これから予定される菊名小学校(菊名5)の校舎建て替えに向け、市民意見の募集が始まりました。
横浜市教育委員会は、菊名小など市内6小学校で今後行う建替事業について、公共事業評価制度による「事前評価調書」を公表するとともに、今月(2022年)2月28日(月)まで意見募集を実施しています。
事前評価調書によると、菊名小は1968(昭和43)年に建てられた校舎など、平均の築年数が47.8年。老朽化対策として6年後の2028年までに約47.9億円をかけて、体育館(築34年)とプール(同)を除き、3棟ある校舎(3~4階建て)と給食棟の全面建て替えを行う方針です。
新たな校舎は、3階建ての建物1棟にまとめたうえで正門付近まで拡張。現在の総面積約6800平方メートルが約8600平方メートルまで1.3倍ほど広がり、教室をはじめ、放課後キッズクラブ室や地域交流室といった各種部屋の増強が可能となります。
加えて、運動場側の校舎は撤去するため、運動場が現在の約3900平方メートルから約4570平方メートルまで拡がるといいます。
現時点では、来年(2023年)までに設計を終え、2024年から約5年かけて現在の校舎解体と新校舎の建設を並行して進め、2028年に供用を開始する計画です。
横浜市では1981(昭和56)年以前に建てられた市内の小学校274校(うち港北区内23校)と中学校111校(同8校)の計385校(同31校)の校舎を順次建て替える方針を2017(平成29)年に決めており、港北区内の対象31校では菊名小が最初に建て替え対象に選ばれていました。
菊名小は今から70年前の1951(昭和26)年、当時児童数が多く二部制で授業を行っていた大綱小学校から独立する形で、旧綱島街道に近い菊名5丁目の丘の上に開校。
菊名周辺の住民が学校新設のために幾度も陳情して、募金を集めたり、開校時には私有地を手当てし、整地作業も担ったという記録が残されています。
開校から16年後の1967(昭和42)年に木造2階建ての校舎が火災で全焼したため、現在の校舎は翌年に建てられたものだといいます。
通学区域は菊名4・5・6丁目と隣接する鶴見区上の宮1・2丁目の全域と、菊名3・7丁目、篠原北1・2丁目、錦が丘、大豆戸町、鶴見区馬場7丁目のそれぞれ一部が対象。今年(2022年)5月現在の児童数は923人で、区内小学校では師岡小(師岡町、1187人)に次ぐ規模となっています。
【関連記事】
・昭和56年以前築の小中学校は建て替え方針、篠原小や菊名小などは先行対象か(2017年2月18日)
・日本全国から熱視線の「車いすバスケ」古澤選手、“銀メダル”感謝会と区民表彰式(2021年10月18日、パラリンピックで活躍した古澤選手は菊名小の出身)
【参考リンク】
・学校施設の建替事業に対するご意見をお寄せください(横浜市教育委員会、2022年2月28日まで受付中)
・菊名小学校の公式サイト(菊名5丁目)