新横浜・菊名・大倉山・新羽など港北区南部の地域情報サイト
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テニスをより親しみやすく小学生に――“テニス”を簡単にした新競技、横浜初の「テニピン」講習会が菊名小学校で行われました。

テニスを小学生でも楽しめる新スポーツ「テニピン」が誕生

テニスを小学生でも楽しめる新スポーツ「テニピン」が誕生

港北区の小学校教諭により構成されている「港北区小学校体育研究会」は、慶應義塾大学体育会テニス部(庭球部)および公益財団法人日本テニス協会(東京都新宿区)と連携。

先週(2020年)11月11日午後に横浜市立菊名小学校(菊名5)の体育館で、“テニス”を簡単にした新競技「テニピン」の講習会を、区内で勤務する教員向けに約1時間にわたり開催しました。

今年度(2020年度)からスタートした小学校の「新学習指導要領 解説体育編」では、「バドミントンやテニスを基にした易(やさ)しいゲーム」について、小学校の中学年(3、4年生)と高学年(5、6年生)に新たに例示。

菊名小学校の体育館で「港北区小学校体育研究会」の講習会が行われた

菊名小学校の体育館で「港北区小学校体育研究会」の講習会が行われた

毎年、日吉で行われている恒例の国際テニス大会「横浜慶應チャレンジャー」を、昨年(2019年)から横浜市が後援、港北区が慶應テニス部と連携していることから、同部の監督で、日本テニス協会の理事を務める坂井利彰さんから「テニピン」についての情報が港北区役所(大豆戸町)に寄せられ、今回の研修が実現に至ったものです。

今回、講師として登壇したのは、「テニピン」の考案者で、東京学芸大学小金井小学校(東京都小金井市)教諭の今井茂樹さん

区内公立小学校の全26校から1人ずつの教員が集まり講習会がスタート。慶應義塾大学や日本テニス協会との「つなぎ役」となった港北区区政推進課の担当者も来訪していた

区内公立小学校の全26校から1人ずつの教員が集まり講習会がスタート。慶應義塾大学や日本テニス協会との「つなぎ役」となった港北区区政推進課の担当者も来訪していた

同体育研究会では、現在、菊名小学校に在勤している教諭の佐藤学さんが「部長」を務めていることから、今回同小学校でこの講習会を開催、感染症対策のため、区内公立小学校の全26校から1人ずつと役員のみが集うという形式で講習会をスタート。同テニス部の学生6名がサポートとして加わり、一人ひとりに「テニピン」の楽しさをレクチャーしていました。

これまでの「テニス型」のスポーツは、場所の確保や用具操作の難しさ、安全面の問題もあり、学校の授業内での導入は難しいとされてきましたが、個人が必ずボールに触れてゲームに参加でき、得点する機会も増え、他のボールゲームにはない“個人が輝ける”良さがあるところがメリットといわれています。

「テニピン」考案者で東京学芸大学小金井小教諭の今井さんが講師を務めた。道具は、「手作り段ボールラケット」や「ハンドラケット」を操作し行う

「テニピン」考案者で東京学芸大学小金井小教諭の今井さんが講師を務めた。道具は、「手作り段ボールラケット」や「ハンドラケット」を操作し行う

講師の今井さんも、「テニスの原型は手の平でボールを打ち合うゲームでしたので、その原型に戻った感じです」と、テニピンの“源流”についての説明を分かりやすく行っていました。

「テニピン」では、「易しさ」を追求して用具とルールをアレンジした「テニス型のスポーツ」として開発されており、バトミントンとほぼ同じ大きさのコートで行うことができることから、同小学校の体育館では、ほぼ4面のゾーンを確保。

道具は、「手作り段ボールラケット」「ハンドラケット」を操作し、ネットを挟んでスポンジボールを打ち合うという、ルールがシンプルなスポーツとして楽しめるというところがポイントとなっています。

一般的に、小学校体育における「ボールゲーム」の授業では、運動能力が比較的高い子どもがボールを独占する、ゲーム中一度もボールに触れられない子どもがいるといった課題も上がっているとのことから、全ての児童が授業に満足しているとはいえない状況も見られるといいます。

「コロナ禍」の中では、人との接触が少ないことがメリット。また授業としては“誰でも”ボールを打つことができるという点で一人ひとりの「個」の満足度も上がるという

「コロナ禍」の中では、人との接触が少ないことがメリット。また授業としては“誰でも”ボールを打つことができるという点で一人ひとりの「個」の満足度も上がるという

特に「新型コロナ禍」においては、身体の接触が少なく、ソーシャルディスタンスも確保され、小さなコートを前後左右に動き回ることで運動量も確保できることも大きなメリットの一つとのこと。

今井さんの指導のもと、慶應テニス部のリーダーとして参加した丸山優佑さんは、「今春に予定されていた横浜慶應チャレンジャーでは、男子の部が中止、女子大会で実施予定だった『テニピン』も中止となってしまいました。コロナ禍の中、何か自分たちに出来ないかと地域に密着した活動の一環として、今後も地域でテニピンの普及に努めたい」とあいさつ。

同部マネージャーの一木理乃さんも、「小学生でも簡単に楽しく、すぐに出来るようになるのでもっと広めていきたい」との想いを熱く語ってくれました。

慶應テニス部とのコラボきっかけに普及や「授業」の実現なるか

慶應テニス部のリーダーとして参加した丸山さんとマネージャーの一木さん

慶應テニス部のリーダーとして参加した丸山さんとマネージャーの一木さん

同研究会の役員を務める横浜市立下田小学校(下田町4)校長の宮本仁志さんは、「日頃から慶應下田グラウンドを拠点とする体育会学生とのコラボレーションには感謝しています。コロナ禍の中、『テニピン』には子どもたちの可能性が試せると感じました。全く新しいスポーツであり、今日の講習を機にその面白さを多くの人に伝えていくことができれば」と、これからの抱負についても語っていました。

「ウィズ(with)コロナ時代」の新スポーツ「テニピン」は、小学生のみならず、幼児や大人、高齢者でも楽しめる要素を持っており、一般の人々にとっても運動不足解消や地域でのコミュニティづくりといった新しい概念で楽しめるスポーツとして、プロテニスプレーヤーの錦織圭さんや、日本テニス協会理事で強化副本部長の松岡修造さんも普及活動に力を入れているといいます。

慶應の学生たちと地域とのコラボレーションにも今後期待したい

慶應の学生たちと地域とのコラボレーションにも今後期待したい

なお、港北区では、港北区体育協会(嶋村公会長)と慶應義塾大学体育会ラグビー部(蹴球部)、港北区の三者が、ラグビーワールドカップ2019(W杯)の開催により協力、同部の部員が2017(平成29)年度から昨年度(2019年度)まで、区内の小学校に出向く「特別授業」も行っていました。

“「個」がより輝くスポーツ”だという「テニピン」が、コロナ禍を通じて、区内小学校の授業として正式に採用されていくのか。「テニスをより身近なスポーツにしたい」との想いを抱くテニス業界の関係者、そして学生たちの情熱が、新しい授業としての採用を後押ししていくのかにも大きな注目が集まっていきそうです。

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五輪選考でも注目の国際テニス大会、慶應日吉に横浜市民1200人を観戦招待(横浜日吉新聞、2020年2月21日)※男子大会は中止、女子は縮小・無観客での開催となった「横浜慶應チャレンジャー2020」についての記事

ラグビーをブームで終わらせない、慶應生が小学生に楽しさ伝える出張授業(横浜日吉新聞、2019年11月6日)

【参考リンク】

公益財団法人日本テニス協会のサイト ※「テニピン」のPRページも

慶應義塾体育会庭球部(テニス部)公式サイト