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学校が誕生してから半世紀。50周年を諦めない――学校に関するクイズ形式での「検定試験」も新登場しました。

篠原中学校が50周年を迎えた創立記念日にオンラインを活用しての「50周年創立記念集会」を開催。分散登校により午前と午後の2回おこなわれた(9月27日)

篠原中学校が50周年を迎えた創立記念日にオンラインを活用しての「50周年創立記念集会」を開催。分散登校により午前と午後の2回おこなわれた(9月27日)

1972(昭和47)年4月に開校した横浜市立篠原中学校(篠原町)は、今週(2021年)9月27日(月)の創立記念日に「50周年創立記念集会」を開催。

新型コロナウイルス感染症対策のための「分散登校」により、午前と午後に分かれて登校したそれぞれのグループの1時間目におこなわれました。

新横浜駅を含むエリアを学区とする篠原中学校の創立記念日は、「校舎建築杭打ちの日」とされる1971(昭和46)年9月27日

この「学校の誕生日」となる日に50周年を祝うためにと、教職員らによる実行委員会が準備を重ねてきたといいます。

コロナ禍で加速した「GIGA(ギガ)スクール構想」により配布されたパソコン端末(クロームブック)を活用し「しの中検定」も行われた

コロナ禍で加速した「GIGA(ギガ)スクール構想」により配布されたパソコン端末(クロームブック)を活用し「しの中検定」も行われた

本来は、「リアル」での式典を予定していたものの、夏休み明けの臨時休校や分散登校の影響もあり、「GIGA(ギガ)スクール構想」の中で生徒たちに配布されているパソコン端末(クロームブック)を使用し、鈴木薫校長や教職員からのメッセージ動画を視聴。

続いて、30問の設問を通じ、学校について知り学ぶことができる「しの中検定」をインターネット上で10分間実施、終了後はネットでの実施の特性を活かして回答結果を、実施直後に集計し、結果の発表を即座におこなっていました。

「篠原中学校50周年」記念動画も配信された

「篠原中学校50周年」記念動画も配信された

2018(平成30)年4月から同校に着任し、今回の企画を実行委員の教職員らとともに作り上げてきた、15代目となる鈴木校長は、「篠原中学校の生徒たちは、とにかく“けなげ”。何を言っても、ピンチの状況の中でも、文句も言わず、出来ないことを悔やむことなく、できることを楽しもうというひたむきさがあります」と、生徒たちの忍耐づよさ、そして“前向きな”姿をたたえます。

今回のイベントで、実行委員長としてその大役を担った津山哲也教諭は、「本来はオンラインでの生中継も視野に入れていたのですが、臨時休校や分散登校といった制約もあり断念。最終的なプログラムの決定や準備は、開催する前週のギリギリまでおこなっていました」と、準備の“想像以上”だったという苦労について語っていました。

「しのはら学校支援地域本部」の活動記録の前で。実行委員長の津山教諭、地域の人から届けられた手作りマップの原画を手にする鈴木校長、地域代表の川島会長(左より)

「しのはら学校支援地域本部」の活動記録の前で。実行委員長の津山教諭、地域の人から届けられた手作りマップの原画を手にする鈴木校長、地域代表の川島会長(左より)

「しの中検定」についても、「当初は、歴史に触れるというテーマで制作したのですが、試作したものがあまりに難しすぎるものになってしまい、より回答しやすい問題に差し替え、また写真も加工して入れるといった工夫も凝らしたのですよ」と、生徒たちがより“楽しみながら”回答できるものを目指したと津山さんは説明します。

「カンニング」も特別にOKだというこの検定の時間は、インターネットで答えを検索するといった、“ネット時代”らしい行動で回答を導く様子もあり、また設問の一つひとつを楽しみながら答える生徒の姿もありました。

コロナ禍が収まれば「地域とのつながりをまた感じられる活動を行いたい」と鈴木校長(中央)

コロナ禍が収まれば「地域とのつながりをまた感じられる活動を行いたい」と鈴木校長(中央)

この日、地域代表として見学参加した篠原地区連合自治会の川島武俊会長は、「このタイミングで大掛かりな式典を開催できなかったのは、非常に残念ですが、“令和の時代”らしい、タブレット・パソコン端末を活用した記念集会を挙行できたことは本当に素晴らしい」とコメント。

本来あるべき姿であるはずの、地域ぐるみでの式典をこの日に開催し「学校をより盛り上げたかった」との思いを川島会長は強く抱きながらも、半世紀を迎えた同中学校の“50回目の誕生日”らしい、コロナ禍に負けないチャレンジをおこなった教職員たちの姿を称えていました。

50周年の記念に撮影した航空写真もデザインされたクリアフォルダや、それぞれの学年のカラーで手提げ袋を彩った、記念ロゴマーク入りの横浜のお菓子も生徒たちにプレゼントされ、“生涯の記念”となる可能性もある記念集会のラストを盛り上げていました。

同校では、2009(平成 21)年に港北区内の中学校では初となる学校・地域コーディネーターが着任。

生徒たちに配られた記念のクリアファイルとお菓子を手にする川島会長

生徒たちに配られた記念のクリアファイルとお菓子を手にする川島会長

以降、地域住民の学校支援ボランティアをつなぐ「しのはら学校支援地域本部」が活動するなど、“地域と学校がつながる”取り組みが長年にわたりおこなわれてきました。

「文化祭」として行ってきた学校行事も、2005(平成17)年からは「フェスタしのはら」として地域に開放し、市民とともにイベントをおこなうスタイルに変更されたものの、「コロナ禍により、地域への開放は積極的に行うことができませんが、今年も実施します」(鈴木校長)と、50周年イベントの一環としてのフェスタも、来月10月19日(火)に予定しているとのこと。

今回、挙行できなかった“リアル開催”となる「式典」も、来年(2022年)2月にはおこなう方向で準備をすすめていくといい、同校の歴史、そしてこれまでの歩みを祝す“地域ぐるみ”での祝賀行事が、コロナに負けず無事おこなわれるようにと祈るばかりです。

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【参考リンク】

横浜市立篠原中学校公式サイト

篠原中日記~令和3(2021)年度【9月17日~10月1日】(同)※50周年記念集会について、リンク追記

学校紹介・沿革~学校のあゆみ(同)

しのはら学校支援地域本部(同)