「スマホ」の乗っ取りもあるという詐欺の対処法を、卒業を待つ地元中学生に伝授しました。
新横浜1丁目に本社を置く株式会社マクニカ(原一将社長)は、先週(2022年)3月2日午前、横浜市立篠原中学校(篠原町、鈴木薫校長)で、卒業を控えた3年生約210名と教職員を対象とした、初となる「スミッシング安全講習」を開催。
半導体やネットワーク関連機器の事業を柱とする技術商社として知られる同社は、法人などに向けたインターネット上でのセキュリティ対策を事業としておこなってきましたが、スマホを狙った詐欺の被害を若年層が受けるケースが増加していることから、情報教育義務化にともなうセキュリティ教育の一環として、その危険性を伝えるための特別授業を初めて企画したといいます。
本来は体育館などでの集合形式で開催される予定でしたが、新型コロナウイルス感染症対策の「まん延防止措置」がおこなわれていることから、約32分17秒のYouTube(ユーチューブ)動画「STOPスミッシング!SMSで届く詐欺URLにご注意を」を制作、今回初めて披露することに。
番組では、同社DXコンサルティング室の鈴木沙歩子さんがファシリテーター役として登場。
「サイバー侍」こと鈴木一実さん、「博士」こと丸山一郎さん、スペシャルゲストでフィッシング詐欺ハンターとして詐欺撲滅の業務に従事しているという「にゃんたく」さんの3人とトークを展開し、中学生にもわかりやすいようにと制作したスライド画面を交えて解説していました。
フィッシング(Phishing)や、SMS(ショートメッセージサービス)を使用しスマホ乗っ取りを試みる「スミッシング」(SMSとフィッシングを合わせた意味)の手口としてホームページアドレス(URL)が送られてくること、また、誤ってURLをクリックし、個人情報などを入力してしまうことで、知らぬ間にスマホを乗っ取られてしまう恐ろしさについても説明。
そのURLを「クリックしない」、「個人情報を入れない」といった対処法を徹底してほしいと呼び掛けていました。
各クラスのテレビをオンラインでつなぎ、動画番組の放送前には図書室、後には放送室からの生中継やクイズの時間も交え、特別授業を終了。
参加した生徒からは、「最近スマホを買ったばかり。フィッシングやスミッシングの対策をどうすればいいか分からなかった。送られてきたURLはむやみに押さないようにしたい」という声や、「実際にメールが送られてきたことがあったので、こういうことなんだということがわかった。個人情報を入れてくださいという詐欺に気を付けたい」といった感想があがっていました。
今回制作された動画は、「マクニカネットワークスカンパニー」のYouTubeチャンネルでも現在公開中です。
総務省の「我が国における青少年のインターネット利用に係るフィルタリングに関する調査」(2021年4月)によれば、スマートフォン(スマホ)の利用率は中学生で約70~80パーセント、高校生では約90パーセントにも上っています。
また、今年4月から、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられることも、今回の講習を企画した一因とのこと。
さらに、NTTドコモの資料(スミッシング対策ワークショップ)によると、フィッシングSMSの認知度が20~40代の女性で60.4パーセントと特に低くなっているとのことで、「広く親世代にも(今回の)内容を伝えてもらえれば」(鈴木沙歩子さん)と、スマホを使った詐欺撲滅への情報共有を広く呼び掛けています。
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【参考リンク】
・STOPスミッシング!SMSで届く詐欺URLにご注意を(マクニカネットワークス カンパニー)※YouTube動画
・篠原中日記 【2月28日~3月4日】(横浜市立篠原中学校)※当日の様子を掲載
・セキュリティ事業(株式会社マクニカ)※3月18日に「神奈川サイバーセキュリティフォーラム2022春」の開催も
・社会貢献活動(株式会社マクニカ)