「新横浜線」のように両社がタッグを組んで運営していくといいます。
横浜駅西口の神奈川区鶴屋町で地元の再開発組合の一員として、相鉄グループと東急株式会社が主導する43階建ての高層ビル「ザ・ヨコハマフロント(THE YOKOHAMA FRONT)」(2024年3月竣工予定)について、両社は1階から4階に設ける商業フロアなどを取得したと今月(2023年)8月4日に発表しました。
横浜駅の東神奈川駅寄りにある「きた西口」から徒歩約3分の位置に建設中のザ・ヨコハマフロントは、分譲マンションを中心に店舗やホテル、サービスアパートメントなどを設置する計画の複合ビル。
この地にバス拠点などを持っていた相鉄グループと、地上時代の東横線線路跡を残していた東急が中心となり、周辺ビルや駐車場の権利者らとともに結成した「横浜駅きた西口鶴屋地区市街地再開発組合」が2019年から再開発工事に着手していました。
全42フロアのうち、13階から41階の計29フロアと5階の共用フロアをマンション「ザ・ヨコハマフロントタワー(THE YOKOHAMA FRONT TOWER)」(459戸)として相鉄不動産と東急が分譲し、大半が1億円以上という販売価格ながら、物件公式サイトによると完売したとのこと。
今回、マンション部分以外のフロア構成と、各フロアの取得者(保留床取得者)が公表されたもので、相鉄グループ単独または東急との2社が取得しています。
1階から4階は相鉄グループと東急の2社が取得し、「横浜西口の商業エリアを拡充する個性的な商業施設を展開」するとのこと。
西口の駅ビルである「JR横浜タワー」と歩行者デッキでつながる2階をメインフロアとし、1階は路面店として飲食店を集約。
3階には多言語に対応するクリニックモールや小規模保育施設などによる生活便利施設を集めたフロアになるといいます。
4階はホテルのロビーも置かれることから「新たな横浜を印象付ける、よりグレード感のある飲食・サービスのフロアを整備します」(両社)としました。
「ホテル・サービスアパートメント」となる6階から12階は、相鉄グループが床を取得。グローバル企業などの短・中期滞在に応えるホテル型の宿泊施設(221室=うちサービスアパートメント52室)とする考えです。
最上階となる42階のフロアは両社が床を取得し、「(仮称)グローバルスカイコモンズ」との名称でホールやラウンジ、オフィス、飲食機能などを配置するとしています。
このビル計画は、国際的な経済活動の拠点づくりなどを目的とした国の「国家戦略住宅整備事業」の全国第1号として高さ制限の緩和などを受けていることから、すべての面で“グローバル”を意識しているのが特徴。
マンション販売時にも、販売サイト公開前に国内外で活動する企業経営者らに直接アプローチする形で高層階の物件などを販売していました。
近年は再開発が相次いでいた横浜西口駅前で、一つの区切りとなる“グローバルタワー”は、来年(2024年)3月に竣工の予定。外資系企業も目立つ新横浜を含めた横浜の街にどのような影響を与えるのでしょうか。
【関連記事】
・直通線だけじゃない、「相鉄・東急」が共同で43階建て高級タワマン(2022年1月27日、マンション部分について)
・<レポート>楽しくなった「横浜駅」、今夏の“小さな行楽”スポットに(横浜日吉新聞、2020年8月20日、駅ビル「JR横浜タワー」は新型コロナ禍の最中にオープンしている)
【参考リンク】
・横浜駅きた西口鶴屋地区市街地再開発組合(相鉄と東急も一員、再開発の総合情報)
・マンション部分「ザ・ヨコハマフロントタワー(THE YOKOHAMA FRONT TOWER)」の公式サイト(459戸、完売)
・YOKOHAMA Station Cityの案内図(横浜駅周辺のJR東日本グループのビルを案内)