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大倉精神文化研究所が所蔵する貴重な古地図沿線案内を通じ、港北区周辺が歩んできた昭和の姿を振り返ってみませんか。

大倉山記念館(大倉山駅徒歩7分)できのう(2023年)8月2日から始まった資料展「地図で見る!知る!楽しむ!わがまち港北」(大倉精神文化研究所など主催)では港北区に関係する古地図など93点が展示され、地図で地域と歴史を学べる内容となっています。

今回の資料展は87枚のパネルが展示されている(8月3日撮影)

今回の資料展は、大倉精神文化研究所が長年かけて集めたり、地域から寄贈を受けたりした地図類のなかからめずらしいものやユニークなものまでを厳選して公開。

かつて現在の緑区や青葉区、都筑区を含んでいた旧港北区が今の形に変わっていくまでの変遷を各時代の地図でたどれるようにするとともに、区内の一部でしか流通していない特殊な地図も展示されています。

あまり目に触れる機会のない「地図」も含め、研究所が所蔵するさまざまな地図が公開された。右は平井誠二研究所長(8月3日撮影)

たとえば、2006(平成18)年に区民グループの手によって発行された「港北区歴史地名ガイドマップ」は、今では住居表示から消えてしまった185におよぶ地名(字=あざ)を現在の地図上に落とし込んだもの。自分の住むエリアにどのような字名が付いていたのかを知ることができるユニークな地図ですが、今では入手が困難となっており、ぜひ見ておきたいところ。

また、住居表示の変更が行われた地域の住民のみに配られる「新旧対称案内図」もめずらしく、今回は太尾町から大倉山に変わった際のものが展示されています。

大正末期から戦前の東横線を紹介した「沿線案内」も多数公開

今回の目玉といえるのが東横線沿線の路線図とともにイラストなどで名所・旧跡の紹介を盛り込んだ「沿線案内」の展示で、東急電鉄の前身企業(東京横浜電鉄など)が乗客に配布していたとみられる案内図から80年ほど前の日吉や綱島、大倉山、菊名、妙蓮寺など各駅の姿を垣間見ることができます。

大倉精神文化研究所では、寄贈を受けるなどして大正末期から戦前にかけての沿線案内を多数所蔵していることから、2年ほど前に同研究所非常勤研究員の吉田舞衣さんが中心となって研究活動を開始。

書籍などと違っていつ発行されたのかが不明な点が多い沿線案内の発行年代を特定するとともに、各年代に描かれた内容を細かに分析し、論考(レポート)として今年3月に同研究所が発行した論文集「大倉山論集」にも掲載され、PDFでも公開されています。

沿線案内に掲載されている当時の写真や解説文も興味深い(8月3日撮影)

資料展ではこれまでの研究成果を踏まえた解説文とともに沿線案内の原盤を展示し、沿線の見どころや運賃表などが掲載された裏面の解説部分もあわせて掲示。

戦前の首都圏で港北区内の各駅におけるアピールポイントや注目のスポットはどこだったのかを知ることに加え、綱島温泉(現綱島)や太尾(現大倉山)、妙蓮寺前(現妙蓮寺)など今は見られない駅名の変遷も楽しめます。

なお、今回の資料展は、夏休み中の小・中学生らにも楽しんでほしいとの考えから、解説文にすべてふりがなが振られているのも特徴で、戦前の沿線案内に描かれている「大倉山記念館」のイラストの変化を探してみよう、といった見せ方も取り入れました。

資料展「地図で見る!知る!楽しむ!わがまち港北」は8月27日(日)までの10時から17時まで開催中(8月14日のみ休館)

また、出入口のロビーには沿線案内の複製品が置かれ、手に取って眺められるようになっています。

資料展「地図で見る!知る!楽しむ!わがまち港北」は、大倉山記念館2階の「ギャラリー」8月27日(日)までの毎日10時から17時まで開催(14日のみ休館)しており、入場は無料です。

)この記事は「新横浜新聞~しんよこ新聞」「横浜日吉新聞」の一部共通記事です

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【参考リンク】

大倉精神文化研究所「2023年オープンギャラリー/地図で見る!知る!楽しむ!わがまち港北」(大倉山記念館ギャラリーで2023年8月2日~27日開催)

2023年3月刊行「大倉山論集」第69輯のPDF版公開ページ(吉田舞衣「東急東横線の「沿線案内」」のPDF版には資料展では公開されていない沿線案内の紹介と解説も掲載)

大倉山記念館へのアクセス(大倉山駅から徒歩約7分)