっこう)」によって、地中の空洞の有無地盤の傷み具合を調べるとともに、傷んでいる箇所には充填剤の注入を行っているとのこと。

画像上は6月12日の陥没地点、下は6月30日の陥没地点の断面図。いずれもトンネル上部(土被り)から地表面まで18~19メートルと浅い(鉄道・運輸機構の公表資料より)

この作業にともない、環状2号線の鶴見方面の一部車線で行われている規制については、「現時点では明確にいつまでとは言えないが、作業の終了後、関係機関との調整を踏まえたうえで解除したい」(綱島鉄道建設所・下津所長)と話します。

一方、掘削をすでに終えている大倉山3丁目や菊名7丁目などの住宅街周辺については、掘削箇所の地盤が硬いことや今回陥没の2カ所とトンネルの深さが異なることから再度の調査は行わず、「(環状2号線と)同じような現象を起こすとは考えていない」(五十嵐部長)との見方を示しました。

工事再開は「再発防止策」の提言後

鉄道・運輸機構では、8月初旬にも「地盤変状検討委員会」の第4回会合を開き、同委員会から再発防止策などの提言を受ける予定。

新横浜駅まで約550メートルを残して掘削が止まっている新横浜トンネルの工事再開は、提言を受けた8月以降となる見通しです。

トンネル真上にあたる環状2号線の鶴見方面車線の一部では地盤調査と補強が行われている。写真手前が1度目の陥没地点、写真奥が2度目の陥没地点(7月7日撮影)

相鉄・東急直通線(相鉄新横浜線/東急新横浜線)の工事では、日吉駅周辺の高架橋二層区間や箱型トンネルなどは順調に進んでいるといいます。

同工事から接続する形の「綱島トンネル」(箕輪町~新綱島駅(仮称)、約1100メートル)は、上下2本のトンネルをそれぞれ掘る計画で、このうち新綱島駅から掘り進めている日吉方面行トンネルの掘削は終了に近づいており、今年度中(2021年3月末まで)には新綱島方面行トンネルの工事も終える予定。

「相鉄・東急直通線」(相鉄新横浜線/東急新横浜線)の位置図・縦断図・断面図。西谷駅から羽沢横浜国大駅までの区間は「相鉄・JR直通線」の一部として2019年11月末に開業済み(鉄道・運輸機構「神奈川東部方面線~計画路線マップ」より)

羽沢横浜国大駅から掘り進めていた「羽沢トンネル」(新横浜駅(仮称)~羽沢横浜国大駅、約3500メートル)については、今年2月に掘削を終え、すでに新横浜駅まで到達しているとのことです。

開業予定である「2022年度下期」(2022年10月~2023年3月)に間に合わせるには、港北区内での工事進展が大きな鍵となっています。

【関連記事】

また大豆戸町で「環状2号線」が陥没、直下で新横浜トンネル掘削の車線(2020年6月30日、2回目の陥没時の記事)

<環状2号線の陥没>原因究明まで「新横浜トンネル」の掘削工事を停止(2020年6月25日、第1回「地盤変状検討委員会」の記事)

<鉄道・運輸機構に聞く>箕輪町と新綱島駅を結ぶ「綱島トンネル」の今(横浜日吉新聞、2020年7月20日、新綱島と日吉駅間の現状)

【参考リンク】

新横浜トンネル工事の進捗状況(鉄道・運輸機構、新横浜駅まで約550メートルを残して停止中)

羽沢トンネル工事の進捗状況(鉄道・運輸機構、※今年2月に掘削を終えているという)