40年ぶりとなる悲願の「関東大会」出場も勝利はならず、最後の「夏の甲子園」に向けての挑戦に全力を尽くします。
1都7県の予選大会を勝ち抜いてきた17校の代表が争う「春の関東大会(春季関東地区高校野球大会)」に、神奈川県代表(第1代表=1位)として40年ぶりに武相高校(仲手原2)が出場。
先週末(2024年)5月18日(土)に高崎市城南野球場(群馬県)で埼玉県第2代表(2位)の昌平高校(葛飾郡杉戸町)に0対8(7回コールド)で敗戦するという結果に。
伸びやかな速球を中心に好投を続けた古賀直己君にわずか3安打、毎回の12三振を築くなど、「関東大会」の壁を痛感する試合となりました。
先発は、神奈川大会の決勝戦を投げ切った三上煌貴(こうき)君がマウンドに上がるも、初回の立ち上がり攻められ、3番打者山根大翔(だいと)君に3ラン本塁打を打たれて3点を失います。
5回裏にも4番打者・櫻井ユウヤ君にソロ本塁打を打たれるなどして2点を失い、6回裏から登板した八木隼俊(はやと)君も山根君に2本目の本塁打を打たれるなど3点を奪われ、7回表もチャンスを作るも無得点に終わり、7点差を埋めることができず、大会規定により「コールドゲーム」での敗戦となりました。
今回の敗戦について、武相高校の豊田圭史(けいし)監督は、「これが実力なので。県大会が終わって以降2週間が経って、コンディションとか体調管理とか、やはり全てにおいて学ばなければならないことがあります」と、関東大会に出場してくる強豪校との対戦に向けた準備の大切さ、そしてこれからの課題についても認識することができたと語ります。
「(今回学んだ課題を)素直に受け入れていかねば、夏の大会に向けて強くなっていかないので」と、「自分たちが自分たちの準備を完璧にできなかった」ことを悔やみます。
その一方で、「夏は短期で、また気温も高い中、6試合、7試合と戦っていかねばならないので、今回学ばせてもらったことを、次の夏に向けてやっていきたいと思っています」と、選手の起用についても“一回フラット”になることで仕切り直しになることから、今回出場できなかった部員たちも含めた一人ひとりの成長に期待したいとの思いを熱く語っていました。
武相高校が放った3安打のうち、2安打を打った4番打者の平野敏久(としき)君は、「(相手が格上と感じたが)なんとしてでも自分も4番打者なので、チームに流れを持って来られるようなバッティングをしたかった」と、タイミングをしっかりとること、しっかりと振り出したバットでヒットを打てたことを喜びます。
チームでは「バッティングのリーダー役」として提案をしながらの練習にも取り組んでいるといい、「やはり夏、勝負は夏なので、夏に悔いがないように、この悔しさを糧(かて)に負けないという気持ちで頑張っていきたい」との思いを語っていました。
先発した投手の三上君も、「自分たちは『雑草』なので、これで終わらずに、チーム全体でレベルアップして夏までに力をつけたい」と、監督からも指導を受ける「雑草」のように野球に取り組むことでの、さらなる飛躍に向けての決意を語ります。
地元からも多くの応援する人々が来訪していたことについては、「応援していただけるのは嬉しい。『当たり前』のことではないと思っているので、自分(たち)が野球をできることに対してしっかり感謝しながらプレーしていきたい」との思い、また夏に向けての決意を表していました。
この日は遠く群馬県高崎市での開催にもかかわらず、約1000人の観客が来場。
神奈川県や横浜市、港北区から応援で駆け付けた人々の姿も多く見られており、春の県大会での活躍前後にも多く卒業生や地域内外からの激励も寄せられていたといいます。
“悔しい敗戦”を機に、夏に向けて「再始動」する武相高校ナイン。
武相高校のチーム、そして一人ひとりの成長に期待するとともに、夏の全国大会(甲子園)2連覇を目指す慶應義塾高校(日吉4)、夏に戦後4回、県準優勝をおさめた歴史を持つ日大高校(箕輪町2)、そして区内公立3校の各チームにおいても、新1年生を「戦力」として迎え入れての、悔いのない「夏の大会」となることが望まれます。
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【参考リンク】
・春季関東地区高等学校野球大会(同)※試合速報へのリンクも