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ブルーライン北新横浜駅にも近い新羽のスカッシュ施設でおこなわれた救急救命により、尊い命が救われました。

新羽のスカッシュ施設「エスキューブ横浜」で人命救助をおこない、港北消防署で表彰された菅野さん、渡辺さん、伊藤さん(左より)。(10月31日)

新羽のスカッシュ施設「エスキューブ横浜」で人命救助をおこない、港北消防署で表彰された菅野さん、渡辺さん、伊藤さん(左より)。(10月31日)

今年(2022年)6月25日、横浜市港北区新羽町にあるスポーツ施設「ヨコハマスカッシュスタジアムSQ-CUBE(エスキューブ横浜)」 で、試合を終え観戦していた40代男性が、突然意識を消失し、心肺停止状態となる事態に。

その場に居合わせた同施設で働く伊藤鉄平さん、アルバイトで大学生の菅野哲平さんが、AEDを使用しての電気ショックや心臓マッサージを実施。

この事態を知った施設運営者の渡辺祥広さんが119番通報、救急隊が到着した時には、男性の呼吸と心拍は再開

医療機関に搬送された後に、男性の意識は無事に回復。結果、「尊い命」が救われることになったといいます。

吉田崇消防署長から感謝状が手渡され、署員からの大きな拍手が上がっていた

吉田崇消防署長から感謝状が手渡され、署員からの大きな拍手が上がっていた

3人の迅速、かつ適切な行動を称(たた)えるため、先月末の10月31日夕刻、港北消防署長からの感謝状が3人に同署内(大豆戸町・港北区総合庁舎内)で贈呈されました。

同施設を運営する渡辺さんは、横浜市出身。日本体育大学に進学しスカッシュと出会ったといい、全日本選手権で通算7回優勝するという経歴の持ち主で、2007(平成19)年にエスキューブ横浜を開業。

スカッシュの選手としても全国・世界で活躍し、プロコーチとしても知られる伊藤さん、渡辺さんと同じ日本体育大学に在学しスカッシュに取り組む菅野さんが、新型コロナ禍を経て、今年2月から本格的に再開したというクラブ内でのスカッシュ大会に運営側として参加。

吉田署長は3人の勇気と行動力を力強く称(たた)えていた

吉田署長は3人の勇気と行動力を力強く称(たた)えていた

男性が試合をおこなった後、審判として試合に臨んでいた際に突然倒れたことから、今回の救急救命に至ったといいます。

感謝状贈呈の際、同消防署の吉田崇署長は、「尊い命を救うために、皆様が迅速、適切に、そして勇気をもって取っていただいた行動に、改めて感謝を申し上げたい」とあいさつ。

年々、消防署の救急出動件数も増加しているといい、「昨年(2021年)1年間、横浜市内では、約20万4400件港北署内でも1万6000件以上の救急出動がありました。今年はさらに件数が増加しています」と、救急救命現場の状況を伝えます。

特に、出動事例の中でも、最も重篤な「心肺停止」という状況に向き合い、適切な対応をおこなうことの大切さに触れながら、今後も消防署として、区民の安心・安全を守るための取り組みをおこなっていくことを伝え、これからの救急救命活動への理解と協力についても呼び掛けていました。

岩佐克志副署長も交え和やかに記念撮影

岩佐克志副署長も交え和やかに記念撮影

施設内には、AEDがセキュリティ会社により設置されており、伊藤さん、菅野さんはAEDを講習会などで使用経験があったとのこと。

また、AEDを開けた後の自動音声でのアナウンスがあったことも、操作をおこなう際の一助になったといいます。

菅野さんは「小学生の時に、保護者と一緒に地域で受けた講習会が役立ちました」と当時を振り返り、AEDを消防訓練などで習い、使用する機会があったことが今回の人命救助につながったと明かしていました。

和やかな歓談風景も

和やかな歓談風景も

助けられた男性の家族からは、今回の件を深く感謝されたといい、一人の大切な生命を救うことが、多くの人々の「笑顔」につながることを実証できた一例としても、今後長く語り継がれていくことになりそうです。

地元・新羽消防出張所の天道紘貴所長(左)、広報担当の千葉陽さんも表彰式を見届けていた

地元・新羽消防出張所の天道紘貴所長(左)、広報担当の千葉陽さんも表彰式を見届けていた

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日本一を争う「スカッシュ」選手権、決戦の舞台は北新横浜とトレッサ横浜(2019年11月15日)※渡辺さんが開催に尽力

突然の「心肺停止」にどう対応すべきか、横浜アリーナ内の人命救助で感謝状(2022年2月25日)※港北消防署ではAEDの場所を知る、使用方法を知ることの大切さも呼び掛けている

【参考リンク】

【記者発表】適切な救命処置により、尊い命が救われました!~港北消防署長から感謝状を贈呈します(横浜市消防局港北消防署 総務・予防課)