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大倉山にちなんだ「梅ジュース」や、商店街振興のラベルも――学校と地域とつなぐ「ふるさと太尾構想」にちなんだイベントが、“制限なし”で戻ってきます。

あす(2023年)8月26日(土)16時から19時まで(15時30分から入場開始、15時45分から開会式)、横浜市立太尾小学校(大倉山7)で、「第13回ふるさとまつり」(同小学校学校運営協議会主催)が開かれます(自転車での来校は不可、雨天中止予定)。

昨年(2022年)3年ぶりに開催された「太尾小ふるさと祭り」の様子。児童による実行委員会が活躍し行われた

昨年(2022年)3年ぶりに開催された「太尾小ふるさと祭り」の様子。児童による実行委員会が活躍し行われた

在校生や卒業生、保護者(未就学児も同伴可)を参加対象とし、地域との交流を深める目的で、学校運営協議会の中心となる通学エリアの自治会・町内会や地域団体などが出店し開催されてきた、この「ふるさとまつり」のスタートは、今から14年前の2009(平成21)年。

2015(同27)年に策定された同小学校の「ふるさと太尾構想」により、地域との連携の上で開催する同まつりを、「防災訓練」に位置付けるといったチャレンジも敢行。

地域にも児童が制作したポスターを掲示しイベントの復活について伝えている(大倉山地区の学区内)

地域にも児童が制作したポスターを掲示しイベントの復活について伝えている(大倉山地区の学区内)

2021年2月には、総務省消防庁から「第25回防災まちづくり大賞」の最上位賞となる総務大臣賞を初受賞するなど、同小学校学区にとって「なくてはならない」地域との連携イベントの取り組みとして継続し行われてきました。

3年ぶりに再開された昨年(2022年)の回では、新型コロナウイルス対策のため、学年で前後半に入場者を分けるといった対応を行ってきましたが、今年は「コロナ禍」による制限もなくなり、昨年は実施しなかった飲食関連のブースも出店する予定です。

「ふるさと太尾構想」の理念を反映

昨年は「コロナ禍」で多くの人々が交流することが難しい開催だったこともあり、6年生による「プロジェクションマッピング」の披露といった企画で多くの感動を分かち合うシーンが見られた「ふるさとまつり」。

「今年は、大倉山らしい地域のコラボを意識した、4年生1クラスの児童による梅ジュースの販売も予定されています」と、同小学校校長の館(やかた)雅之さんは、今回の「ふるさとまつり」を通じて、子どもたちが率先して地域の名物を採り入れようと考え、行動することを頼もしく感じていると語ります。

「ふるさと太尾構想」の理念を継ぐ館校長、竹﨑会長(2022年開催時)

「ふるさと太尾構想」の理念を継ぐ館校長、竹﨑会長(2022年開催時)

また、6年生の1クラスが、太尾西町会(大倉山6・7丁目の太尾堤緑道と鶴見川に沿った一帯がエリア)かき氷を販売するカップに、大倉山の商店街の振興を目的としたラベルを制作し貼って販売するプランも予定されているといいます。

今回は、「太尾小学校マーチングバンド」の演奏も4年ぶりに予定されているとのことで、「大会への参加もあるなか、マーチングの演奏を行ってくれることに感謝しています」と館校長。

当日は、スーパーボールすくいや射的、輪投げやヨーヨーつりなど、子どもたちが楽しめるゲームの出店も予定されているといい、お祭りやイベントの再開で当日、大いに賑わうことも予想されます。

イベントを企画すること、参加することなど若い世代に「地域まちづくり」の大切さ、地域で交流を日頃から深めることの大切さを伝える「ふるさと」の祭りとなっている

イベントを企画すること、参加することなど若い世代に「地域まちづくり」の大切さ、地域で交流を日頃から深めることの大切さを伝える「ふるさと」の祭りとなっている(同)

「販売するものの売上は、学校をよくすることを目的とした基金に計上することになっているため、自治会・町内会や各団体の皆さんはボランティアです」と、主催者の学校運営協議会会長(太尾親和町会会長)の竹﨑理浩さん

「新型コロナ禍」を経て、地域活動の現状が「なかなか元通り、というわけではないシーンも見られますが、ここまで継続できたことは、立ち上げた当時の担い手の人々などの“思い”や“理念”によるところが大きいのではないでしょうか」と、「ふるさと太尾構想」に謳(うた)われた先進的風土と、地域の願いによる「太尾小学校を核としたまちの構築」によるものと強く感じると語ります。

世代を超えて交流を深める貴重な機会となっている

世代を超えて交流を深める貴重な機会となっている

インターネットなど情報が流通する一方で、少子高齢化による地域の担い手不足や、経済事情の悪化に伴う子育て環境の厳しさも叫ばれる中、学校と地域連携の先進事例としての同イベントが、今後ますます発展し継続していくことが望まれます。

【関連記事】

・【前年記事】<レポート>校舎に巨大「プロジェクションマッピング」、太尾小ふるさと祭りが復活(2022年8月28日)

【参考リンク】

横浜市立太尾小学校のサイト ※「ふるさと太尾構想」のPDFファイルへのリンクも