路上に置かれる「看板」や迷惑な「客引き」は、指導・啓発の効果で減少していくのでしょうか。
今月(2022年)11月10日(木)の夜、神奈川県警察本部と港北警察署、横浜市や消防局など県や市、港北区の11の関係部局は、新横浜2丁目、同3丁目周辺の新横浜駅前地区で「夜間合同査察」を実施。
査察を実施した風俗営業店11店舗を含む合計79店舗、124件が違反関係となるなど、数多くの査察ポイントでの啓発や指導が必要な状況であることがわかりました。
今回査察を実施したのは、警察、消防のほか、、市建築局や市民局、健康福祉局や道路局、都市整備局や港北土木事務所、港北区役所などの計72人。
港北警察署(大豆戸町)で「出発式」や事前打ち合わせをおこなった後、9つの班に分かれて、建物や店舗内外での啓発・指導をおこないました。
査察の結果、警察では風俗営業法による名簿不備、許可証掲示義務の違反8件について指示処分予定に。
消防関連では、避難通路を確保できない「避難障害」や、避難器具の維持管理の不備といった消防法についての56件が対象となり、うち1件は命令をともなう結果となりました。
道路法と道路交通法による看板指導は42件(面接指導38件、貼付指導4件)、道路の不法占有といった事案についても指摘をおこなったほか、放置自転車は18台にも上ったとのことです。
また、多く苦情が寄せられているという「客引き行為者」への声掛けが11件あったほか、市健康福祉局による受動喫煙や消防による火災予防、区生活衛生課による食中毒予防、区地域振興課によるたばこポイ捨て防止啓発の声掛けやごみ拾いも実施。
啓発、違反や指導の件数が171件を数えた東京2020オリンピック開催を控えた2021年7月の「夜間合同啓発指導」実施時に比べると、全般的に件数そのものは減少傾向にあるかに見えます。
今回の査察では、「看板」は24件増(前回は計18件)と激増、「客引き行為者」への指導は4件増(同、計7件)となっている点においても、新型コロナ禍にあえぐ店舗の“苦肉の策”としてのそれらの行為を減らすため、今後どのような注意喚起をおこなっていくのかの具体的な対策が必要になってきているといえそうです。
新横浜の街の「治安」をよくすること、そのための査察に向かう一人ひとりの「使命感」。
神奈川県警では、県内の主要駅周辺11地区を「歓楽街総合対策」の推進重点地区に指定、新横浜もそのうちの1つとなっています。
「誰もが安心して訪れることができる健全で魅力あふれるまちづくりを目指していきます」と、今回の査察の実施目的について改めて言及、これからも新型コロナ対策を徹底した上で、関係行政機関と連携した合同査察を推進していくとのことです。
“安心・安全”につながる「合同査察」が効果を発揮
今回の「合同査察」に先立ちおこなわれた「出発式」で、神奈川県警生活安全総務課の吉田貴仁警部は、「誰もが安心して暮らせて誰もが安心して訪れることができる横浜市をつくる上で、合同査察が大きな役割を果たしている」と説明。
県内の主要な繁華街や歓楽街において、警察と関係機関が連携し、専門的な知識を集結させた多角的な視点から店舗などの問題点を把握、指導や是正を実施する「合同査察」をおこなう意義を力強く語ります。
また、横浜市消防局予防部の間正勝司指導課長は、「大阪で大きなビル火災が発生してから、1年近く経ちました。避難階段の維持管理、煙や火をしっかりと防ぐ防火戸など、重点的に確認・指導をおこないたい」と、秋の全国火災予防運動中(11月9~15日)での実施であったこと、オフィスビルが多い新横浜ならではのチェックポイントや目標についても説明していました。
市都市整備局の遠藤信義地域再生まちづくり担当課長も、「合同査察は、回を重ねるごとに、皆さん一人ひとりの取り組みが確実に安心・安全な地域まちづくりにつながっている」と査察をおこなうメンバーを激励。
合同査察を受けた側の店舗などは、驚きと戸惑いの表情をまずは浮かべるものの、その後は冷静に話を聞き対応する姿が見られていました。
併せ実施された区地域振興課による「清掃活動」で拾ったゴミの量も目立つ状況となっており、小さなポイ捨てから、ビル避難通路の確保、飲食店や風俗営業の路上看板や客引きといった部分まで、一人ひとりの住民や来街者それぞれが法律やルール、マナーを守るという意識を強く持つこともより大切になってきているといえそうです。
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【参考リンク】
・歓楽街総合対策-健全で魅力あふれるまちづくりに向けて(神奈川県警察本部のサイト)