新横浜・菊名・大倉山・新羽など港北区南部の地域情報サイト

新横浜線の開業も企業誘致に好影響を与えたようです。

横浜市経済局は「企業立地促進条例」の助成を通じ、6社が新たに横浜市内で事業所や研究所・工場などを新設したと発表しました。このうち2社が新横浜に拠点を新たに設け、1社は新横浜企業が区内に研究所を新設しています。

リコーの撤退後、20階建ての賃貸オフィスビルにリニューアルされた「EPIC TOWER SHIN YOKOHAMA(エピックタワー新横浜)」。すでにサクサが複数フロアを使っている(8月15日撮影)

新たに新横浜に拠点を設けたのは、東証プライム上場のサクサホールディングス株式会社(東京都港区)の事業会社で、情報通信機器の製造販売などを行うサクサ株式会社(同、丸井武士社長)。

研究開発などを行っていた相模原市の拠点を移す形で、新横浜3丁目のオフィスビル「EPIC TOWER SHIN YOKOHAMA(エピックタワー新横浜)」(旧リコー新横浜事業所)に新横浜オフィスを新設しました。

市によると、同社が本社を置く港区白金へ新横浜線や都営三田線で直接アクセスできるようになったことも今回の誘致に好影響を与えたといいます。

大手の拠点も目立つ「新横浜TECH(テック)ビル」(2022年7月撮影)

もう一社は自動車用部品などを取り扱う株式会社ピューズ(東京都千代田区、松本浩征社長)で、新横浜TECH(テック)ビルA館(新横浜3)に拠点を新設。市によると都内中心部の本社や厚木市の拠点を集約する計画になっているとのことです。

アリーナ通りの横浜線線路近くにあるレーザーテック本社ビル(2022年2月撮影)

一方、新横浜2丁目に本社ビルを置く半導体関連企業のレーザーテック株式会社(岡林理社長)は、鳥山町から撤退を予定している「東芝研究センター」の跡地を取得し、研究開発拠点「Lasertec Innovation Park(レーザーテックイノベーションパーク)」を新設する計画。

市の誘致を契機としたもので、同社が取り扱う半導体検査装置の新たな生産拠点としてクリーンルームなどの設備を設ける予定で、9月末に東芝研修センターとしての利用が終わった後、10月以降に工事を開始するとのことです。

鳥山町にある東芝研修センターとしての使用は9月末で終える予定(2023年2月撮影)

なお、これまで東芝研修センター内に本社を置いていた東芝傘下の東芝ビジネスエキスパート株式会社と東芝ツーリスト株式会社は、8月17日付けで鶴見区鶴見中央に移転し、10月1日に両社は合併することを発表しています。

今回、横浜市経済局が誘致した事業所や研究所・工場などの一覧(ニュースリリースを一部加工)

【関連記事】

岸根交差点近くの「東芝研修センター」が来年移転、新横浜エリアから撤退へ(2022年2月26日、跡地にレーザーテックが研究拠点を新設)

新横浜の「オフィス空室率」は約10%に、旧リコーの大型ビル動向が鍵(2022年6月15日、旧リコーの20階建て拠点は賃貸オフィスビル「EPIC TOWER SHIN YOKOHAMA(エピックタワー新横浜)」に変わった)

【参考リンク】

横浜市経済局「企業立地促進条例に基づき6件の事業計画を認定」(新横浜へは2社が進出、2023年8月8日)

サクサグループ(エピックタワー新横浜に拠点を新設)

株式会社ピューズ(PUES)(新横浜TECHビルに本社を移す計画)

レーザーテック株式会社の歴史(かつて綱島東に本社を置いた歴史を持つ。2022年に「新研究開発拠点Lasertec Innovation Parkの物件取得、建設開始」の記述も)