新横浜駅と鶴見駅の間を走るバス路線は、なぜ横浜市営と川崎鶴見臨港がほぼ同じ時間に走らせているのか、非効率なのでは――。そんな声が横浜市の「市民の提案」に寄せられ、市交通局が回答しています。確かに横浜アリーナ前や港北車庫前といった途中の停留所で待っていると、2つのバスが並んでやってくることもあるかと思えば、しばらく間隔が空くことも。どんな理由があるのでしょうか。
新横浜駅と鶴見駅を結ぶバス路線は、横浜市営の「6系統」と「104系統」、臨港の「鶴02系統」の3つが存在。太尾新道と大倉山駅前を経由して鶴見を結ぶ6系統は1時間に1~2本と本数は少ないのですが、104系統は日中1時間に4本程度、朝夕のラッシュ時はおおむね10分間隔で運転され、臨港の鶴02系統も日中は1時間4~5本(途中の駒岡車庫前行含む)で、ラッシュ時にはだいたい10分間隔で走っています。
新横浜駅の周辺では、2事業者あわせて日中でも1時間に10本程度の「鶴見駅行」が走っており、たとえば平日10時台の新横浜駅における発車時刻は下記のような状況です。
- 平日10時台の新横浜駅発車時刻(鶴見駅行)
00(市)00(臨・駒)00(市・太尾)、
15(市)15(臨)、
30(市)35(臨)、
40(臨・駒)40(市・太尾)45(市)、
55(臨)
※(市)は市営、(臨)は臨港、(駒)は駒岡車庫止め、(太尾)は太尾新道経由
0分や5分など分かりやすい発車時刻になっているのですが、1時間に10本もあるのに両事業者が、0分や15分に発車を重ねており、結果的に最大で15分の待ち時間が生じることになってしまっています。
横浜市へ声を投稿した人は、一部の区間(※鶴見区内の駒岡車庫~鶴見駅西口)を除いて同じ道順を走っているため、「これではあまりにも燃料などが非経済的ですし、税金の無駄遣いだと思います。何より利用者が不便極まりないです。不合理なダイヤを改善していただけないでしょうか」と訴えています。
これに対し、市交通局は「市営バス104系統と臨港バス02系統では事業者が異なるため、両事業者が共同して双方の運行間隔を調整してダイヤを作成することは困難」とする一方で、「運行間隔については極力均等に運行できるよう努めておりますが、市営バス104系統と臨港バス02系統では、起終点は同じであっても経由地が異なるため、(※同じルートを走る)『駒岡車庫⇔新横浜駅前』間においての車間隔の調整に苦慮しているところです」と吐露します。
そのうえで、「今後のダイヤ改正時には、今回のご意見をできるかぎり反映したダイヤを作成させていただきたいと考えております」と結びました。
新横浜と鶴見駅を結ぶ系統は高収益路線とされており、たとえば市営の104系統は、港北区内を走る路線のなかで収益率がトップだとのデータも公表されています。いわば“ドル箱路線”をめぐり、ライバルともいえる事業者間で時刻を調整するようなことはあるのでしょうか。注目です。
【関連記事】
・<外部監査>横浜市バスの赤字路線対策を求める、港北区内11路線も半分以上が赤字(2017年2月12日、区内路線の収益状況も)
【参考リンク】
・市民の声公表「市営バス104系統、臨港バス鶴02系統はダイヤの組み方が非常に非効率的です」(2017年4月19日回答分)