日本と世界が「音楽」でつながる――台湾から来日した小学生との美しくも迫力に満ちた「合同演奏」に、一人ひとりの“世界への夢”が大きく広がります。
横浜市立太尾小学校(大倉山7)では、きのう(2024年)1月31日(水)午後、台湾・台北市にある市立五常小学校から来日した児童・教職員・保護者ら約70人を招いた「弦楽合奏団(弦楽団)とマーチングバンドの交流」企画を初めて行いました。
太尾小学校マーチングバンドの演奏を同小学校の校庭で披露した後、それぞれが約1カ月前から重ねてきた練習の成果を「合同演奏会」で発表、高らかな音色を同小学校の体育館に響かせました。
両校の交流のきっかけは、五常小学校側が国際交流の一環として訪日する際の演奏パートナーを探していた際、コーディネートを担当した中原和幸さんが横浜市国際局につながる縁を持っていたことから、同局から市内公立小学校への打診に手を挙げて応じた太尾小学校での交流が実現したといいます。
この日、まず最初に、太尾小学校の校庭での「マーチングバンド」演奏・パフォーマンスを披露。
「名探偵コナンのテーマ」と、ミュージカル「屋根の上のバイオリン弾き」の楽曲「フィドラー・オン・ザ・ルーフ(Fiddler on the Roof)」の2曲を、全校児童や教職員・保護者、地域から来訪した人々とともに、台湾から来日した五常小学校の児童や教職員、保護者らもゲストとして加わり鑑賞しました。
続いて体育館に移動、弦楽団の約30人と、マーチングバンドの約60人の児童が、初めての「合同演奏リハーサル」の時間を約30分間過ごした上、本番の「合同演奏会」の時間がやってきます。
友好ムードと緊張感とが交じり合う中スタートした体育館内のステージでは、まずは弦楽団が台湾の民謡曲だという「萬山春色(まんさんしゅんしょく)」と「蘭陽(らんよう)舞曲」の2曲を披露。
西洋クラシックを中心とした「古典小組曲」や、東洋のクラシック「賽馬(さいうま)」には日本のメロディーなど東洋と西洋を織り交ぜたという美しい弦楽器の音色を響かせていました。
最後に行われた太尾小学校マーチングバンドとの「合同演奏」では、来日のきっかけを作ったという五常小学校の江佑翎(シャロン)さんと、太尾小学校の佐藤衣織教諭が指揮者として登壇。
約90人が奏でる「名探偵コナンのテーマ」と、「パイレーツ・オブ・カリビアン」の2曲を順に指揮し、壮大なスケールを感じるかの迫力の音量の中、繊細な弦楽器の音色もハーモニーとなり響き渡る演奏を披露していました。
国境を超えて「一つ」になれた児童らが音楽を奏でるシーンに涙を浮かべる人の姿もあるなど、印象深い演奏の感動を、来訪した保護者や教職員、地域の代表者らが笑顔で共有していました。
五常小学校が海外と音楽で交流を行うのは初めての取り組みだといい、きょう2月1日は山梨県の河口湖(富士河口湖町)に移動。
あす2月2日(金)には、「河口湖音楽と森の美術館」内で14時20分からコンサートを開催、その後帰国の途に就く予定とのことです。
台湾では各種コンクールに出演し高い評価を得ることもあるという五常小学校弦楽団の中で選抜された児童と卒業生も含んだメンバーが今回来日したといい、小学生とは思えない「ハイ・クオリティ」な音色を響かせるシーンに多くの拍手が寄せられていました。
この日が「初顔合わせ」となった両校ですが、太尾小学校マーチングバンドも、昨年(2023年)12月9日にさいたまスーパーアリーナ(埼玉県さいたま市)で行われた「第51回マーチングバンド全国大会」(一般社団法人日本マーチングバンド協会)で銀賞を受賞。
翌10日に行われた「2023ジャパンカップ(Japan Cup)日本選手権」(一般社団法人ジャパンカップ組織委員会)では1位を獲得するという、“大きな夢”を達成を経た後の、新たな出会いを通じてさらに大きな「世界への夢」が育まれる瞬間を、一人ひとりが共有できる時間となりました。
太尾小学校マーチングバンドは、3月中にも同小学校で行われる予定の「定期演奏会」や、3月23日(土)に開催が決定した「大倉山さくらまつり」メインデーでの出演も恒例行事として内定しており、“地域に開かれた”マーチングバンドとしての活躍を直接見られる機会が楽しみな日々となりそうです。
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【参考リンク】
・【2月2日(金)】台湾 五常小学校弦楽オーケストラ コンサート(河口湖音楽と森の美術館)