半世紀の歴史をつなぐ地域の業界団体が、大規模災害の発生に備えるための資材寄贈を行いました。
1970(昭和45)年10月設立、横浜市の建設業者300社以上の会員を有するという一般社団法人横浜建設業協会(中区太田町)は、大規模地震などが発生した際、緊急輸送を行うための、沿道に配備を行うための「道路応急資材」を横浜市港北区に寄贈。
先月(2020年)2月28日午前、港北区役所4階の会議室で、関係者や各メディアなど約20人が集う中での贈呈式が行われました。
横浜市では、災害が発生した際、応急的な対策として必要な物資、資機材、要員などを輸送する緊急車両が通行する道路を「緊急輸送路」として指定。
同協会と横浜市は、災害時の協力要請と応急活動について協定を結んでおり、市内で震度5強以上の地震が発生した場合は、初期活動として、市からの協力要請を待たずに、各区の会員が緊急の巡回、応急措置を行うとのこと。
大規模地震などの災害発生時に、早期に対応ができるよう、緊急輸送路の沿道に、道路応急資材の配備を進めているとのことで、その資材の一部としてのポストフレックス15本、専用アンカー15本、耐候性黒土のう500袋などを贈呈したものです。
今回の贈呈式には、同協会の山谷(やまや)朋彦会長、港北区会の松村三功会長、中山勝副会長ほかが来訪。
山谷会長は、「昨今の地球温暖化の影響で、昨年も大きな被害を受けた台風の大型化や巨大地震など、私たちの地元・横浜でも、いつ大きな災害が発生するかわらかない。もしがあっては困るが、万が一そういった災害があった際に資材を配備してもらい少しでもお役に立てれば」と、今回の贈呈に至った経緯を説明します。
寄贈を受けた港北区側からは、栗田るみ区長、高嶋賢一副区長、港北土木事務所の中田秀昭所長、加藤日出美副所長らが出席。
感謝状を贈呈した栗田区長は、「(建設業協会には)横浜市の災害対策に大変な協力をいただいている。(寄贈されたものは)区民のために有効に使っていきたい。これからも皆さんのお力添えのもと、安全・安心なまちづくりを行っていきたい」との感謝の弁を述べていました。
昨年(2019年)9月の台風15号、10月の台風19号の襲来や、南海トラフ地震、首都直下型地震の発生率が高まっているという報告があることについても山谷会長は言及。
「昨年の台風15号では、金沢区でも大きな被害が出た。今年に入ってからは、暖冬の影響で、積雪での出動がなくほっとしていたが、今は新型コロナウイルスの話題もどんどん報道がなされており、心配な限り。早く収束していただければという願いでいる」と、世界的な規模で影響が広がりつつある感染症の発生、公立学校の臨時休校のニュースにも心を配るコメントを残していました。
「区民の安全安心を守れる“唯一の団体”なのではないかと思っている」と山谷会長。
先の見えない時代、地域の企業が業界全体で情報を共有し、また行政との連携をはかることで、「少しでも安心・安全」に暮らせる社会を実現することが、日々の業務や活動の中でも求められていくことになりそうです。
【参考リンク】
・災害時の道路応急資材の寄贈を受けます(横浜市・記者発表資料)
・港北区会の活動(一般社団法人横浜建設業協会)※港北区の会員(公表数)は19社