警察、消防など行政が90人体制で、夜の新横浜の繁華街を巡回しました。来年行われるラグビーW杯(ラグビーワールドカップ2019)や、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックを見据え、新横浜駅周辺の繁華街で、先週(2018年11月)21日の夜に無通告での夜間合同査察が行われました。
当日は、神奈川県警察本部や港北警察署から25人、横浜市消防局や港北消防(篠原・小机など含む)から46人、横浜市や港北区役所から19人 の90人が集結。港北警察署内での“出陣式”の後、それぞれ7つの班に分かれ、建物や店舗内外での査察を実施しました。
今回の査察対象となったのは、新横浜2丁目と3丁目エリアの計35ビル、風俗営業店などの23店舗を含む計128店舗。
ビルや店舗内に“事前通告”なく立ち入り、風営法や道路交通法、消防法や建築基準法、食品衛生法などの各種法令に基づいた指導や警告を、約3時間かけて行いました。
特に違反が目立ったのが消防法違反で、避難通路の避難障害(避難を妨げるもの)や、避難器具の維持管理不備などにより、96件が是正指導を受ける結果に。
そのほか、道路上の看板(路上看板)設置などへの是正指導は35件、客引き行為者への声掛けへの指導警告が30件、排煙設置の不備や、防火戸閉鎖障害など建築基準法違反が20件、食品衛生法での立入による啓発指導が17件、風営法違反での指示処分予定が3店舗3件(従業者名簿不備2件、許可証掲示義務違反1件)。違反への警告や、啓発を含む指導件数はあわせて201件に上る結果となりました。
特に横浜市建築局では、今年(2018年)7月から、火災時に火や煙の伝播(でんぱ)を最小限に留め、避難経路を確保する役割がある“命を守る”ための「防火戸」の適切な維持管理を周知する「防火戸ピクトグラム」(ピクトグラムは絵文字の意)を作成、今回の査察でも、建築基準法に基づく指摘を行いながら、ステッカーの配布・防火戸への貼付も行いました。
神奈川県警と横浜市による夜間一斉合同査察は、2013年2月から「都市部」の繁華街で行われており、今回で23回目。新横浜では3回目の実施となりましたが、事前通告がない“抜き打ち”での査察ということもあり、驚きの表情を見せるビルや店舗の運営者も。
港北警察の担当者も、「新横浜でのいわゆる“客引き”はかなり多く、頻繁ではないが苦情が警察に寄せられるエリア」と指摘。来たるラグビーW杯や、オリンピック・パラリンピックに向けての「安心・安全なまちづくり」の必要が叫ばれているだけに、これからも警察・消防そして行政の枠組みを越えた違反・防災などの査察の意義は、より一層高まっていくと言えそうです。
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【参考リンク】
・命を守る「防火戸」に気づいてもらうため防火戸ピクトグラムを作成し、市庁舎・区庁舎等で運用を開始します(記者発表資料~平成30年7月18日・横浜市建築局違反対策課)