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中学校の創立50周年を、オリンピック元日本代表による部活動指導で祝います。

篠原中学校の50周年を記念し女子バレーボール部の特別指導をおこなったアテネオリンピック元日本代表の大山加奈さん

篠原中学校の50周年を記念し女子バレーボール部の特別指導をおこなったアテネオリンピック元日本代表の大山加奈さん

1972(昭和47)年4月に開校した横浜市立篠原中学校(篠原町)は、先月(2022年)2月18日(金)午前の授業時間内に、「創立50周年記念行事」を学内放送で開催。

午後には、2004年ギリシャの首都アテネで開催された「アテネオリンピック(五輪)」に出場したバレーボール女子の元日本代表・大山加奈さんを招き、創立50周年を記念した女子バレーボール部での「特別指導」をおこないました。

大山加奈さんは二児の母。子育てをしながら講演活動やバレーボール教室、メディア出演などをおこなっている

大山加奈さんは二児の母。子育てをしながら講演活動やバレーボール教室、メディア出演などをおこなっている

大山さんの来校は、横浜市が2017(平成29)年度からおこなってきたオリンピック・パラリンピック出場経験者を市立小学校や中学校、特別支援学校に招へいする「学校訪問事業」の一環としておこなわれたもの。

“いつもの”部活動がおこなわれている体育館で、鈴木薫校長が「日本を代表する選手だった」大山さんについて紹介した後、大山さんが登場すると、円陣を組んでいた1年生から3年生まで約30人のバレーボール部員から大きな拍手が。

日本代表レベルでもおこなわれているという、これまでになかったトレーニング方法を伝授

日本代表レベルでもおこなわれているという、これまでになかったトレーニング方法を伝授

大きくてびっくりしたでしょ。優しいから大丈夫です」と身長が187センチメートルあることについても笑顔で語る大山さん。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で思う存分バレーボールを“思う存分”楽しむことができなかった部員たちを思いやりながら、「バレーボールの楽しさ、面白さを感じられるような一日にしたい」とあいさつ。

その言葉通り、約1時間30分にも及ぶ部活動の時間で、「これまで行ったことがなかった」と部員たちも語る大山さんによるボールを使用したトレーニングや、試合形式も交えた指導もおこなわれていました。

2つのボールを使用しての試合形式での「練習」もおこなわれた

2つのボールを使用しての試合形式での「練習」もおこなわれた

特に強調していたのが「目を使うこと」の大切さ。「よく見ることで、ボールが飛んでくる方向を予測することができる」ということや、ボールが放たれるまで「じっと」構えることの大切さについても部員たちに“実感できる”トレーニング手法を交えながら解説していました。

最後の質疑応答では、「緊張のほぐし方を教えてください」という質問に対して大山さんは「緊張するということはそれだけの想いをもって試合に臨んでいるということ。勝ちたい、頑張りたいと思うから緊張する。緊張しなければ良いプレーはできない」と、“緊張してて大丈夫。緊張を味方に”と回答。

質疑応答の時間も、分かりやすく、また優しく部員たちの質問に答えていた

質疑応答の時間も、分かりやすく、また優しく部員たちの質問に答えていた

また、「団結力を高めるにはどうしたらよいか」という質問には、「例えば、3年生と1年生は試合に対する思いでも温度差があると思うが、それを埋めるためには“会話”が大切」と、話せる環境をつくり、相手を思い伝えることの大切さについて熱く語っていました。

今回の特別指導に向け準備をしてきた顧問の津山哲也教諭植田裕二教諭、そして木下治子教諭も「生徒たちと事前に大山さんが出演していたバレーボール指導番組を見てきましたが、こんなに素敵な方が来校くださり、指導をしてくれて本当にうれしい」(木下教諭)と、“テレビの通り”(津山教諭)だという大山さんの指導に終始感激した表情で対応。

最後に花束を贈呈。記念撮影のひとときも

最後に花束を贈呈。記念撮影のひとときも

生徒たちも「これまでになかった新しい練習方法」、「分かりやすく、とても楽しかった」と、オリンピック選手が間近でバレーボールの楽しさや技術の向上にもつながる秘訣を教えてくれたことに感謝の笑顔を浮かべていました。

鈴木校長は、「メディアなどでも報じられている大山さんの人柄が伝わってきた指導の時間は、子どもたちにとって大きなプレゼントになったのではないか」と、今回の授業の成果に大きな手応えを感じているかのようでした。

鈴木校長にサインとサインボールの「置き土産」を残してくれた大山加奈さん

鈴木校長にサインとサインボールの「置き土産」を残してくれた大山加奈さん

現在、双子の女児の子育てもおこないながら、講演活動やバレーボール教室、メディア出演など活躍をする大山さんの来校は、同校の歴史に新たな足跡を刻むばかりでなく、同校にかかわる一人ひとりに「大きな置き土産」としてのプレゼントを残す出来事だったといえそうです。

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【参考リンク】

横浜市立篠原中学校公式サイト

篠原中日記【2月7日~18日】(同)※50周年記念行事や特別授業の当日の様子も

大山 加奈~Kana Oyama(株式会社 RIGHTS.)※所属事務所によるプロフィール