中学生が議論して考えた“手作り集会”で、アフリカ・ギニアからの来客に「日本らしさ」を伝えます。
きのう(2024年)3月5日午後、新横浜駅から徒歩約8分の篠原町にある横浜市立篠原中学校(濵﨑利司校長)では、2学年の生徒らによる「ギニア交流会」を約2時間にわたり開催。
ギニアとの交流会は、前任の鈴木薫校長が英語科目が専門だったこともあり、同校では昨年(2023年)9月に初開催。今年の交流会も社会科の田後(たご)敏行教諭が手を挙げるという形で2年連続で行われたといいます。
今年は、新たに西アフリカ・ギニア共和国の在京大使の代理、また広報文化を担当する一等参事官のベン・トラオレ(Ben TRAORE)さんが来校。
教職員や、来訪した横浜市国際局や、横浜市教育委員会の職員とともに「国」を超えての国際交流のひとときを分かち合いました。
「かつてマスコミの仕事をしていました」と語るトラオレさん。
日本に来日してからはまだ2カ月、「日本の学校に来るのは初めて」だというトラオレさんを歓迎する集会は、道路渋滞などによる到着の遅れにより、開始時間が20分ほど後ろにずれ込んでのスタートに。
2年生6クラス212人のうち、社会科を担当する係の約20人が今回の交流会の内容の企画から当日の進行までを担当。
今回の事業が2008(平成20)年、2013(同25)年、そして2019年にも横浜市で開かれた「アフリカ開発会議(TICAD=ティカッド)」がきっかけとなり、横浜市の国際交流事業として行われていることなどを、市国際局国際連携課の安達萌絵(もえ)さんが説明します。
続いてギニアから来日したトラオレさんが、まずは国土の広さやアルミニウムの原料となるボーキサイトの生産で重要な役割を果たしていること、フランスの植民地の時代を経て1958年に独立したこと、気候は乾季と雨季があることなど、ギニアについての紹介を詳しく行います。
そして、いよいよ待望の“交流タイム”がスタート。
「日本らしさ」を伝えるというコンセプトから、けん玉や書道、伝統舞踏としてのエイサーやよさこいソーランの動画の披露、竹とんぼといった日本文化を感じられる体験をトラオレさんとともに楽しみます。
最後に、212人の生徒たちによる、日本の観光地とギニアのキャラクターを描いた「ゆるキャラグランプリ」企画も実施、トラオレさんが最優秀賞を選出した後、質疑応答の時間を過ごします。
改めて、トラオレさんからのギニアで採れるもの(ボーキサイト)や、首都名(コナクリ市)についての質問などもあり、改めてギニアについても学びつつ、双方のコミュニケーションをはかっていました。
最後に全員で記念撮影を行い、トラオレさんを見送り、「交流会」は終了。
「アフリカとの一校一国」交流としてスタートしたという横浜市内の小中学校でのアフリカ交流プログラムは、これまでに300回を超えて開催されてきたといいます。
2025年の横浜市でのTICADの開催を目指し行ってきた交流は、「新型コロナ禍」に負けじと行われており、2021年度は15回(港北区は城郷小学校とブルキナファソ、計9か国)、2022年度は15回(篠原中学校、計5か国)、そして今年度(2023年度)は19回(大綱中学校=タンザニアと篠原中学校、計10か国)と増加。
校数・国数も増えて、TICADの開催に向けての機運醸成をしっかりと担っているかに映ります。
「新型コロナ禍といったご時世もあり、海外との交流を(昨年に続いて)続けていきたいと感じていました」と語る、シンガポールでの2年間の教員経験も持つという田後教諭の“熱き想い”もあり、昨年度の開催とは全く異なる内容に仕上げたという今回の「交流会」。
今回の交流会で得た「異文化との出会い」や「アフリカへの夢」が、いつまでも生徒たちの心の中に残り、国際社会の未来の扉を切り開く糧(かて)となるようにと祈りたいものです。
【関連記事】
・50周年迎えた篠原中、元日本代表・大山加奈さんがバレーボール部を特別指導(2022年3月2日)
・創立50周年を諦めない、篠原中がオンラインで記念集会やクイズ企画も(2021年9月30日)
・<新横浜プリンスペペ>8/31(土)午後に「アフリカ体験イベント」(2019年8月29日)
【参考リンク】
・篠原中日記~令和5(2023)年度【2月13日~22日】(同)※「伝統舞踏」の準備についてなど(篠原西小学校(篠原町)からけん玉やエイサーの太鼓を借りたとのこと)
・令和4年度 市内小中学校とアフリカとの交流(国際局国際政策部国際連携課)※昨年度の「ギニア共和国」との交流についても掲載
・令和5年度 市内小中学校とアフリカとの交流(同)※大綱中学校と「タンザニア連合共和国」との交流についても掲載