暴力団や反社会的勢力には「恐れない」「協力しない」決意で対応を――JR新横浜駅直結の駅ビル「新横浜中央ビル」(新横浜2)を運営する新横浜ステーション開発株式会社(同)内に事務局を置く「新横浜中央ビル暴力団等排除連絡会」は、昨日(2018年)に第11回目となる総会を開催。同駅を利用する暴力団や反社会的勢力に屈しない姿勢を共有、継続しての対策を行う決意を表明しました。
来月(3月)でオープンから10周年を迎える同駅ビルでは、2008年の開業時から同連絡会を設置。入居テナントごとに「暴力団等の排除活動」についての責任者選任を行い、公益財団法人神奈川県暴力追放推進センター(中区)主催の「不当要求防止責任者講習」の受講を促(うなが)すなど、継続しての暴力団や反社会的勢力の排除への取り組みを行ってきました。
この日の総会では、77テナント全てが会員となっていますが、うち34会員の36人、関係者も含むと約50人が主席。同ビル開業時から継続して総会出席や責任者を選任、講習受講も行ってきた3つの優良事業所を表彰し、顧問・参与を務める港北警察署や神奈川県警察本部暴力団対策課、暴力追放推進センター担当者も、不当要求に応じないための対策や方策について説明、情報共有を行いました。
昨年(2017年)11月から12月にかけて、新横浜駅構内では、新たに4つの商業テナントが入店したこともあり、同会のエリアも、同駅構内にあり、同社が管理する店舗も含むよう会則を変更。
暴力団対策の基本理念である「恐れない」「金を出さない」「利用しない」「協力しない」の「暴力団追放三ない運動プラス1」の4つの言葉を唱和し、組織として“スクラムを組んで”暴力団や反社会的勢力を排除するため、それらの理念を実践することを宣言しました。
新横浜駅付近では、来年(2019年)開催予定の「ラグビーワールドカップ2019(ラグビーW杯)」や、再来年(2020年)に予定されている「東京オリンピック・パラリンピック」、さらには2022(平成34)年度下期(2022年10月から2023年3月までの間)に開通予定の相鉄・東急直通線での新駅開業など、大きなイベントや新建設・再開発が予定されています。
同会の関係者は「大型イベントの開催や、進む新建設・再開発で、暴力団・反社会的勢力が紛(まぎ)れこんでくる可能性もある。多く国内外の人が新横浜にやってくることから、それらのリスクも高まるため、きょう唱和した理念を実践し、対応していきたい」と語ります。
港北警察署も、同社も加盟する港北区暴力団追放推進協議会(大豆戸町・事務局:港北警察署内)とも協力しながら、暴力団・反社会的勢力に対峙(たいじ)していくとし、「不当要求には勇気をもって毅然(きぜん)と拒否、事実確認を行い、不当要求と感じたら、警察や暴力追放推進センターに通報・相談ください」と、地域ぐるみ・組織ぐるみでの対策強化を呼び掛けています。
暴力団の構成員は、「右肩下がりで減っている」(県警本部)ものの、東海道新幹線の玄関口ということもあり、定期的にその姿も駅周辺で確認されていることから、一企業・一個人であっても注意を払うことはもちろん、特に大切だという「恐れない」「協力しない」勇気や決意、姿勢をもって、反社会的勢力に屈しないことが、さらなる暴力団排除や撲滅につながっていくと言えそうです。
【関連記事】
・新横浜の駅ビルが暴力団排除の取り組み、10年継続で港北警察から感謝状(2018年2月7日)
・港北署長「違法行為は積極的に事件化図る」と追放へ決意(2016年2月28日、横浜日吉新聞)
【参考リンク】
・センター概要~不当要求防止責任者講習(公益財団法人神奈川県暴力追放推進センター)
・暴力団排除条例とは (神奈川県)
・暮らしの安全情報~暴力団を追放するために(神奈川県警察本部)