新横浜・菊名・大倉山・新羽など港北区南部の地域情報サイト
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空から「ドローン」で撮影する映像は、どこまで緊急時に役立つのでしょうか。横浜市港北区は、先週(2019年)1月11日午前、無人航空機「ドローン」による空撮事業を手掛ける新横浜2丁目の株式会社エムテックスと、市内18の行政区では初となる大規模災害時におけるドローンの活用に関する協定を締結しました。

港北区役所4階の屋上庭園で、ドローンを活⽤した災害時の情報収集の実演を行った。株式会社エムテックスでドローン操縦士として活躍する河田眞道さん(左)、佐藤裕さん。最上級のドローン資格だというSUSC1級(リンクはセキド無人航空機安全運用協議会のサイト)を取得している

港北区役所4階の屋上庭園で、ドローンを活⽤した災害時の情報収集の実演を行った。株式会社エムテックスでドローン操縦士として活躍する河田眞道さん(左)、佐藤裕さん。最上級のドローン資格だというSUSC1級(リンクはセキド無人航空機安全運用協議会のサイト)を取得している

港北区役所(大豆戸町)にて行われた締結式には、港北区の栗田るみ区長林賢是副区長エムテックス社の松田武代表取締役社長港北消防署の安江直人署長堤康弘副署長らが10数名が出席。

今回締結された災害協定では、無人航空機であるドローンを、災害が発生した初期段階に飛行させ、火災の発生や建物被害、帰宅困難者の駅周辺での滞留状況などの映像や画像を撮影。災害対策本部が設置された港北区役所に映像や画像を提供することで、被害状況の把握や、救助や帰宅困難者への対応をより迅速に、また効果的に行うことを目的としています。

港北区の栗田るみ区長は、「大地震はもちろん、港北区では鶴見川を起因とする洪水や浸水被害も大きいことが想定されており、ドローンで調査できることで効果的な対応を行いたい」と、今回の協定締結に至った理由を説明します。

栗田るみ区長(右)と、エムテックス社の松田武代表取締役社長。松田社長は「スーパーボランティア」を例えに、協定締結後の企業CSRとしての貢献に尽力したいと熱く語る

栗田るみ区長(右)と、エムテックス社の松田武代表取締役社長。松田社長は「スーパーボランティア」を例えに、協定締結後の企業CSRとしての貢献に尽力したいと熱く語る

事業開始から28年目になるという同社の松田社長も「事業としては、通信にかかわる技術サービスを専門に行っており、ドローンは2年前に始めたばかり。ドローンは3台保有し、2人の操縦士が日々訓練を行っています」と、国土交通省登録管理講習団体では“最上級”(松田社長)だという、SUSC(セキド無人航空機安全運用協議会=SEKIDO UAV Safety Commission、東京都国立市)認定の無人航空機操縦士1級を保有していることから、「有事の際には必ずお役に立てると自負している」と、日々の操縦訓練に裏付けされているという、その技術力の高さについて言及します。

松田社長は、「災害は起きないことが一番良いが、昨年(2018年)西日本豪雨北海道胆振(いぶり)東部地震などが発生したように、日本は災害が多く、港北区も例外でありません。万が一の備えとして、この協定は大変有意義と感じています」と、昨年流行したスーパーボランティアという言葉を例えに、また人道的な立場から、今回の協定については無償で協力するとのCSR(企業の社会的責任)を果たす決意を熱く語ります。

この日は高さ20メートルまで飛行、約1.7キロメートル離れた新横浜プリンスホテルのビル頂上の様子を高精度精度4K映像・画像で撮影した。通常は高さ149メートルまで(国の規制により)上昇することが出来、港北区内全体の画像も撮影可能。風速5メートルまででの飛行を国は推奨しているが、実際には10メートルの風にも耐えられるという

この日は高さ20メートルまで飛行、約1.7キロメートル離れた新横浜プリンスホテルのビル頂上の様子を高精度精度4K映像・画像で撮影した。通常は高さ149メートルまで(国の規制により)上昇することが出来、港北区内全体の画像も撮影可能。風速5メートルまででの飛行を国は推奨しているが、実際には10メートルの風にも耐えられるという

無人航空機「ドローン」(drone)は元は英語で、「ミツバチの雄(おす)」やその羽音が語源といわれ、日本では2015年12月の改正航空法の施行で飛行に関する基本的なルールが定められたばかり。しかし以降、特に人が立ち入ることができない場所などへも、上空をドローンが迅速、かつ的確に飛行することで、映像や画像撮影による情報収集を行えるメリットから、国や自治体でのドローン活用がスタート。警察、消防などによるドローン整備の動きや、ドローン関連の企業や組織との災害協定の締結も全国各地で活発化の兆しが見られています。

株式会社エムテックスは1992年4月に設立された情報通信技術サービスを手掛ける会社で、同社によると昨年4月現在で従業員数は74名。無線システムや宇宙関連事業、半導体開発や高周波回路設計などの事業を行うほか、2年前からドローン事業を開始。操縦士らが訓練を重ねドローンでの空撮を行うほか、2018年1月には港北警察署(大豆戸町)と「テロ対策及び災害情報の提供に関する協定」を締結していました。

株式会社エムテックスは、昨年行われた新横浜駅での帰宅困難者対応訓練や、綱島東小学校で行われた地域防災訓練での、港北区内小学校での初ドローン実演に協力していた(2018年10月27日、同小学校での実演の様子)

株式会社エムテックスは、昨年行われた新横浜駅での帰宅困難者対応訓練や、綱島東小学校で行われた地域防災訓練での、港北区内小学校での初ドローン実演に協力していた(2018年10月27日、同小学校での実演の様子)

また、昨年3月に行われた新横浜駅周辺での帰宅困難者対応訓練や、10月に行われた綱島東小学校(綱島東3)での綱島東地域防災訓練でも、それぞれ初となるドローン飛行による実演が同社により行われています。

とりわけ、鶴見川流域に所在する新横浜駅などのターミナル駅を抱え、商工業地帯や新興マンション、新旧住宅街も混在する港北区においては、災害発生の初期段階において、情報の錯綜や大きな混乱も予想されています。

河川の氾濫や交通網の遮断など、甚大な災害被害発生時における被災状況のよりリアルタイムな情報の収集⼒を向上させるものとしての、ドローンを活用した同区役所の災害対策本部機能の強化、またこれから先の周辺エリアや他区への波及効果についても、より大きな期待感が寄せられていきそうです。

【関連記事】

災害時の「帰宅困難者」、恒例の対策訓練は今週3/2(金)に新横浜駅北口で(2018年2月28日)※ドローンによる情報収集の実演を同社協力により実施

【参考リンク】

18区初!大規模災害時におけるドローンの活用に関する協定を締結します!(横浜市記者発表資料、2019年1月7日)

株式会社エムテックス公式サイト ※2018年1月、港北警察署と「テロ対策及び災害情報の提供に関する協定」締結についての記述あり

無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール(国土交通省)

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