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“新型コロナ禍”を乗り越えた大倉山の小学校で、地域・保護者ぐるみでの「子どもたちの対外交流」が復活しています。

大倉山アソカ幼稚園の園児を招いた1年生児童による「ねんちょうさん ハッピーわくわくのかい」を体育館と教室で開催した(1月27日)

大倉山アソカ幼稚園の園児を招いた1年生児童による「ねんちょうさん ハッピーわくわくのかい」を体育館と教室で開催した(1月27日)

横浜市立太尾小学校(大倉山7)では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け実施できなかった2つのチャレンジを再開。

1年生児童が保育園や幼稚園の子どもたちを学校で迎える「交流会」と、2年生が地域の店や施設を訪問・見学する「まちたんけん」の取り組みが、先月(2023年)1月27日(金)から再びスタートしています。

いずれも「生活科」の授業として実施しているもの。

初日となる27日には、大倉山アソカ幼稚園(大倉山2)から来校した約50人の園児と教職員を、4クラス約120人の児童が「ねんちょうさん ハッピーわくわくのかい」と名付けたイベントとして企画。

「ランドセル」を背負う体験も1年生たちがサポート

「ランドセル」を背負う体験も1年生たちがサポート

体育館教室での約1時間にわたる交流の時間を過ごしていました。

今回の交流の復活について、児童支援専任の福原亮教諭は、「子どもどうしが会うことが貴重な経験。園児が4月から安心して入学できる環境づくりとして、各園と小学校の連携やこういった取り組みをより大切にしていきたい」と力を込めて語ります。

今回、園児を教諭2人とともに引率し来校した同園の小林銀子副園長は、「待ち望んでいた交流再開が実現できて嬉しい。年長の子どもたちが、小学校をイメージできる貴重な機会になると思います」と園児たちの姿をあたたかな眼差しで見守っていました。

園児たちが「お兄ちゃん・お姉ちゃん」たちと交流する時間を楽しんでいた

園児たちが「お兄ちゃん・お姉ちゃん」たちと交流する時間を楽しんでいた

3年ぶりの交流再開スタートを見届けていた館雅之校長は、「これからの子どもたちにとって、異なる世代や環境の人々と接する機会が増えることから、こういった交流の場での『緊張感』といったものは大切だと感じます」と、今回の取り組み再開が、これから先に子どもたちを待ち受ける“様々な人々との出会い”に役立つきっかけとなればと、その想いを語っていました。

園児との「交流会」は、1月31日、2月1日と7日にも午前中に近隣の保育園児を各2園ずつ招きおこなったとのことです。

保護者の“地域を知り学ぶ”、2年生の「まちたんけん」復活

保護者や地域ボランティアに見守られながら2年生児童が「まちたんけん」へ

保護者や地域ボランティアに見守られながら2年生児童が「まちたんけん」へ

太尾小学校では、2年生を対象とした生活科の「まちたんけん」も、1月27日に“3年ぶり”に復活。

約20人の保護者地域のボランティアが協力し、地下鉄ブルーライン新羽駅や飲食店、小売店やスーパー、薬局や歯科医院など17カ所をグループ毎に分かれて訪問。

インタビューをおこない、店や施設側からの「声」をリアルに聞くことでの“地域での学び”を深めていました。

グループごとに分かれて「まち」へいざ出発

グループごとに分かれて「まち」へいざ出発

「まちたんけん」の復活について、「保護者の関心が非常に高く、嬉しく思いました」と館校長。

保護者や地域ボランティアの随行や見守りについても感謝しているといい、「大人も、子どもとともに地域のことを知る機会となれば」と、子どもの学びの中で、大人も地域を理解をしていくことが大切であり、「これは公立学校でできる一つの地域貢献であると考えています」と、その意義についても力強く説明します。

「皆さんは、学校を代表して訪問先に出向くことを忘れずに、楽しんできてください」と担任たちにも見送られ、グループごとに各施設や店舗を訪問。

大倉山アソカ幼稚園前の「御菓子司 わかば」(大倉山3)をたんけん

大倉山アソカ幼稚園前の「御菓子司 わかば」(大倉山3)をたんけん

到着した先では、店舗への質問をおこないながら、熱心にメモを取る児童の姿、またそれに応えようと、真剣なまなざしの中、時に笑顔で児童や保護者らに向き合う訪問先の人々の姿も見られていました。

同行した保護者が参加した理由は、「こどもたちがどういったところに興味をもっているのか、地域のお店の方がどういった思いで仕事をされているのか聞いてみたかった」というものや、「楽しそうだったから」、「子どもの姿がみたくて」といったもの、「子どもに来てくれといわれた」との声も。

「桜餅の葉はどこから持って来て(仕入れて)いるのですか」との質問に「静岡県の伊豆から」との回答も。子どもたちは熱心にメモを取りつつインタビューを実施。お店側の気配りもあり笑顔あふれる取材となっていた

「桜餅の葉はどこから持って来て(仕入れて)いるのですか」との質問に「静岡県の伊豆から」との回答も。子どもたちは熱心にメモを取りつつインタビューを実施。お店側の気配りもあり笑顔あふれる取材となっていた

親と子どもの思っていることがどのように違うのかも知りたかった」という声もあり、これまで“コロナ禍”でなかなか児童との交流機会を得られなかった保護者側にとっても大きなメリットとなる時間を、子どもたちとともに過ごすことができたようです。

これまでも防災訓練やふるさと祭り、マーチングバンドといった「地域ぐるみ」での取り組みが目立つ同小学校での本格的な「地域交流」授業の再開は、多く近隣の学校・園や、地域の人々にも勇気を与える貴重なニュースの一つとなりそうです。

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【参考リンク】

横浜市立太尾小学校のサイト