2028年オリンピックで追加競技に決まった「スカッシュ」の全日本選手権が港北区内で始まります。
公益社団法人日本スカッシュ協会(東京都新宿区)は「第52回全日本スカッシュ選手権大会」をきょう(2023年)11月16日(木)から北新横浜駅近くのスカッシュ専用施設「エスキューブ(SQ-CUBE)横浜」(新羽町)で開き、18日(土)と19日(日)の準決勝と決勝戦は「トレッサ横浜」(師岡町)の特設会場で行います。
スカッシュは、四方が壁になった長方形のコートを使い、テニスとバドミントンの中間程度という大きさの専用ラケットで、ゴルフボールくらいのゴムボールを交互に打つ英国生まれの室内競技。
テニスを由来とした競技ですが、ボールを壁に当てて瞬時に跳ね返りを計算しなければならないことから“立体ビリヤード”とも表現されています。
日本スカッシュ協会によると日本での競技人口は推定10万人で、愛好者は30万人規模とみられています。
国内では北新横浜駅近くの新羽町に専用施設「エスキューブ(SQ-CUBE)横浜」が2007(平成19)年から置かれており、大型大会の会場としてたびたび使われてきました。
また、2018(平成30)年にはトレッサ横浜の「リヨン広場」に四方をガラス張りにしたコートを特設して全日本選手権の公開を始めており、港北区内の2カ所は重要大会の舞台となっています。
欧米で人気が高い競技ということもあり、オリンピックの正式種目として幾度も候補に上がっており、このほど2028年7月に米国ロサンゼルスで開かれる夏季オリンピックで追加競技として初めて採用されることが決まりました。
全日本選手権の会場となるエスキューブ横浜で代表(キャプテン)をつとめる渡辺祥広さんは、「30年前の現役時代から『新競技入り』の可能性を信じて現役をやっていました。選手たちは声を大にして『オリンピックを目指します!』と言えるので、一人でも多くの選手に挑戦してもらいたいですね」と悲願だったオリンピック競技への採用を喜びます。
そんななかで開かれる今回の全日本選手権は、開催まで5年を切ったロス五輪と、2年後に愛知県で予定されている“アジア版オリンピック”とも呼ばれる「アジア競技大会」(2026年9月~10月)での戦いを見据え、より重要性を増した大会となります。
渡辺さんは、「次世代の若手選手が『自分が出る!』と意気込んでいて、トップ選手に次世代選手がどう挑んでいくかの全日本選手権になる」との見方を示します。
大会はきょう11月16日(木)にエスキューブ横浜で男女の予選から始まり、17日(金)までに準々決勝を実施したのち、18日(土)からは舞台をトレッサ横浜に移して準決勝を行い、19日(日)に決勝戦が開かれるというスケジュール。
男子は3連覇かつ8度目の優勝を狙う机(つくえ)龍之介選手(ダイナム)や前回準優勝の遠藤共峻(ともたか)選手(Greetings)、女子では前回準優勝の杉本梨沙選手(StandOut KYOTO)や実績豊富な松井千夏選手(THE SQUASH)ら国内を代表する有力プレーヤーに対し、大学生など若手を中心とした大会参戦者がどこまで食らいついていけるかが見どころとなりそうです。
今大会はエスキューブ横浜での準々決勝までの試合とトレッサ横浜での準決勝・決勝戦ともに一般公開され、観戦は無料。また、準々決勝までは日本スカッシュ協会のFacebookで、準決勝・決勝はYouTubeでそれぞれライブ配信が予定されています。
【関連記事】
・【前回記事】全日本スカッシュ選手権、「トレッサ横浜」で3月18日・19日に準決・決勝戦(2023年3月15日、前回は新型コロナ禍の影響で開催時期がずれ、今年3月に開催された)
【参考リンク】
・全日本スカッシュ選手権の公式ページ(日本スカッシュ協会、2023年11月16日~19日開催)
・スカッシュ専門施設「SQ-CUBE(エスキューブ)」(北新横浜駅近く、11月16日・17日に全日本選手権の準々決勝までを開催)