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大倉山も綱島も鶴見川流域が徹底的にやられた――。今から60年以上前の1958(昭和33)年に襲来した「狩野川台風」など、1980年代にいたるまで、幾度も水害に見舞われた鶴見川の流域を貴重な映像作品と体験者の講演で振り返り、今後の対策を考える学習会「狩野川台風から学ぶこれからの豪雨対応」(鶴見川流域水協議会主催)が今月(2019年2月)16日(土)午後に港北図書館(菊名6)で開かれます。

国土交通省関東地方整備局京浜河川事務所による「暴れ川の記憶」のパンフレット

“暴れ川”と呼ばれた鶴見川では、戦前から1980年代にいたるまで幾度も水害に見舞われており、1938(昭和13)年の大水害では綱島温泉や名産の「桃」に大きな被害をもたらし、戦後は鶴見川が決壊して2万戸以上が浸水した狩野川台風で大打撃を受けるなど、鶴見川の流域は、常に水害の危険にさらされてきました。

今回の学習会では、そうした鶴見川水害の歴史について、当時の新聞報道や地域住民のインタビューをまとめた映像作品「暴れ川の記憶~鶴見川流域、いつ起こるかもしれない水害に備えて」(国土交通省関東地方整備局京浜河川事務所、32分)を上映。

2月16日(土)午後に港北図書館で開かれる学習会「狩野川台風から学ぶこれからの豪雨対応」のチラシ(鶴見川流域ネットワーキングの案内ページより)

さらに、戦前の水害や狩野川台風など大きな水害を実際に経験してきた鶴見区駒岡在住の小山和雄さんと、鶴見区に生まれ、過去の水害経験から研究者として対策活動を続けてきた慶應義塾大学名誉教授の岸由二さんを講師に招き、当時の水害体験が語られるとともに、今後の対策を考える内容となっています。

新横浜公園(小机町)の多目的遊水地に代表されるように、鶴見川の治水対策が進んだことで、近年は鶴見川流域で大きな水害は起きていませんが、全国的には記録的な豪雨による大規模水害が多発しているだけに、危険性と対策を認識しておきたいところです。

学習会は13時30分から15時30分までの2時間。入場は無料ですが、定員は30人で、事前にFAXやメールなどで申し込みが必要となっています。

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【参考リンク】

2/16(土)「狩野川台風から学ぶこれからの豪雨対応」開催(NPO法人鶴見川流域ネットワーキング)